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墜形訓

淮南子(淮南の学士たちの書) 淮南子 · 劉安と文客たち · 紀元前139年頃 · 段落 22 · 漢字 3,961字 · 朗読 15.8分

淮南子(淮南の学士たちの書) 漢の淮南王・劉安が文客たちとともに編んだ書である。道徳経・荘子・列子に続く道家の四番目の位置に置かれるが、一人の声ではなく、幾つもの手が分けて書いた百科に近い。天と地の枠組み(天文・地形・時則)、人の精神と治め、兵法と箴言までを一つの家に全部入れてある。 嫦娥が西王母の不死の薬を盗んで月へ逃げたという話が初めて記されたところが覧冥訓である。今に伝わる月の神話の根がここの一行である。 説山訓と説林訓の二篇は短い箴言を次々に並べており、道応訓は物語五十五段のそれぞれを「ゆえに老子が言うには」で結ぶ。古い話を道徳経の句に一つずつ合わせてみたことになる。 時則訓は東方の果てを「碣石山を過ぎ、朝鮮を過ぎる」と定め、人間訓は秦の始皇が長い城を築いて「東は朝鮮に結んだ」と記す。漢の初めに朝鮮がどのあたりと考えられていたかを示す二箇所である。

墬形之所載,六合之間,四極之內,照之以日月,經之以星辰,紀之以四時,要之以太歲,天地之間,九州八極,土有九山,山有九塞,澤有九藪,風有八等,水有六品。

地の形が載せるものは、六合のあいだ、四極の内であり、日と月によって照らし、星によって経とし、四季によって記し、太歳によって要とする。天地のあいだには九州と八極があり、土に九つの山があり、山に九つの塞があり、沢に九つの藪があり、風に八つの等があり、水に六つの品がある。

何謂九州?東南神州曰農土,正南次州曰沃土,西南戎州曰滔土,正西弇州曰並土,正中冀州曰中土,西北台州曰肥土,正北泲州曰成土,東北薄州曰隱土,正東陽州曰申土。

何を九州というのか。東南の神州を農土といい、真南の次州を沃土といい、西南の戎州を滔土といい、真西の弇州を並土といい、真中の冀州を中土といい、西北の台州を肥土といい、真北の泲州を成土といい、東北の薄州を隠土といい、真東の陽州を申土という。

何謂九山?會稽、泰山、王屋、首山、太華、岐山、太行、羊腸、孟門。何謂九塞?曰太汾、澠厄、荊阮、方城、肴阪、井陘、令疵、句注、居庸。何謂九藪?曰越之具區,楚之雲夢澤,秦之陽紆,晉之大陸,鄭之圃田,宋之孟諸,齊之海隅,趙之钜鹿,燕之昭餘。

何を九つの山というのか。会稽・泰山・王屋・首山・太華・岐山・太行・羊腸・孟門である。何を九つの塞というのか。太汾・澠厄・荊阮・方城・肴阪・井陘・令疵・句注・居庸である。何を九つの藪というのか。越の具区、楚の雲夢沢、秦の陽紆、晋の大陸、鄭の圃田、宋の孟諸、斉の海隅、趙の鉅鹿、燕の昭余である。

何謂八風?東北曰炎風,東方曰條風,東南曰景風,南方曰巨風,西南曰涼風,西方曰飂風,西北曰麗風,北方曰寒風。

何を八風というのか。東北を炎風といい、東方を条風といい、東南を景風といい、南方を巨風といい、西南を涼風といい、西方を飂風といい、西北を麗風といい、北方を寒風という。

何謂六水?曰河水、赤水、遼水、黑水、江水、淮水。

何を六つの水というのか。河水・赤水・遼水・黒水・江水・淮水である。

闔四海之內,東西二萬八千里,南北二萬六千里,水道八千里,通穀其名川六百,陸徑三千里。禹乃使太章步自東極,至於西極,二億三萬三千五百里七十五步。使豎亥步自北極,至於南極,二億三萬三千五百七十五里。凡鴻水淵藪,自三百仞以上,二億三萬三千五百五十里,有九淵。禹乃以息土填洪水以為名山,掘昆侖虛以下地,中有增城九重,其高萬一千里百一十四步二尺六寸。上有木禾,其修五尋,珠樹、玉樹、琁樹、不死樹在其西,沙棠、琅玕在其東,絳樹在其南,碧樹、瑤樹在其北。旁有四百四十門,門間四裏,里間九純,純丈五尺。旁有九井玉橫,維其西北之隅,北門開以內不周之風,傾宮、旋室、縣圃、涼風、樊桐在昆侖閶闔之中,是其疏圃。疏圃之池,浸之黃水,黃水三周複其原,是謂丹水,飲之不死。河水出昆侖東北陬,貫渤海,入禹所導積石山,赤水出其東南陬,西南注南海丹澤之東。赤水之東,弱水出自窮石,至於合黎,餘波入於流沙,絕流沙南至南海。洋水出其西北陬,入於南海羽民之南。凡四水者,帝之神泉,以和百藥,以潤萬物。

