いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻25

辛卯の年十二月、君と臣が誓って申し上げる文辛卯十二月日。君臣盟告文。

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 1 · 漢字 225字 · 朗読 2分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻25 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

右下土臣某等。熏沐齋戒。謹頓首再拜。哀龥于皇天上帝及一切靈官。夫禍福無門。惟人所召。今者以臣等不肖之故。天降喪亂于國家。彼達旦之頑種。無故犯境。殘敗我邊鄙。殺戮我人民。侵淫至于京畿。騰蹂四郊。如虎擇肉。民之被劫物故者。狼籍于道。君臣思所以捍禦之計。倉惶罔知所圖。但把膝環顧。長大息而已。且達旦嘗有恩於我耳。非有所憾者。而一旦更加殘虐如此。豈偶然者耶。向所謂臣等不肖所致然也。噫。旣往不可追。庶幾從此已後。勿復行非法之事。以此請命于上天。天若不甚處劉我國。則其終忍而不矜耶。所可得行而爲戒者。備載于文底。盟于上天。惟帝其鑑之。

下の土の臣である某らは、香を焚き湯浴みして斎戒し、謹んで頭を下げて二度拝み、皇天上帝とすべての霊官に、悲しく叫んで申し上げます。

およそ禍と福は入る門が別になく、ただ人が招くものです。いま臣らが愚かなために、天が国に死と乱れを下されました。あの達旦の頑なな種族が、理由もなく境を侵し、わが辺境を打ち破り、わが民を殺しました。次々に広がって都の近くに至り、四方の野を踏み荒らして、虎が肉を選ぶようにしました。民のうち掠められ死んだ者が道に乱れ散っています。君と臣が防ぎ守る計を考えても、あわてて図るところを知らず、ただ膝を抱えて見まわし、長く嘆息するばかりです。

また達旦は、かつてわれわれに恩があっただけで、恨むことがあるわけでもないのに、一朝にしてこれほど酷く害するのですから、どうして偶然のことでしょうか。さきに申したとおり、臣らが愚かで至ったことです。

ああ、過ぎたことは追えませんから、願わくは、これから後は二度と法にかなわない事をしません。これで天に命を請います。天がもし、わが国をひどく斬り滅ぼそうとされるのでなければ、最後まで堪えて憐れまれないことがありましょうか。行えて戒めとするものは、文の下に備えて載せ、天に誓いますので、上帝はこれを鑑みてください。

夾注 1

其所戒有十二條。於此不錄。

戒めとする事が十二条あるが、ここには載せない。