いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻6
八月三日
東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻6 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。
陶愁憑釅醑。扶病賴枯藤。伏石頑龜縮。奔峯怒馬騰。無風松自籟。欲霽霧光蒸。素習愛雲水。前身莫是僧。
愁いを晴らすのは濃い酒に頼り 病を支えるのは枯れた藤の杖の助けを借りる 伏せた石は頑固な亀が縮こまったようであり 走る峰は怒った馬が躍り上がるようだ 風がなくても松はおのずから鳴り 晴れようとして霧の光が蒸す ふだんの癖として雲と水を愛するのだから 前の世は僧ではなかっただろうか