四海の内をすべて合わせれば、東西は二万八千里、南北は二万六千里、水の道は八千里、谷に通じる名高い川は六百、陸の道は三千里である。禹は太章に東の極から歩かせて西の極に至らせたところ、二億三万三千五百里七十五歩であった。豎亥に北の極から歩かせて南の極に至らせたところ、二億三万三千五百七十五里であった。およそ大水や淵や藪で三百仞以上のものは、二億三万三千五百五十里で、九つの淵がある。禹は息土で洪水を埋めて名高い山とし、崑崙虚を掘って地を下げると、なかに増城が九重あって、その高さは一万一千里百十四歩二尺六寸であった。上には木禾があって、その長さは五尋、珠樹・玉樹・琁樹・不死樹がその西に在り、沙棠・琅玕がその東に在り、絳樹がその南に在り、碧樹・瑶樹がその北に在る。傍らに四百四十の門があり、門の間は四里、里の間は九純で、純は一丈五尺である。傍らに九つの井と玉の欄があり、その西北の隅を維として、北の門を開いて不周の風を入れる。傾宮・旋室・懸圃・涼風・樊桐が崑崙の閶闔のなかに在り、これがその疏圃である。疏圃の池は黄水で潤され、黄水は三度めぐってその源へ返る。これを丹水といい、これを飲めば死なない。河水は崑崙の東北の隅から出て渤海を貫き、禹が導いた積石山へ入る。赤水はその東南の隅から出て、西南へ南海の丹沢の東へ注ぐ。赤水の東では、弱水が窮石から出て合黎に至り、余った波は流沙へ入り、流沙を断って南へ南海に至る。洋水はその西北の隅から出て、南海の羽民の南へ入る。この四つの水は帝の神なる泉であって、百の薬を和し、万物を潤す。

昆侖之丘,或上倍之,是謂涼風之山,登之而不死。或上倍之,是謂懸圃,登之乃靈,能使風雨。或上倍之,乃維上天,登之乃神,是謂太帝之居。扶木在陽州,日之所曊。建木在都廣,眾帝所自上下,日中無景,呼而無響,蓋天地之中也。若木在建木西,末有十日,其華照下地。

崑崙の丘は、その上に倍するものがあって、これを涼風の山といい、ここに登れば死なない。さらに上に倍するものがあって、これを懸圃といい、ここに登れば霊となって風雨を使うことができる。さらに上に倍すれば、上の天に繋がり、ここに登れば神となる。これを太帝の居という。扶木は陽州に在り、日が照らすところである。建木は都広に在り、諸々の帝が上り下りするところで、真昼に影がなく、呼んでも響きがない。おそらく天地の中ほどである。若木は建木の西に在り、その先に十の日があって、その花が下の地を照らす。

九州之大,純方千里,九州之外,乃有八殥,亦方千里。自東北方曰大澤,曰無通;東方曰大渚,曰少海;東南方曰具區,曰元澤;南方曰大夢,曰浩澤;西南方曰渚資,曰丹澤;西方曰九區,曰泉澤;西北方曰大夏,曰海澤;北方曰大冥,曰寒澤。凡八殥八澤之雲,是雨九州。

九州の大きさはまる四方千里で、九州の外には八つの殥があって、これもまた四方千里である。東北方から、大沢といい無通という。東方を大渚といい少海という。東南方を具区といい元沢という。南方を大夢といい浩沢という。西南方を渚資といい丹沢という。西方を九区といい泉沢という。西北方を大夏といい海沢という。北方を大冥といい寒沢という。この八つの殥と八つの沢の雲が、九州に雨を降らせるのである。

八殥之外,而有八紘,亦方千里,自東北方曰和丘,曰荒土;東方曰棘林,曰桑野;東南方曰大窮,曰眾女;南方曰都廣,曰反戶;西南方曰焦僥,曰炎土;西方曰金丘,曰沃野;西北方曰一目,曰沙所;北方曰積冰,曰委羽。凡八紘之氣,是出寒暑,以合八正,必以風雨。

