いにしえの文 › 訓民正音(民を教えるための正しい音) › 解例

文字の成り立ちの解説制字解

訓民正音(民を教えるための正しい音) 訓民正音 · 世宗と集賢殿の学士たち · 1446年(朝鮮・世宗28年) · 段落 11 · 漢字 2,168字 · 朗読 20.5分

訓民正音(民を教えるための正しい音) 解例 世宗が二十八字を作り、その理由と使い方を記した書。「国の言葉の音が中国と異なり」で始まる序文と、字をどのように作ったかを明らかにした制字解が併せて収められている。字を作った人がその原理を自らの手で記して残した例は、世界にほかにない。

天地之道,一陰陽五行而已。坤復之間爲太極,而動靜之後爲陰陽。凡有生類在天地之間者,捨陰陽而何之。故人之聲音,皆有陰陽之理,顧人不察耳。今正音之作,初非智營而力索,但因其聲音而極其理而已。理旣不二,則何得不與天地鬼神同其用也。

天地の道は、陰陽と五行の一つだけである。坤と復の間が太極となり、動と静の後が陰陽となる。およそ天地の間に生きるものが、陰陽を捨ててどこへ行けようか。だから人の声にもみな陰陽の理があるのだが、人が省みないだけである。

いま正音を作ったのも、はじめから知恵で工み力で探り出したものではなく、ただその音に従ってその理を尽くしただけである。理がすでに二つでないのだから、どうして天地や鬼神とその働きを同じくしないでいられようか。

正音二十八字,各象其形而制之。

正音の二十八字は、それぞれその形をかたどって作った。

初聲凡十七字。 牙音ㄱ,象舌根閉喉之形。 舌音ㄴ,象舌附上腭之形。 脣音ㅁ,象口形。 齒音ㅅ,象齒形。 喉音ㅇ,象喉形。 ㅋ比ㄱ聲出稍厲,故加劃。ㄴ而ㄷ,ㄷ而ㅌ,ㅁ而ㅂ,ㅂ而ㅍ,ㅅ而ㅈ,ㅈ而ㅊ,ㅇ而ㆆ,ㆆ而ㅎ,其因聲加劃之義皆同,而唯ㆁ爲異。半舌音ㄹ,半齒音ㅿ,亦象舌齒之形而異其體,無加劃之義焉。

初声はあわせて十七字である。 牙音の ㄱ は、舌の根が喉を閉じる形をかたどった。 舌音の ㄴ は、舌が上の歯ぐきに触れる形をかたどった。 唇音の ㅁ は、口の形をかたどった。 歯音の ㅅ は、歯の形をかたどった。 喉音の ㅇ は、喉の形をかたどった。

ㅋ は ㄱ に比べて音の出方が少し激しいので、画を加えた。ㄴ から ㄷ へ、ㄷ から ㅌ へ、ㅁ から ㅂ へ、ㅂ から ㅍ へ、ㅅ から ㅈ へ、ㅈ から ㅊ へ、ㅇ から ㆆ へ、ㆆ から ㅎ へ進むのも、音に従って画を加えた意味はみな同じであるが、ただ ㆁ だけは異なる。半舌音の ㄹ と半歯音の ㅿ も、舌と歯の形をかたどりながらその体を異にしたもので、画を加えた意味はない。

夫人之有聲本於五行。故合諸四時而不悖,叶之五音而不戾。喉邃而潤,水也。聲虛而通,如水之虛明而流通也。於時爲冬,於音爲羽。牙錯而長,木也。聲似喉而實,如木之生於水而有形也。於時爲春,於音爲角。舌銳而動,火也。聲轉而颺,如火之轉展而揚揚也。於時爲夏,於音爲徵。齒剛而斷,金也。聲屑而滯,如金之屑𤨏而鍛成也。於時爲秋,於音爲商。脣方爲合,土也。聲含而廣,如土之含蓄萬物而廣大也。於時爲季夏,於音爲宮。然水乃生物之源,火乃成物之用,故五行之中,水火爲大。喉乃出聲之門,舌乃辨聲之管,故五音之中,喉舌爲主也。喉居後而牙次之,北東之位也。舌齒又次之,南西之位也。脣居末,土無定位而寄旺四季之義也。是則初聲之中,自有陰陽五行方位之數也。

