呵羅単国呵羅單國
1呵羅単国
治闍婆洲。元嘉七年,遣使獻金剛指鐶、赤鸚鵡鳥、天竺國白疊古貝、葉波國古貝等物。十年,呵羅單國王毗沙跋摩奉表曰:
闍婆洲を治所としている。元嘉七年、使者を遣わして金剛の指輪、赤い鸚鵡、天竺国の白疊古貝、葉波国の古貝などの品を献じた。十年、呵羅単国王の毗沙跋摩が上表を奉った。
2常勝天子に奉った上表
:常勝天子陛下:諸佛世尊,常樂安隱,三達六通,為世間道,是名如來,應供正覺,遺形舍利,造諸塔像,莊嚴國土,如須彌山,村邑聚落,次第羅匝,城郭館宇,如忉利天宮,宮殿高廣,樓閣莊嚴,四兵具足,能伏怨敵,國土豐樂,無諸患難。奉承先王,正法治化,人民良善,慶無不利,處雪山陰,雪水流注,百川洋溢,八味清淨,周匝屈曲,順趣大海,一切眾生,咸得受用。於諸國土,殊勝第一,是名震旦,大宋揚都,承嗣常勝大王之業,德合天心,仁廕四海,聖智周備,化無不順,雖人是天,護世降生,功德寶藏,大悲救世,為我尊主常勝天子。是故至誠五體敬禮。呵羅單國王毗沙跋摩稽首問訊。
「常勝天子陛下へ。諸仏世尊は常に楽しく安らかであり、三達と六通によって世間の道となられます。これを如来・応供・正覚と申します。残された御身の舎利で数々の塔と像を造り、国土を荘厳するさまは須弥山のようであり、村や邑や集落が次々と立ち並んで取り囲み、城郭や館は忉利天の宮のようで、宮殿は高く広く、楼閣は荘厳で、四種の兵がことごとく備わって怨み敵を降伏させ、国土は豊かで楽しく、もろもろの患いや難がありません。先王を奉じ継いで正法によって治め教化し、人民は善良で、めでたいことに利あらぬものがなく、雪山の陰に位置して雪どけの水が流れ注ぎ、百の川があふれ、八つの味は清らかに澄み、めぐり曲がりながら大海へと順って向かうので、一切の衆生がみな受けて用いています。もろもろの国土のうちで殊に勝れて第一であり、これを震旦と申します。大宋の揚都は常勝大王の業を受け継ぎ、徳は天の心にかない、仁は四海を覆い、聖なる智慧はあまねく備わって、教化に従わぬものがありません。人でありながら天であり、世を護るために降り生まれた方、功徳の宝蔵、大いなる慈悲で世を救う方であり、わたくしどもの尊き主、常勝天子でございます。それゆえ至誠をもって五体を投げて敬い礼拝します。呵羅単国王の毗沙跋摩が、頭を垂れてご機嫌を伺います。」
3子に奪われる
其後為子所篡奪。十三年,又上表曰:
その後、子に位を奪われた。十三年、また上表して言った。
4大吉天子に奉った上表
:大吉天子足下:離淫怒癡,哀愍羣生,想好具足,天龍神等,恭敬供養,世尊威德,身光明照,如水中月,如日初出,眉間白豪,普照十方,其白如雪,亦如月光,清淨如華,顏色照曜,威儀殊勝,諸天龍神之所恭敬,以正法寶,梵行眾僧,莊嚴國土,人民熾盛,安隱快樂。城閣高峻,如乾他山,眾多勇士,守護此城,樓閣莊嚴,道巷平正,著種種衣,猶如天服,於一切國,為最殊勝吉。揚州城無憂天主,愍念羣生,安樂民人,律儀清淨,慈心深廣,正法治化,共養三寶,名稱遠至,一切並聞。民人樂見,如月初生,譬如梵王,世界之主,一切人天,恭敬作禮。呵羅單跋摩以頂禮足,猶如現前,以體布地,如殿陛道,供養恭敬,如奉世尊,以頂著地,曲躬問訊。
「大吉天子足下へ。淫と怒りと癡を離れ、群生を哀れみ、相好はことごとく備わって、天も龍も神々も恭しく供養します。世尊の威徳は、身の光明が照らすこと水中の月のようであり、日が初めて出るようであり、眉間の白毫は十方をあまねく照らし、その白さは雪のようで、また月の光のようであり、清らかなことは花のようで、顔色は輝き、威儀は殊に勝れて、諸天・龍・神の恭しく敬うところです。正法の宝と、梵行を修める僧たちによって国土を荘厳し、人民は盛んで、安らかで快く楽しんでいます。城と閣は高く険しく乾他山のようで、多くの勇士がこの城を守り護り、楼閣は荘厳で、道や巷は平らかで正しく、さまざまな衣を着てそれは天の衣のようであり、一切の国のうちで最も殊に勝れ、めでたくあります。