八つの殥の外に八つの紘があって、これもまた四方千里である。東北方から、和丘といい荒土という。東方を棘林といい桑野という。東南方を大窮といい衆女という。南方を都広といい反戸という。西南方を焦僥といい炎土という。西方を金丘といい沃野という。西北方を一目といい沙所という。北方を積氷といい委羽という。この八つの紘の気が寒さと暑さを出して八つの正に合わせ、必ず風雨によってそれを行う。

八紘之外,乃有八極,自東北方曰方土之山,曰蒼門;東方曰東極之山,曰開明之門;東南方曰波母之山,曰陽門;南方曰南極之山,曰暑門;西南方曰編駒之山,曰白門;西方曰西極之山,曰閶闔之門;西北方曰不周之山,曰幽都之門;北方曰北極之山,曰寒門。凡八極之雲,是雨天下;八門之風,是節寒暑。八紘、八殥、八澤之雲,以雨九州而和中土。

八つの紘の外に八つの極がある。東北方を方土の山といい蒼門という。東方を東極の山といい開明の門という。東南方を波母の山といい陽門という。南方を南極の山といい暑門という。西南方を編駒の山といい白門という。西方を西極の山といい閶闔の門という。西北方を不周の山といい幽都の門という。北方を北極の山といい寒門という。この八つの極の雲が天下に雨を降らせ、八つの門の風が寒さと暑さを節する。八つの紘・八つの殥・八つの沢の雲が、九州に雨を降らせて中土を和らげる。

東方之美者,有醫毋閭之珣玗琪焉;東南方之美者,有會稽之竹箭焉;南方之美者,有梁山之犀象焉;西南方之美者,有華山之金石焉。西方之美者,有霍山之珠玉焉;西北方之美者,有昆侖之球琳、琅玕焉。北方之美者,有幽都之筋角焉;東北方之美者,有斥山之文皮焉;中央之美者,有岱嶽以生五穀桑麻,魚鹽出焉。

東方の美しいものには、医毋閭の珣玗琪がある。東南方の美しいものには、会稽の竹の矢がある。南方の美しいものには、梁山の犀と象がある。西南方の美しいものには、華山の金と石がある。西方の美しいものには、霍山の珠と玉がある。西北方の美しいものには、崑崙の球琳と琅玕がある。北方の美しいものには、幽都の筋と角がある。東北方の美しいものには、斥山の文様ある皮がある。中央の美しいものには、岱嶽があって五穀や桑と麻を生み、魚と塩が出る。

凡地形,東西為緯,南北為經,山為積德,川為積刑,高者為生,下者為死,丘陵為牡,溪穀為牝。水圓折者有珠,方折者有玉。清水有黃金,龍淵有玉英。土地各以其類生,是故山氣多男,澤氣多女,障氣多喑,風氣多聾,林氣多癃,木氣多傴,岸下氣多腫,石氣多力,險阻氣多癭,暑氣多夭,寒氣多壽,穀氣多痹,丘氣多狂,衍氣多仁,陵氣多貪。輕土多利,重土多遲,清水音小,濁水音大,湍水人輕,遲水人重,中土多聖人。皆象其氣,皆應其類。故南方有不死之草,北方有不釋之冰,東方有君子之國,西方有形殘之屍。寢居直夢,人死為鬼,磁石上飛,雲母來水,土龍致雨,燕雁代飛。蛤蟹珠龜,與月盛衰,是故堅土人剛,弱土人肥,壚土人大,沙土人細,息土人美,毛土人醜。食水者善遊能寒,食土者無心而慧,食木者多力而𡚤,食草者善走而愚,食葉者有絲而蛾,食肉者勇敢而悍,食氣者神明而壽,食穀者知慧而夭。不食者不死而神。

およそ地の形は、東西が緯となり、南北が経となり、山は積まれた徳となり、川は積まれた刑となり、高いものは生となり、低いものは死となり、丘陵は牡となり、谷川は牝となる。水が丸く折れるところには珠があり、方に折れるところには玉がある。清らかな水には黄金があり、龍の淵には玉の華がある。土地はそれぞれそのたぐいによって生むので、山の気には男が多く、沢の気には女が多く、瘴気には口のきけない者が多く、風の気には耳の聞こえない者が多く、林の気には背の曲がる者が多く、木の気には屈む者が多く、岸の下の気には腫れる者が多く、石の気には力ある者が多く、険しい気には瘤のできる者が多く、暑い気には若死にする者が多く、寒い気には長生きする者が多く、谷の気には足の萎える者が多く、丘の気には狂う者が多く、平らな気には仁の者が多く、陵の気には貪る者が多い。軽い土には身軽な者が多く、重い土には鈍い者が多く、清らかな水は音が小さく、濁った水は音が大きく、瀬の水の人は軽く、緩やかな水の人は重く、中土には聖人が多い。みなその気に象り、みなそのたぐいに応じる。だから南方には死なない草があり、北方には解けない氷があり、東方には君子の国があり、西方には形の損なわれた屍がある。寝ていれば正夢を見、人は死んで鬼となり、磁石は上へ飛び、雲母は水を呼び、土の龍は雨を招き、燕と雁は交替で飛ぶ。蛤・蟹・珠・亀は月とともに盛り衰える。そのため堅い土の人は剛く、弱い土の人は肥え、黒い土の人は大きく、砂の土の人は細く、息土の人は美しく、毛の土の人は醜い。水を食べるものは泳ぎが上手で寒さに耐え、土を食べるものは心がないのに慧く、木を食べるものは力が多いが荒く、草を食べるものはよく走るが愚かで、葉を食べるものは糸を持って蛾となり、肉を食べるものは勇敢だが猛く、気を食べるものは神明で長生きし、穀を食べるものは知慧があるが若死にする。何も食べないものは死なずに神となる。

