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第80章 — 獨立獨立

道徳経(道と徳を説く経典) 道德經 · 老子、注釈 王弼・河上公 · 紀元前4〜3世紀(王弼の注は3世紀) · 段落 4 · 漢字 75字 · 朗読 0.3分

道徳経(道と徳を説く経典) 徳経 八十一章、五千字。墓から出た帛書本は今日用いる版本と字が異なり、同じ句をめぐって読みの分かれる箇所が多い。王弼は哲学として、河上公は治めと養生として読む。

1小さな国、少ない民

小國寡民,

小さな国に少ない民。

注 2
王弼

國既小,民又寡,尚可使反古,況國大民眾乎?故舉小國而言也。

国がすでに小さく民もまた少なければ、なお古に返らせることができる。まして国が大きく民が多い場合はどうであろうか。だから小さな国を挙げて言ったのである。

河上公

聖人雖治大國,猶以為小,儉約不奢泰。民雖眾,猶若寡少,不敢勞之也。

聖人は大きな国を治めても、なお小さいものと思って、倹しく約めて奢り過ぎない。民が多くても、なお少ないかのように思って、あえて労さないのである。

2十、百という器があっても用いないようにさせる

使有什伯之器而不用,

十、百という器があっても用いないようにさせ、

注 3
王弼

言使民雖有什伯之器而無所用,何患不足也。

民に十、百という器があっても用いるところがないようにさせるのだから、どうして足りないことを心配しようか、という言葉である。

河上公

使民各有部曲什伯,貴賤不相犯也。

民にそれぞれ十人、百人の組を持たせ、貴い者と賤しい者が互いに侵さないようにするのである。

河上公

器謂農,人之器而不用,不徵召奪民良時也。

器とは農具を言う。人の器を用いないとは、召し出して民のよい時季を奪わないことである。

3死を重んじて遠くへ移らないようにさせる

使民重死而不遠徙。

民が死を重んじて遠くへ移らないようにさせる。

注 3
王弼

使民不用,惟身是寶,不貪貨賂,故各安其居,重死而不遠徙也。

民が器を用いず、ただ自分の身を宝として、財や賄いを貪らないようにさせる。だからそれぞれが住むところを安らかに思い、死を重んじて遠くへ移らないのである。

河上公

君能為民興利除害,各得其所,則民重死而貪生也。

君主が民のために利を興し害を除き、それぞれがその所を得るようにすれば、民は死を重んじて生を惜しむ。

河上公

政令不煩則民安其業,故不遠遷徙離其常處也。

政令が煩わしくなければ民はその仕事を安らかにする。だから遠くへ移って常の住まいを離れないのである。

4老いて死ぬまで互いに行き来しない

雖有舟輿,無所乘之;雖有甲兵,無所陳之。使人復結繩而用之,甘其食,美其服,安其居,樂其俗。鄰國相望,雞犬之聲相聞,民至老死,不相往來。

舟や車があっても乗るところがなく、鎧や武器があっても並べるところがない。人々がまた縄を結んで用いるようにさせ、その食べ物を甘いと思い、その衣を美しいと思い、その住まいを安らかに思い、その風俗を楽しむようにさせる。隣の国が互いに見え、鶏や犬の声が互いに聞こえても、民は老いて死ぬまで互いに行き来しない。

注 10
王弼

無所欲求。

欲して求めるところがない。

河上公

清靜無為,不作煩華,不好出入遊娛也。

清らかに静かで為すことがなく、煩わしく華やかなものを作らず、出入りして遊ぶことを好まない。

河上公

無怨惡於天下。

天下に怨みも憎みもないのである。

河上公

去文反質,信無欺也。

飾りを去って質に返るから、信があって欺きがない。

河上公

甘其蔬食,不漁食百姓也。

菜飯を甘いと思い、民から漁り取って食べない。

河上公

美其惡衣,不貴五色。

粗い衣を美しいと思い、五つの色を貴ばない。

河上公

安其茅茨,不好文飾之屋。

茅で葺いた家を安らかに思い、飾り立てた家を好まない。

河上公

樂其質樸之俗,不轉移也。

質朴な風俗を楽しんで、移り変えない。

河上公

相去近也。

互いの隔たりが近いのである。

河上公

其無情欲。

情欲がないのである。