いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻2

春を送って詠む送春吟

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 1 · 漢字 96字 · 朗読 0.9分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻2 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

春向晚送將歸。杳杳悠悠適何處。不唯收拾花紅歸。兼取人顔渥丹去。明年春廻花復紅。丹面一緇誰借與。送春去春去忙。空對殘花頻洒涕。問春何去春不言。黃鸎似代春傳語。鸎聲可聞不可會。不若忘情倒芳醑。好去春風莫廻首。與人薄情誰似汝。

春が暮れてゆくので送って帰らせるが はるかはるかにどこへ行くのか 赤い花だけを取り集めて帰るのではなく 人の顔の赤い艶まで持って行く 来年、春が帰れば花はまた赤くなるだろうが 赤かった顔が一度黒ずめば誰が貸してくれよう 春を送れば春は急いで行く むなしく残った花に向かって何度も涙を散らす 春にどこへ行くのかと問うても春は言わず 鶯が春に代わって言葉を伝えるようだ 鶯の声は聞こえても聞き分けられないのだから 情を忘れて香しい酒を傾けるのに及ばない 良く行け春風よ、頭を振り向けるな 人に情が薄いことで誰がお前ほどであろうか