凡人民禽獸萬物貞蟲,各有以生,或奇或偶,或飛或走,莫知其情,唯知通道者,能原本之。天一地二人三,三三而九,九九八十一。一主日,日數十,日主人,人故十月而生。八九七十二,二主偶,偶以承奇,奇主辰,辰主月,月主馬,馬故十二月而生。七九六十三,三主鬥,鬥主犬,犬故三月而生。六九五十四,四主時,時主彘,彘故四月而生。五九四十五,五主音,音主猿,猿故五月而生。四九三十六,六主律,律主麋鹿,麋鹿故六月而生。三九二十七,七主星,星主虎,虎故七月而生。二九十八,八主風,風主蟲,蟲故八月而化。鳥魚皆生於陰,陰屬於陽,故鳥魚皆卵生。魚游于水,鳥飛於雲,故立冬燕雀入海,化為蛤。

およそ民や禽獣、万物や虫には、それぞれ生まれるゆえんがあって、あるものは奇数、あるものは偶数、あるものは飛び、あるものは走る。その情を知る者はなく、ただ道に通じた者だけがその本を推すことができる。天は一、地は二、人は三で、三三で九、九九で八十一である。一は日を主り、日の数は十、日は人を主るので、人は十月で生まれる。八九で七十二、二は偶を主り、偶は奇を承け、奇は辰を主り、辰は月を主り、月は馬を主るので、馬は十二月で生まれる。七九で六十三、三は斗を主り、斗は犬を主るので、犬は三月で生まれる。六九で五十四、四は時を主り、時は彘(いのこ)を主るので、彘は四月で生まれる。五九で四十五、五は音を主り、音は猿を主るので、猿は五月で生まれる。四九で三十六、六は律を主り、律は麋と鹿を主るので、麋と鹿は六月で生まれる。三九で二十七、七は星を主り、星は虎を主るので、虎は七月で生まれる。二九で十八、八は風を主り、風は虫を主るので、虫は八月で変化する。鳥と魚はみな陰に生じ、陰は陽に属するので、鳥と魚はみな卵で生まれる。魚は水に泳ぎ、鳥は雲に飛ぶので、立冬には燕や雀が海に入って変じて蛤となる。

萬物之生而各異類,蠶食而不飲,蟬飲而不食,蜉蝣不飲不食,介鱗者夏食而冬蟄,齧吞者八竅而卵生,嚼咽者九竅而胎生,四足者無羽翼,戴角者無上齒,無角者膏而無前,有角者指而無後,晝生者類父,夜生者似母,至陰生牝,至陽生牡。夫熊羆蟄藏,飛鳥時移。是故白水宜玉,黑水宜砥,青水宜碧,赤水宜丹,黃水宜金,清水宜龜,汾水蒙濁而宜麻,泲水通和而宜麥,河水中濁而宜菽,雒水輕利而宜禾,渭水多力而宜黍,漢水重安而宜竹,江水肥仁而宜稻。平土之人,慧而宜五穀。東方川穀之所注,日月之所出,其人兌形小頭,隆鼻大口,鳶肩企行,竅通於目,筋氣屬焉,蒼色主肝,長大早知而不壽;其地宜麥,多虎豹。南方,陽氣之所積,暑濕居之,其人修形兌上,大口決𦚚,竅通於耳,血脈屬焉,赤色主心,早壯而夭;其地宜稻,多兕象。西方高土,川穀出焉,日月入焉,其人面末僂,修頸卬行,竅通於鼻,皮革屬焉,白色主肺,勇敢不仁;其地宜黍,多旄犀。北方幽晦不明,天之所閉也,寒水之所積也,蟄蟲之所伏也,其人翕形短頸,大肩下尻,竅通于陰,骨幹屬焉,黑色主腎,其人蠢愚,禽獸而壽;其地宜菽,多犬馬。中央四達,風氣之所通,雨露之所會也,其人大面短頤,美須惡肥,竅通於口,膚肉屬焉,黃色主胃,慧聖而好治;其地宜禾,多牛羊及六畜。木勝土,土勝水,水勝火,火勝金,金勝木,故禾春生秋死,菽夏生冬死,麥秋生夏死,薺冬生中夏死。木壯,水老火生金囚土死;火壯,木老土生水囚金死;土壯,火老金生木囚水死;金壯,土老水生火囚木死。音有五聲,宮其主也;色有五章,黃其主也;味有五變,甘其主也;位有五材,土其主也。是故煉土生木,煉木生火,煉火生雲,煉雲生水,煉水反土。煉甘生酸,煉酸生辛,煉辛生苦,煉苦生鹹,煉咸反甘。變宮生征,變征生商,變商生羽,變羽生角,變角生宮。是故以水和土,以土和火,以火化金,以金治木,木得反土。五行相治,所以成器用。