およそ人が声を出すのは五行に根ざしている。だから四季に合わせても背かず、五音に合わせても違わない。

喉は深くて潤っているので、水である。その音は虚ろで通るので、水が澄んで明るく流れ通るのと同じである。季節では冬、音では羽である。

牙は入り交じって長いので、木である。その音は喉音に似ていながら実しているので、木が水から生じて形を備えたのと同じである。季節では春、音では角である。

舌は鋭くて動くので、火である。その音は転じて飛ぶので、火が燃え広がって揚がるのと同じである。季節では夏、音では徴である。

歯は硬くて断ち切るので、金である。その音は砕けて滞るので、金が細かく砕けては鍛えて成るのと同じである。季節では秋、音では商である。

唇は方形で合わさるので、土である。その音は含んで広いので、土が万物を蓄えて広大であるのと同じである。季節では晩夏、音では宮である。

しかし水は物を生む源であり、火は物を成す働きであるから、五行のうちで水と火が大きい。喉は声が出る門であり、舌は声を分ける管であるから、五音のうちで喉と舌が主となる。

喉は後ろにあって牙がその次であり、北と東の位である。舌と歯がまたその次であり、南と西の位である。唇は末にあり、土が定まった位をもたず四季に寄って旺んになるという意味である。これはすなわち、初声のうちに自然と陰陽・五行・方位の数があるということである。

又以聲音淸濁而言之。 ㄱㄷㅂㅈㅅㆆ,爲全淸。 ㅋㅌㅍㅊㅎ,爲次淸。 ㄲㄸㅃㅉㅆㆅ,爲全濁。 ㆁㄴㅁㅇㄹㅿ,爲不淸不濁。 ㄴㅁㅇ,其聲最不厲,故次序雖在於後,而象形制字則爲之始。ㅅㅈ雖皆爲全淸,而ㅅ比ㅈ,聲不厲,故亦爲制字之始。唯牙之ㆁ,雖舌根閉喉聲氣出鼻,而其聲與ㅇ相似,故韻書疑與喩多相混用,今亦取象於喉,而不爲牙音制字之始。盖喉屬水而牙屬木,ㆁ雖在牙而與ㅇ相似,猶木之萌芽生於水而柔軟,尙多水氣也。ㄱ木之成質,ㅋ木之盛長,ㄲ木之老壯,故至此乃皆取象於牙也。全淸並書則爲全濁,以其全淸之聲凝則爲全濁也。唯喉音次淸爲全濁者,盖以ㆆ聲深不爲之凝,ㅎ比ㆆ聲淺,故凝而爲全濁也。ㅇ連書脣音之下,則爲脣輕音者,以輕音脣乍合而喉聲多也。

また音の清濁で言ってみよう。 ㄱㄷㅂㅈㅅㆆ は全清である。 ㅋㅌㅍㅊㅎ は次清である。 ㄲㄸㅃㅉㅆㆅ は全濁である。 ㆁㄴㅁㅇㄹㅿ は不清不濁である。

ㄴㅁㅇ はその音が最も激しくないので、順序では後ろにあるが、形をかたどって字を作るうえでは始めとなる。ㅅ と ㅈ はどちらも全清であるが、ㅅ は ㅈ に比べて音が激しくないので、やはり字を作る始めとなる。

ただ牙音の ㆁ は、舌の根が喉を閉じて音の気が鼻から出るが、その音が ㅇ と互いに似ている。だから韻書でも疑と喩をしばしば混ぜて用い、いまも喉から形を取って、牙音の字を作る始めとはしなかった。おおよそ喉は水に属し牙は木に属するが、ㆁ は牙にありながら ㅇ と似ていて、木の芽が水から生えて柔らかく、まだ水気が多いのと同じである。ㄱ は木が質を成したもの、ㅋ は木が盛んに育ったもの、ㄲ は木が老いて強くなったものである。だからここに至っては、みな牙から形を取った。

