いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻6

この日、元興寺に入って旧友の珪師に会い、これを贈る是日入元興寺。見故人珪師贈之。

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 1 · 漢字 126字 · 朗読 1.2分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻6 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

憶昔共遊長安中。算來一十四春風。君時氣壯未三十。一身謂可趁飛鴻。我亦鬢綠最年少。眼電爛爛如王戎。別來雲散各何處。四海風塵雙轉蓬。相逢一笑撫銅狄。逬淚無言意不窮。師今已非昔日容。瘦與松頭老鶴同。我亦老大心轉縮。無復昔日氣如虹。論情未終各悽惻。不覺半峯斜日紅。人生一世須曳爾。早謝名利從支公。

思えば昔、都でともに遊んだが 数えてみれば十四度の春風である 君はその時、気が盛んでまだ三十にならず この身ひとつで飛ぶ鴻を追えると言っていた 私も鬢が青く、いちばん年若くて 眼の光がきらきらと王戎のようであった 別れてから雲のように散って、それぞれどこにいたのか 四海の風と塵の中を二つの蓬が転がった 互いに出会ってひとたび笑い、銅の人を撫でると 涙があふれ、言葉がなくとも思いは尽きない 師はもう昔の顔ではなく 痩せたさまは松の梢の老いた鶴と同じだ 私も老いて心がかえって縮み もう昔の虹のような気はない 情を語り終わらぬうちにそれぞれ悲しくなり いつのまにか半ば残った峰に沈む日が紅い 人の一生はただ束の間であるから 早く名利を辞して支公に従おう