万物は生まれてそれぞれたぐいが異なる。蚕は食べて飲まず、蝉は飲んで食べず、蜉蝣は飲まず食わず、甲や鱗のあるものは夏に食べて冬に隠れ、噛んで呑むものは竅が八つで卵から生まれ、噛んで嚥むものは竅が九つで胎から生まれ、四足のものには羽翼がなく、角を戴くものには上の歯がなく、角のないものは脂があって前がなく、角のあるものは指があって後がなく、昼に生まれたものは父に似、夜に生まれたものは母に似、至上の陰は牝を生み、至上の陽は牡を生む。そもそも熊や羆は隠れ蔵れ、飛ぶ鳥は時に移る。そのため白い水は玉に適い、黒い水は砥石に適い、青い水は碧玉に適い、赤い水は丹に適い、黄色い水は金に適い、清らかな水は亀に適い、汾水はおぼろに濁って麻に適い、泲水は通じ和して麦に適い、河水は中が濁って豆に適い、雒水は軽く利して禾に適い、渭水は力が多くて黍に適い、漢水は重く安らかで竹に適い、江水は肥えて仁あって稲に適う。平らな土の人は慧くて五穀に適う。東方は川や谷が注ぐところ、日月が出るところなので、その人は尖った形で頭が小さく、鼻が高く口が大きく、鳶のような肩で爪先立って歩き、竅は目に通じ、筋と気がそこに属し、青い色で肝を主り、大きく育って早くから知があるが長生きしない。その地は麦に適い、虎や豹が多い。南方は陽の気が積むところで、暑さと湿りがそこに居るので、その人は細長い形で上が尖り、口が大きく目が裂け、竅は耳に通じ、血脈がそこに属し、赤い色で心を主り、早く壮んになるが若死にする。その地は稲に適い、兕(じ)や象が多い。西方は高い土で、川や谷がそこから出、日月がそこへ入るので、その人は顔の先が屈み、首が長く仰いで歩き、竅は鼻に通じ、皮革がそこに属し、白い色で肺を主り、勇敢だが仁がない。その地は黍に適い、旄牛や犀が多い。北方は幽かに暗くて明るくなく、天が閉ざすところ、寒い水が積むところ、隠れる虫が伏すところなので、その人は縮んだ形で首が短く、肩が大きく尻が低く、竅は陰に通じ、骨幹がそこに属し、黒い色で腎を主り、その人は愚かで獣のようだが長生きする。その地は豆に適い、犬や馬が多い。中央は四方へ達して、風の気が通じるところ、雨露が会するところなので、その人は顔が大きく頤が短く、髭が美しく肥えることを嫌い、竅は口に通じ、膚と肉がそこに属し、黄色い色で胃を主り、慧く聖らかで治めることを好む。その地は禾に適い、牛や羊と六畜が多い。木は土に勝ち、土は水に勝ち、水は火に勝ち、火は金に勝ち、金は木に勝つので、禾は春に生えて秋に死に、豆は夏に生えて冬に死に、麦は秋に生えて夏に死に、薺は冬に生えて真夏に死ぬ。木が壮んなら、水は老い火は生じ金は囚われ土は死ぬ。火が壮んなら、木は老い土は生じ水は囚われ金は死ぬ。土が壮んなら、火は老い金は生じ木は囚われ水は死ぬ。金が壮んなら、土は老い水は生じ火は囚われ木は死ぬ。音には五声があって宮がその主であり、色には五章があって黄がその主であり、味には五変があって甘がその主であり、位には五材があって土がその主である。そのため土を練れば木を生み、木を練れば火を生み、火を練れば雲を生み、雲を練れば水を生み、水を練れば土へ返る。甘を練れば酸を生み、酸を練れば辛を生み、辛を練れば苦を生み、苦を練れば鹹を生み、鹹を練れば甘へ返る。宮を変ずれば徴を生み、徴を変ずれば商を生み、商を変ずれば羽を生み、羽を変ずれば角を生み、角を変ずれば宮を生む。そのため水で土を和し、土で火を和し、火で金を化し、金で木を治めれば、木は土へ返ることを得る。五行が互いに治めることで、器と用が成るのである。