全清を並べて書けば全濁となるのは、全清の音が凝れば全濁となるからである。ただ喉音だけは次清が全濁となるが、おおよそ ㆆ は音が深くて凝らず、ㅎ は ㆆ に比べて音が浅いので、凝って全濁となるからである。ㅇ を唇音の下に続けて書いて唇軽音となるのは、軽い音は唇がしばらく合わさって喉の音が多いからである。

中聲凡十一字。 ㆍ舌縮而聲深,天開於子也。形之圓,象乎天也。 ㅡ舌小縮而聲不深不淺,地闢於丑也。形之平,象乎地也。 ㅣ舌不縮而聲淺,人生於寅也。形之立,象乎人也。 此下八聲,一闔一闢。 ㅗ與ㆍ同而口蹙,其形則ㆍ與ㅡ合而成,取天地初交之義也。 ㅏ與ㆍ同而口張,其形則ㅣ與ㆍ合而成,取天地之用發於事物待人而成也。 ㅜ與ㅡ同而口蹙,其形則ㅡ與ㆍ合而成,亦取天地初交之義也。 ㅓ與ㅡ同而口張,其形則ㆍ與ㅣ合而成,亦取天地之用發於事物待人而成也。 ㅛ與ㅗ同而起於ㅣ。 ㅑ與ㅏ同而起於ㅣ。 ㅠ與ㅜ同而起於ㅣ。 ㅕ與ㅓ同而起於ㅣ。 ㅗㅏㅜㅓ始於天地,爲初出也。ㅛㅑㅠㅕ起於ㅣ而兼乎人,爲再出也。ㅗㅏㅜㅓ之一其圓者,取其初生之義也。ㅛㅑㅠㅕ之二其圓者,取其再生之義也。ㅗㅏㅛㅑ之圓居上與外者,以其出於天而爲陽也。ㅜㅓㅠㅕ之圓居下與內者,以其出於地而爲陰也。ㆍ之貫於八聲者,猶陽之統陰而周流萬物也。ㅛㅑㅠㅕ之皆兼乎人者,以人爲萬物之靈而能參兩儀也。取象於天地人而三才之道備矣。然三才爲萬物之先,而天又爲三才之始,猶ㆍㅡㅣ三字爲八聲之首,而ㆍ又爲三字之冠也。

中声はあわせて十一字である。 ㆍ は舌が縮まって音が深く、天が子の時に開いたものである。その形が丸いのは、天をかたどったものである。 ㅡ は舌が少し縮まって音が深くも浅くもなく、地が丑の時に開いたものである。その形が平らなのは、地をかたどったものである。 ㅣ は舌が縮まらず音が浅く、人が寅の時に生まれたものである。その形が立っているのは、人をかたどったものである。

この下の八つの音は、一つは閉じ、一つは開く。 ㅗ は ㆍ と同じであるが口がすぼまる。その形は ㆍ と ㅡ が合わさって成ったもので、天と地が初めて交わる意味を取ったものである。 ㅏ は ㆍ と同じであるが口が開く。その形は ㅣ と ㆍ が合わさって成ったもので、天と地の働きが事物に現れながら、人を待って成るという意味を取ったものである。 ㅜ は ㅡ と同じであるが口がすぼまる。その形は ㅡ と ㆍ が合わさって成ったもので、やはり天と地が初めて交わる意味を取ったものである。 ㅓ は ㅡ と同じであるが口が開く。その形は ㆍ と ㅣ が合わさって成ったもので、やはり天と地の働きが事物に現れながら、人を待って成るという意味を取ったものである。 ㅛ は ㅗ と同じであるが ㅣ から起こる。 ㅑ は ㅏ と同じであるが ㅣ から起こる。 ㅠ は ㅜ と同じであるが ㅣ から起こる。 ㅕ は ㅓ と同じであるが ㅣ から起こる。

