いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻3

晩春の川のほとりで人を送った後の感懐 — 六言暮春江上。送人後有感。六言。

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 3 · 漢字 72字 · 朗読 0.7分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻3 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

暮春去送人歸。滿目傷心芳草。扁舟他日歸來。爲報長年三老。

晩春に人を送って帰ってくると 目に満ちる芳しい草が心を痛める 小舟が後日帰って来たら 年老いた船頭に知らせてほしい

煙水渺瀰千里。心如狂絮亂飛。何況落花時節。送人能不依依。

霞む水がはるかに千里なのに 心は狂う柳の綿のように乱れ飛ぶ まして花の散る季節に 人を送ってどうして名残惜しくないでいられよう

殘霞映日流紅。遠水兼天鬪碧。江頭柳無限絲。未解絆留歸客。

残る夕映えが日に映えて赤く流れ 遠い水は天とともに青さを競う 川のほとりの柳に糸は限りないが 帰る客を繋ぎ留めることはできない