揚州城の無憂天主は、群生を哀れみ思い、民を安らかに楽しませ、律儀は清らかに澄み、慈しみの心は深く広く、正法によって治め教化し、ともに三宝を供養されるので、その名は遠くまで至り、だれもがみな聞いております。民が喜んで仰ぎ見るのは初めて出た月を見るようで、たとえば梵王、世界の主であり、一切の人も天も恭しく礼をなします。呵羅単跋摩は、御足に頂礼すること、まさに眼前におられるかのようにし、身を地に伏せること、御殿の階の道のようにし、供養し恭しくすること世尊を奉るようにして、額を地につけ、身を曲げてご機嫌を伺います。」
夾注 1
如日初出眉間白豪 「出眉」二字各本並脫,「白豪」二字各本並作「自蒙」。孫虨宋書考論云:「天竺表有云『如日初出』,此闕處疑亦是『出』字。又按梁書狼牙修國奉表有云,『眉間白豪,其白如雪』。『自蒙』即『白豪』之誤,闕處更當有一『眉』字。」按孫說是,今改正。
「如日初出眉間白豪」 — 「出眉」の二字は各版本でみな脱けており、「白豪」の二字はみな「自蒙」となっている。孫虨の宋書考論に「天竺の表に『如日初出』とあるから、この欠けた所も『出』の字であろう。また梁書の狼牙修国の奉表に『眉間白豪、其白如雪』とあり、『自蒙』は『白豪』の誤りで、欠けた所にはさらに『眉』の一字があるべきである」とあり、孫の説が正しいので、いま改め正した。
5鎧と馬を買わせてください
:忝承先業,嘉慶無量,忽為惡子所見爭奪,遂失本國。今唯一心歸誠天子,以自存命。今遣毗紉問訊大家,意欲自往,歸誠宣訴,復畏大海,風波不達。今命得存,亦由毗紉此人忠志,其恩難報。此是大家國,今為惡子所奪,而見驅擯,意頗忿惋,規欲雪復。伏願大家聽毗紉買諸鎧仗袍襖及馬,願為料理毗紉使得時還。前遣闍邪仙婆羅訶,蒙大家厚賜,悉惡子奪去,啟大家使知。今奉薄獻,願垂納受。
「かたじけなくも先代の業を継いで、めでたきこと限りなくありましたが、突然に悪しき子に争い奪われて、ついに本国を失いました。いまはただ一心に天子に誠を帰して、自らの命をつないでおります。いま毗紉を遣わして大家にご機嫌を伺わせます。思いは自ら赴いて誠を帰し訴え申し上げたいのですが、また大海の風波で行き着けないことを恐れます。いま命が保たれているのも、毗紉という人の忠実な志によるもので、その恩は報いがたいものです。ここは大家の国でありますのに、いま悪しき子に奪われて追い出され、心ははなはだ憤り嘆いており、雪いで取り返すことを図ろうと思います。伏して願いますに、大家は毗紉がもろもろの鎧や武具、袍や襖、また馬を買うことをお聞き入れくださり、毗紉を取りはからって時を移さず帰らせてくださいますように。先に遣わした闍邪仙婆羅訶が大家の厚い賜り物を受けましたが、ことごとく悪しき子が奪い去りましたので、大家に申し上げてお知らせいたします。いまささやかな献上の品を奉りますので、お納めくださいますように。」
6三国に官位を賜る
此後又遣使。二十六年,太祖詔曰:「訶羅單、媻皇、媻達三國,頻越遐海,款化納貢,遠誠宜甄,可並加除授。」乃遣使策命之曰:「惟爾慕義款化,效誠荒遐,恩之所洽,殊遠必甄,用敷典章,顯茲策授。爾其欽奉凝命,永固厥職,可不慎歟。」二十九年,又遣長史媻和沙彌獻方物。
この後もまた使者を遣わした。二十六年、太祖が詔して言った。「訶羅単・媻皇・媻達の三国は、しきりに遠い海を越えて教化に誠を寄せ、貢ぎ物を納めている。遠くからの誠は顕彰すべきであり、みな官位を加え授けるのがよい。」そこで使者を遣わして策命して言った。「そなたは義を慕って教化に誠を寄せ、荒れた遠い地から誠を尽くしている。恩の行きわたるところ、どれほど遠くても必ず顕彰するのであるから、ここに典章を広めて、この策授を明らかにする。そなたはこの厳かな命を敬って奉じ、永くその職を固めよ。慎まずにいられようか。」二十九年、また長史の媻和沙弥を遣わして方物を献じた。