凡海外三十五國,自西北至西南方,有修股民、天民、肅慎民、白民、沃民、女子民、丈夫民、奇股民、一臂民、三身民;自西南至東南方,結胸民、羽民、歡頭國民、裸國民、三苗民、交股民、不死民、穿胸民、反舌民、豕喙民、鑿齒民、三頭民、修臂民;自東南至東北方,有大人國、君子國、黑齒民、玄股民、毛民、勞民;自東北至西北方,有跂踵民、句嬰民、深目民、無腸民、柔利民、一目民、無繼民。雒棠、武人在西北陬,蛖龍魚在其南,有神二人連臂為帝候夜,在其西南方,三珠樹在其東北方,有玉樹在赤水之上。昆侖、華丘在其東南方,爰有遺玉,青馬、視肉、楊桃、甘樝、甘華,百果所生。和丘在其東北陬,三桑、無枝在其西,誇父、耽耳在其北方。誇父棄其策,是為鄧林。昆吾丘在南方,軒轅丘在西方,巫鹹在其北方,立登保之山,暘谷、榑桑在東方,有娀在不周之北,長女簡翟,少女建疵。西王母在流沙之瀕,樂民、拏閭,在昆侖弱水之洲。三危在樂民西,宵明、燭光在河洲,所照方千里。龍門在河淵,湍池在昆侖,玄耀、不周、申池在海隅。孟諸在沛。

およそ海の外の三十五国は、西北から西南方まで、修股民・天民・肅慎民・白民・沃民・女子民・丈夫民・奇股民・一臂民・三身民があり、西南から東南方まで、結胸民・羽民・歓頭国民・裸国民・三苗民・交股民・不死民・穿胸民・反舌民・豕喙民・鑿歯民・三頭民・修臂民があり、東南から東北方まで、大人国・君子国・黒歯民・玄股民・毛民・労民があり、東北から西北方まで、跂踵民・句嬰民・深目民・無腸民・柔利民・一目民・無継民がある。雒棠と武人は西北の隅に在り、蛖龍魚はその南に在り、神が二人、腕を連ねて帝のために夜を窺うのがその西南方に在り、三珠樹はその東北方に在り、玉樹が赤水の上に在る。崑崙と華丘はその東南方に在り、そこには遺玉・青馬・視肉・楊桃・甘樝・甘華があって、百の果が生まれるところである。和丘はその東北の隅に在り、三桑と無枝はその西に在り、夸父と耽耳はその北方に在る。夸父がその杖を捨てたものが鄧林となった。昆吾丘は南方に在り、軒轅丘は西方に在り、巫咸はその北方に在って登保の山に立ち、暘谷と榑桑は東方に在り、有娀は不周の北に在って、長女は簡翟、次女は建疵である。西王母は流沙のほとりに在り、楽民と拏閭は崑崙の弱水の洲に在る。三危は楽民の西に在り、宵明と燭光は河の洲に在って、照らすところは四方千里である。龍門は河の淵に在り、湍池は崑崙に在り、玄耀・不周・申池は海の隅に在る。孟諸は沛に在る。

少室、太室在冀州。燭龍在雁門北,蔽於委羽之山,不見日,其神人面龍身而無足。后稷壟在建木西,其人死復蘇,其半魚,在其間。流黃、沃民在其北方三百里,狗國在其東。雷澤有神,龍身人頭,鼓其腹而熙。江出岷山,東流絕漢入海,左還北流,至於開母之北,右還東流,至於東極。河出積石。睢出荊山。淮出桐柏山。睢出羽山。清漳出楬戾,濁漳出發包。濟出王屋。時、泗、沂、出臺、台、術。洛出獵山,汶出弗其,西流合於濟。漢出嶓塚。涇出薄落之山。渭出鳥鼠同穴。伊出上魏。雒出熊耳。浚出華竅。維出覆舟。汾出燕京。衽出濆熊。淄出目飴。丹水出高褚。股出嶕焦山。鎬出鮮于。涼出茅廬、石樑,汝出猛山。淇出大號。晉出龍山結結,合出封羊。遼出砥石,釜出景,岐出石橋,呼沱出魯平,泥塗淵出樠山,維濕北流出于燕。

