いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 後集 巻6

冢宰侍中の崔公が杖を恵んでくださったことを奉謝する奉謝冢宰侍中崔公惠柱杖

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 2 · 漢字 133字 · 朗読 1.4分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 後集 巻6 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

1序

某啓。僕自近年。身衰脚弱。須杖迺起。先是。伏蒙鈞慈送與寶杖。自謂此足以支持一生。今復惠一枚。益扶衰苶之身。更護欹傾之步。此杖若存。此心何旣。雖至白骨。豈敢有忘。謹成拙詩一首。奉謝萬一耳。

某が申し上げます。わたくしは近年、身が衰え脚が弱って、杖があってようやく立ち上がります。先に、謹んで御仁慈をもって宝のような杖を送ってくださいましたので、これで一生を支えるに十分だと自ら思っておりました。

いま、またもう一本をくださって、衰え疲れた身をいっそう支え、傾く歩みを重ねて守ってくださいます。この杖が残っている限り、この心がどうして尽きましょうか。たとえ白い骨になろうとも、どうして忘れることがありましょう。謹んで拙い詩一首を作り、万分の一なりとも奉って謝します。

夾注 1

幷序

序を併せて付す

十步欹傾九踣僵。感公全與一身強。疏圓節硬分珠琲。瑩滑皮勻鬪雪霜。杖起方看肩上過。携來偏稱手中將。平生多荷扶持力。又許扶衰惠可量。

十歩のうち九度は傾いて倒れるのに 公が全身を強くしてくださったことに感じ入ります 疎(あら)く円い節は硬く、珠を連ねて分けたようで 瑩(つや)やかで滑らかに揃った皮は、雪と霜に競うようです 杖いて立ち上がって、はじめて肩の上を越えるのを見 携えて来ると、とりわけ手の中に握るのに適っています 生涯、支えてくださった力を多く被(こうむ)ってきたのに また衰えた身を支えることを許してくださり、その恵みを量れましょうか