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第40章 — 去用去用
道徳経(道と徳を説く経典) 徳経 八十一章、五千字。墓から出た帛書本は今日用いる版本と字が異なり、同じ句をめぐって読みの分かれる箇所が多い。王弼は哲学として、河上公は治めと養生として読む。
1返ることが道の動きである
反者道之動,
返ることが道の動きであり、
注 2
王弼
高以下為基,貴以賤為本,有以無為用,此其反也。動皆知其所無,則物通矣。故曰「反者道之動」也。
高いものは低いものを土台とし、貴いものは賤しいものを根とし、有は無を用とする。これがその返ることである。動きにおいてみなその無いところを知れば、物は通じる。だから「返ることが道の動きである」といったのである。
河上公
反,本也。本者,道之所以動,動生萬物,背之則亡也。
反とは根である。根は道が動くもとであり、動いて万物を生む。これに背けば滅びる。
2弱さが道の働きである
弱者道之用。
弱さが道の働きである。
注 2
王弼
柔弱同通,不可窮極。
柔らかく弱いものは通じるものと同じで、極まるまで使い果たすことができない。
河上公
柔弱者,道之所常用,故能常久。
柔らかく弱いものは道がつねに用いるものなので、長く久しくあることができる。
3有は無から生まれる
天下萬物生於有,有生於無。
天下の万物は有から生まれ、有は無から生まれる。
注 3
王弼
天下之物皆以有為生,有之所始,以無為本,將欲全有,必反於無也。
天下の物はみな有によって生きる。有が始まるもとは無を根とするので、有を全うしようとするなら、必ず無に返らなければならない。
河上公
天下萬物皆從天地生,天地有形位,故言生於有也。
天下の万物はみな天と地から生まれ、天と地には形と位があるので、有から生まれるといったのである。
河上公
天地神明,蜎飛蠕動,皆從道生。道無形,故言生於無也。此言本勝於華,弱勝於強,謙虛勝盈滿也。
天と地と神明、飛ぶ虫から這う虫まで、みな道から生まれる。道は形がないので、無から生まれるといったのである。これは、根が花よりまさり、弱さが強さにまさり、謙り虚ろなことが満ち足りることにまさるという話である。