少室と太室は冀州に在る。燭龍は雁門の北に在り、委羽の山に遮られて日を見ず、その神は人の顔で龍の身、足がない。后稷の墓は建木の西に在り、その人は死んでまた蘇り、その半分が魚となって、その間に在る。流黄と沃民はその北方三百里に在り、狗国はその東に在る。雷沢に神が在り、龍の身で人の頭、その腹を鼓して楽しむ。江は岷山から出て東へ流れ、漢水を断って海に入り、左へめぐって北へ流れ、開母の北に至り、右へめぐって東へ流れ、東の極に至る。河は積石から出る。睢は荊山から出る。淮は桐柏山から出る。睢は羽山から出る。清漳は楬戻から出、濁漳は発包から出る。済は王屋から出る。時・泗・沂は臺・台・術から出る。洛は猟山から出、汶は弗其から出て西へ流れて済に合う。漢は嶓塚から出る。涇は薄落の山から出る。渭は鳥鼠同穴から出る。伊は上魏から出る。雒は熊耳から出る。浚は華竅から出る。維は覆舟から出る。汾は燕京から出る。衽は濆熊から出る。淄は目飴から出る。丹水は高褚から出る。股は嶕焦山から出る。鎬は鮮于から出る。涼は茅廬・石梁から出、汝は猛山から出る。淇は大号から出る。晋は龍山の結結から出、合は封羊から出る。遼は砥石から出、釜は景から出、岐は石橋から出、呼沱は魯平から出、泥塗淵は樠山から出、維と濕は北へ流れて燕から出る。

諸稽、攝提,條風之所生也;通視,明庶風之所生也;赤奮若,清明風之所生也;共工,景風之所生也;諸比,涼風之所生也;皋稽,閶闔風之所生也;隅強,不周風之所生也;窮奇,廣莫風之所生也。厃生海人,海人生若菌,若菌生聖人,聖人生庶人。凡厃者生於庶人。羽嘉生飛龍,飛龍生鳳皇,鳳皇生鸞鳥,鸞鳥生庶鳥,凡羽者生於庶鳥。毛犢生應龍,應龍生建馬,建馬生麒鹿麟,麒麟生庶獸,凡毛者,生於庶獸。介鱗生蛟龍,蛟龍生鯤鯁,錕鯁生建邪,建邪生庶魚,凡鱗者生於庶魚。介潭生先龍,先龍生玄黿,玄黿生靈龜,靈龜生庶龜,凡介者生於庶龜。暖濕生容,暖濕生於毛風,毛風生於濕玄,濕玄生於羽風,羽風生嬤介,嬤介生鱗薄,鱗薄生暖介。五類雜種興乎外,肖形而蕃。日馮生陽閼,陽閼生喬如,喬如生幹木,幹木生庶木,凡根拔木者生於庶木。根拔生程若,程若生玄玉,玄玉生醴泉,醴泉生皇辜,皇辜生庶草,凡根茇草者生於庶草。海閭生屈龍,屈龍生容華,容華生蔈,蔈生萍藻,萍藻生浮草,凡浮生不根茇者生於萍藻。

諸稽と摂提は条風が生んだものである。通視は明庶風が生んだものである。赤奮若は清明風が生んだものである。共工は景風が生んだものである。諸比は涼風が生んだものである。皋稽は閶闔風が生んだものである。隅強は不周風が生んだものである。窮奇は広莫風が生んだものである。厃が海人を生み、海人が若菌を生み、若菌が聖人を生み、聖人が庶人を生む。およそ厃は庶人から生じる。羽嘉が飛龍を生み、飛龍が鳳皇を生み、鳳皇が鸞鳥を生み、鸞鳥が庶鳥を生む。およそ羽あるものは庶鳥から生じる。毛犢が応龍を生み、応龍が建馬を生み、建馬が麒麟を生み、麒麟が庶獣を生む。およそ毛あるものは庶獣から生じる。介鱗が蛟龍を生み、蛟龍が鯤鯁を生み、鯤鯁が建邪を生み、建邪が庶魚を生む。およそ鱗あるものは庶魚から生じる。介潭が先龍を生み、先龍が玄黿を生み、玄黿が霊亀を生み、霊亀が庶亀を生む。およそ介あるものは庶亀から生じる。暖かく湿ったものが容を生み、暖かく湿ったものは毛風から生じ、毛風は湿玄から生じ、湿玄は羽風から生じ、羽風が嬤介を生み、嬤介が鱗薄を生み、鱗薄が暖介を生む。五つのたぐいの混じった種が外に興り、形を似せて繁る。日馮が陽閼を生み、陽閼が喬如を生み、喬如が幹木を生み、幹木が庶木を生む。およそ根を張る木は庶木から生じる。根拔が程若を生み、程若が玄玉を生み、玄玉が醴泉を生み、醴泉が皇辜を生み、皇辜が庶草を生む。およそ根のある草は庶草から生じる。海閭が屈龍を生み、屈龍が容華を生み、容華が蔈を生み、蔈が萍と藻を生み、萍と藻が浮草を生む。およそ浮いて生じ根のないものは萍と藻から生じる。