ㅗㅏㅜㅓ は天と地から始まるので初めて出たものであり、ㅛㅑㅠㅕ は ㅣ から起こって人を兼ねるので再び出たものである。ㅗㅏㅜㅓ が丸い点を一つにしたのは、初めて生じた意味を取ったものであり、ㅛㅑㅠㅕ が丸い点を二つにしたのは、再び生じた意味を取ったものである。ㅗㅏㅛㅑ の丸い点が上と外にあるのは、天から出て陽となるからであり、ㅜㅓㅠㅕ の丸い点が下と内にあるのは、地から出て陰となるからである。

ㆍ が八つの音を貫くのは、陽が陰を統べて万物にひろく流れるのと同じである。ㅛㅑㅠㅕ がみな人を兼ねるのは、人が万物の霊であって、よく天と地に加わりうるからである。天と地と人から形を取ったので、三才の道が備わった。しかし三才は万物より先であり、天はまた三才の始めであって、ㆍㅡㅣ の三字が八つの音の頭となり、ㆍ がまた三字の首となるのと同じである。

ㅗ初生於天,天一生水之位也。ㅏ次之,天三生木之位也。ㅜ初生於地,地二生火之位也。ㅓ次之,地四生金之位也。ㅛ再生於天,天七成火之數也。ㅑ次之,天九成金之數也。ㅠ再生於地,地六成水之數也。ㅕ次之,地八成木之數也。水火未離乎氣,陰陽交合之初,故闔。木金陰陽之定質,故闢。ㆍ天五生土之位也。ㅡ地十成土之數也。ㅣ獨無位數者,盖以人則無極之眞,二五之精,妙合而凝,固未可以定位成數論也。是則中聲之中,亦自有陰陽五行方位之數也。

ㅗ は天において初めて生じたので、天の一が水を生む位であり、ㅏ がその次なので、天の三が木を生む位である。ㅜ は地において初めて生じたので、地の二が火を生む位であり、ㅓ がその次なので、地の四が金を生む位である。ㅛ は天において再び生じたので、天の七が火を成す数であり、ㅑ がその次なので、天の九が金を成す数である。ㅠ は地において再び生じたので、地の六が水を成す数であり、ㅕ がその次なので、地の八が木を成す数である。

水と火はまだ気を離れず、陰陽が交わり合う初めなので閉じ、木と金は陰陽の定まった質なので開く。ㆍ は天の五が土を生む位であり、ㅡ は地の十が土を成す数である。ㅣ だけが位と数をもたないのは、おおよそ人とは無極の真と陰陽五行の精が妙に合わさって凝ったものであって、もとより位を定め数を成すことで論じられないからである。これはすなわち、中声のうちにもまた自然と陰陽・五行・方位の数があるということである。

以初聲對中聲而言之。陰陽,天道也。剛柔,地道也。中聲者,一深一淺一闔一闢,是則陰陽分而五行之氣具焉,天之用也。初聲者,或虛或實或颺或滯或重若輕,是則剛柔著而五行之質成焉,地之功也。中聲以深淺闔闢唱之於前,初聲以五音淸濁和之於後,而爲初亦爲終。亦可見萬物初生於地,復歸於地也。以初中終合成之字言之,亦有動靜互根陰陽交變之義焉。動者,天也。靜者,地也。兼互動靜者,人也。盖五行在天則神之運也,在地則質之成也,在人則仁禮信義。智神之運也,肝心脾肺腎質之成也。

初声を中声に対して言ってみよう。陰陽は天の道であり、剛と柔は地の道である。中声は、一つは深く一つは浅く、一つは閉じ一つは開くので、これは陰陽が分かれて五行の気が備わったものであり、天の働きである。初声は、虚ろでもあり実しもし、飛びもし滞りもし、重くもあり軽くもあるので、これは剛と柔が現れて五行の質が成ったものであり、地の功である。

中声が深浅と閉開をもって前で唱えると、初声が五音と清濁をもって後で和し、初声にもなり終声にもなる。また、万物が地に初めて生じ、ふたたび地へ帰ることも見てとれる。

初声・中声・終声が合わさって成った字で言えば、やはり動と静が互いに根となり、陰と陽が交わり変わる意味がある。動くものは天であり、静かなものは地であり、動と静を兼ね備えたものは人である。おおよそ五行は、天にあれば神の運行であり、地にあれば質の成りであり、人にあれば仁・礼・信・義・智が神の運行であり、肝・心・脾・肺・腎が質の成りである。

