いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻1

南の家を眺めて詠む望南家吟

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 1 · 漢字 75字 · 朗読 0.7分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻1 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

南家富東家貧。南家歌舞東家哭。歌舞何最樂。賓客盈堂酒萬斛。哭聲何最悲。寒廚七日無煙綠。東家之子望南家。大嚼一聲如裂竹。君不見石將軍日擁紅粧醉金谷。不若首山餓夫淸名千古獨。

南の家は富み、東の家は貧しい 南の家は歌い舞い、東の家は哭する 歌と舞はどうしてあれほど楽しいのか 客が広間に満ち、酒が万斛ある 哭する声はどうしてあれほど悲しいのか 冷えた厨に七日も煙が立たない 東の家の子が南の家を眺めて 大きく噛む音が竹を割るようだ 君は見なかったか、石将軍が日ごと美人を抱いて金谷で酔っていたのを 首陽山の飢えた人の清らかな名が千古に独り残ったのには及ばない