いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻1

落第して東へ帰る李陽先輩を詩で慰める李先輩陽下第東歸。以詩慰之。

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 1 · 漢字 87字 · 朗読 0.9分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻1 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

君不見羿妻竊藥奔月裏。羿不得詰誰詰之。無奈先生筆有舌。嘲弄風月無休時。因笑仙娥盜壻物。忍背佳耦爲孤嫠。詩成乃被天所取。飛出月脇娥先窺。與君欲䆁憾。矯天之命不贈桂一枝。仙娥此罰天已斷。更待明年猶未遲。

君は見なかったか、羿の妻が薬を盗んで月へ逃げたのを 羿すら問いただせなかったのに、誰が問いただせよう どうしよう、先生の筆には舌があって 風と月を嘲るのに休む時がない そこで仙女が夫の物を盗み 良い連れ合いに背いて孤独な寡婦となったのを笑った 詩ができあがると天が取り上げてしまい 月の脇から飛び出たのを姮娥が先に覗いたのだ 君とともに恨みを晴らそうとして 天の命を偽り、桂の一枝を与えなかったのである 仙女のこの罰は天がすでに決めたのだから もう一年、来年を待っても遅くはない