初聲有發動之義,天之事也。終聲有止定之義,地之事也。中聲承初之生,接終之成,人之事也。盖字韻之要,在於中聲,初終合而成音。亦猶天地生成萬物,而其財成輔相則必賴乎人也。終聲之復用初聲者,以其動而陽者乾也,靜而陰者亦乾也,乾實分陰陽而無不君宰也。一元之氣,周流不窮,四時之運,循環無端,故貞而復元,冬而復春。初聲之復爲終,終聲之復爲初,亦此義也。

初声には発し動く意味があるので天の事であり、終声には止まり定まる意味があるので地の事であり、中声は初声の生じるのを受けつぎ、終声の成るのに接するので人の事である。おおよそ字音の要は中声にあり、初声と終声が合わさって音を成す。また、天と地が万物を生み成しながら、それを裁して成し助けることは必ず人に頼るのと同じである。

終声に初声をふたたび用いるのは、動いて陽であるものも乾であり、静かで陰であるものもまた乾であって、乾が実に陰と陽に分かれて司らないことがないからである。一元の気がひろく流れて尽きず、四季の運行がめぐって終わりがないので、貞からふたたび元へ行き、冬からふたたび春へ行く。初声がふたたび終声となり、終声がふたたび初声となるのも、この意味である。

旴。正音作而天地萬物之理咸備,其神矣哉。是殆天啓聖心而假手焉者乎。訣曰

ああ、正音が作られて、天と地と万物の理がすべて備わった。なんと霊妙なことであろう。これはおそらく、天が王の御心を開いてその手を借りたものであろう。要点を歌にする。

天地之化本一氣 陰陽五行相始終 物於兩間有形聲 元本無二理數通 正音制字尙其象 因聲之厲每加劃 音出牙舌脣齒喉 是爲初聲字十七 牙取舌根閉喉形 唯業似欲取義別 舌迺象舌附上腭 脣則實是取口形 齒喉直取齒喉象 知斯五義聲自明 又有半舌半齒音 取象同而體則異 那彌戌欲聲不厲 次序雖後象形始 配諸四時與沖氣 五行五音無不協 維喉爲水冬與羽 牙迺春木其音角 徵音夏火是舌聲 齒則商秋又是金 脣於位數本無定 土而季夏爲宮音 聲音又自有淸濁 要於初發細推尋 全淸聲是君斗瞥 卽戌挹亦全淸聲 若迺快呑漂侵虛 五音各一爲次淸 全濁之聲虯覃步 又有慈邪亦有洪 全淸並書爲全濁 唯洪自虛是不同 業那彌欲及閭穰 其聲不淸又不濁 欲之連書爲脣輕 喉聲多而脣乍合 中聲十一亦取象 精義未可容易觀 呑擬於天聲最深 所以圓形如彈丸 卽聲不深又不淺 其形之平象乎地 侵象人立厥聲淺 三才之道斯爲備 洪出於天尙爲闔 象取天圓合地平 覃亦出天爲已闢 發於事物就人成 用初生義一其圓 出天爲陽在上外 欲穰兼人爲再出 二圓爲形見其義 君業戌彆出於地 據例自知何湏評 呑之爲字貫八聲 維天之用徧流行 四聲兼人亦有由 人參天地爲最靈 且就三聲究至理 自有剛柔與陰陽 中是天用陰陽分 初迺地功剛柔彰 中聲唱之初聲和 天先乎地理自然 和者爲初亦爲終 物生復歸皆於坤 陰變爲陽陽變陰 一動一靜互爲根 初聲復有發生義 爲陽之動主於天 終聲比地陰之靜 字音於此止定焉 韻成要在中聲用 人能輔相天地宜 陽之爲用通於陰 至而伸則反而歸 初終雖云分兩儀 終用初聲義可知 正音之字只卄八 探賾錯綜窮深幾 指遠言近牖民易 天授何曾智巧爲

