いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻37

神に捧げる祭文祭神文

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 1 · 漢字 233字 · 朗読 2.2分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻37 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

謹以蔬菓淸酌之奠。致祭于城隍大王之靈。予吏于玆。蔬茹猶不續。而有獵夫致一鹿于門。予徵其由。則曰此州自古每月旦。使吾等貢一鹿若雉兔充祭肉。然後衙吏等受公之俸。備酒饌致祭于城隍。此成例也。予怒而鞭之曰。汝何不稟於吾而爲是耶。凡不拒乃州之苞苴饋餉。而致山之麕麖𤜵兔熊踏象白之肉。海之鮫鯔鰋鯉晨鳧露鵠之羞。崇積於前者。不忍獨享滋味。其獻于大王宜矣。豈以予蔬食之窮。約月殺生物圖神之肥。而積罪予躬耶。神若正直。亦不予是望也。因戒衙吏。自今不復奠肉。其蔬菓酒饌之設。則任爾爲也。予之約束如此。未審大王諒之何如也。伏惟寬之。毋以予頑然不遵舊典也。

謹んで蔬菜と果物と清らかな酒を供え物として調え、城隍大王の霊前に祭りを捧げます。

私がここで官を勤めていて、蔬菜さえ続かないのに、ある猟師が鹿を一頭、門に持ってきました。私がその理由を尋ねると、こう言いました。「この州では昔から毎月の朔に、私どもに鹿一頭か雉や兎を貢がせて祭りの肉に充てさせます。そののち衙の吏たちが殿の俸を受けて酒と饌を整え、城隍に祭りを捧げます。これが定めの例です。」 私は怒って鞭打ち、「お前はどうして私に伺わずにこのようなことをするのか」と言いました。

そもそも州から贈られる進物や食べ物を拒まず、山の獐や鹿や兎、熊の掌や脂の乗った肉、海の鮫や鯔や鮎や鯉、暁の鴨や露に濡れた鵠などの馳走が目の前に高く積まれるのなら、その美味を独り享けるに忍びず、大王に献じるのが当然でしょう。しかしどうして、私が蔬食で窮しているというのに、月ごとに生き物を殺す約束をして神を肥やそうと図り、その罪を我が身に積みましょうか。神が正直であられるなら、やはり私にこれを望まれはしないはずです。

そこで衙の吏に申し渡し、今より二度と肉を供えないようにさせました。蔬菜と果物と酒と饌を設けることは、お前たちに任せると言いました。私が定めたことはこのようですが、大王がどうお察しくださるかは分かりません。伏してお願いします、寛やかにご覧になり、私が頑なに旧い典を遵わないのだとお思いにならないでください。

夾注 1

全州祭城隍致告文○無韻

全州で城隍に祭りを捧げて告げる文である。韻がない。