正土之氣也,禦乎埃天,埃天五百歲生缺,缺五百歲生黃埃,黃埃五百歲生黃澒,黃澒五百歲生黃金,黃金千歲生黃龍,黃龍入藏生黃泉,黃泉之埃上為黃雲,陰陽相搏為雷,激揚為電,上者就下,流水就通,而合于黃海。

正しい土の気は埃天を禦ぐ。埃天は五百年で缺を生み、缺は五百年で黄埃を生み、黄埃は五百年で黄澒を生み、黄澒は五百年で黄金を生み、黄金は千年で黄龍を生み、黄龍は蔵れ入って黄泉を生み、黄泉の埃は上って黄雲となる。陰陽が互いに迫って雷となり、激して揚がれば電となり、上のものは下へ就き、流れる水は通じるところへ就いて、黄海に合う。

偏土之氣,禦乎清天,清天八百歲生青曾,青曾八百歲生青澒,青澒八百歲生青金,青金八百歲生青龍,青龍入藏生青泉,青泉之埃上為青雲,陰陽相薄為雷,激揚為電,上者就下,流水就通,而合于青海。

偏った土の気は清天を禦ぐ。清天は八百年で青曾を生み、青曾は八百年で青澒を生み、青澒は八百年で青金を生み、青金は八百年で青龍を生み、青龍は蔵れ入って青泉を生み、青泉の埃は上って青雲となる。陰陽が互いに迫って雷となり、激して揚がれば電となり、上のものは下へ就き、流れる水は通じるところへ就いて、青海に合う。

壯士之氣,禦於赤天,赤天七百歲生赤丹,赤丹七百歲生赤澒,赤澒七百歲生赤金,赤金千歲生赤龍,赤龍入藏生赤泉,赤泉之埃上為赤雲,陰陽相薄為雷,激揚為電,上者就下,流水就通,而合於赤海。

壮んな土の気は赤天を禦ぐ。赤天は七百年で赤丹を生み、赤丹は七百年で赤澒を生み、赤澒は七百年で赤金を生み、赤金は千年で赤龍を生み、赤龍は蔵れ入って赤泉を生み、赤泉の埃は上って赤雲となる。陰陽が互いに迫って雷となり、激して揚がれば電となり、上のものは下へ就き、流れる水は通じるところへ就いて、赤海に合う。

弱土之氣,禦于白天,白天九百歲生白礜,白礜九百歲生白澒,白澒九百歲生白金,白金千歲生白龍,白龍入藏生白泉,白泉之埃上為白雲,陰陽相薄為雷,激揚為電,上者就下,流水就通,而合于白海。

弱い土の気は白天を禦ぐ。白天は九百年で白礜を生み、白礜は九百年で白澒を生み、白澒は九百年で白金を生み、白金は千年で白龍を生み、白龍は蔵れ入って白泉を生み、白泉の埃は上って白雲となる。陰陽が互いに迫って雷となり、激して揚がれば電となり、上のものは下へ就き、流れる水は通じるところへ就いて、白海に合う。

牝土之氣,禦于玄天,玄天六百歲生玄砥,玄砥六百歲生玄澒,玄澒六百歲生玄金,玄金千歲生玄龍,玄龍入藏生玄泉,玄泉之埃上為玄雲,陰陽相薄為雷,激揚為電,上者就下,流水就通,而合于玄海。

牝の土の気は玄天を禦ぐ。玄天は六百年で玄砥を生み、玄砥は六百年で玄澒を生み、玄澒は六百年で玄金を生み、玄金は千年で玄龍を生み、玄龍は蔵れ入って玄泉を生み、玄泉の埃は上って玄雲となる。陰陽が互いに迫って雷となり、激して揚がれば電となり、上のものは下へ就き、流れる水は通じるところへ就いて、玄海に合う。