天地の化はもとより一つの気であり 陰陽と五行が互いに始めと終わりとなる 万物はその間にあって形と音をもち 根もとに二つはなく、理と数が通じる 正音の字作りはその形を尊び 音の激しさに従ってそのたびに画を加えた 音は牙・舌・唇・歯・喉から出るので これが初声の字十七である 牙は舌の根が喉を閉じる形を取り ただ業は欲と似ているので意味を別に取った 舌は舌が上の歯ぐきに触れる形をかたどり 唇はまさしく口の形を取った 歯と喉はそのまま歯と喉の形を取ったので この五つの意味を知れば音はおのずから明らかである また半舌音と半歯音があり 形の取り方は同じだがその体は異なる 那・彌・戌・欲は音が激しくないので 順序は後ろだが形をかたどる始めとなる 四季と沖気に配すれば 五行と五音が合わないことはない 喉は水であって冬であり羽であり 牙は春で木であるからその音は角である 徴の音は夏で火であり、すなわち舌の音である 歯は商であって秋であり、また金である 唇は位と数がもとより定まらず 土でありながら晩夏であって宮の音となる 音にはまたおのずから清濁があり 初めに発するところで細かく推し尋ねるべきである 全清の音は君・斗・彆であり 卽・戌・挹もまた全清の音である 快・呑・漂・侵・虛については 五音それぞれ一つずつが次清となる 全濁の音は虯・覃・步であり また慈・邪があり、洪もある 全清を並べて書けば全濁となるが ただ洪だけは虛から出るので、これが異なる 業・那・彌・欲と閭・穰は その音が清くもなく濁ってもいない 欲を続けて書けば唇軽音となり 喉の音が多くて唇がしばらく合わさる 中声の十一もまた形を取ったもので 深い意味はたやすくは見てとれない 呑は天になぞらえて音が最も深いので それゆえ形は丸くて弾丸のようである 卽は音が深くも浅くもないので その形の平らなことは地をかたどった 侵は人が立つ形をかたどってその音は浅く 三才の道がここに備わる 洪は天から出ながらなお閉じるので 天の丸さが地の平らさと合わさる形を取った 覃もまた天から出ながらすでに開いているので 事物に現れ、人に就いて成る 初めて生じた意味を用いてその丸い点を一つにし 天から出て陽となるので上と外にある 欲と穰は人を兼ねて再び出たものなので 丸い点二つで形をなしてその意味を見せる 君・業・戌・彆は地から出たので 例によっておのずから知れる。何を論じることがあろうか 呑という字が八つの音を貫くのは ただ天の働きがひろく流れめぐるからである 四つの音が人を兼ねるのにも理由があり 人が天と地に加わって最も霊であるからである また三つの音に就いて至極の理を究めれば おのずから剛と柔があり、陰と陽がある 中声は天の働きなので陰陽が分かれ 初声は地の功なので剛と柔が現れる 中声が唱えれば初声が和するのは 天が地より先であるという理がおのずからそうなのである 和するものが初声にもなり終声にもなるのは 万物が生まれ、ふたたび帰るのがみな地であるからである 陰が変じて陽となり、陽が変じて陰となり 一度動き一度静まって、互いに根となる 初声にはまた発し生じる意味があり 陽の動きとなって天に属する 終声は地になぞらえられ、陰の静かさであって 字の音がここで止まり定まる 音を成す要は中声の働きにあり 人が天と地を助けるのが当然である 陽の働きは陰に通じ 至って伸びればまた返って帰る 初声と終声を二つに分けるとはいうが 終声に初声を用いる意味は知ることができる 正音の字はただ二十八であるが 奥深いものを探り組み合わせて、幽かなきざしを尽くす 指し示すところは遠く言葉は近いので、民を導きやすい 天が授けたものであって、どうして人の知恵と巧みでなされたものであろうか

夾注 1

訣で呼ばれる君・快・虯・業などは、用例と意味に示された字母の名であり、それぞれその字 ㄱ・ㅋ・ㄲ・ㆁ を指す。 ― 訳者