いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻10
三月にまた保安県の川辺に至って木の仕事を調べる三月。又到保安縣江上課木。
東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻10 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。
一春三過此江頭。王事何曾怨未休。萬里壯濤奔白馬。千年老木臥蒼虬。海風吹落蠻村笛。沙月來迎浦客舟。擁去騶童應恠我。每逢佳景立遲留。
一つの春にこの川のほとりを三度通ったが 王の事が止まないのをどうして恨もうか 万里の勇ましい波が白い馬のように走り 千年の老いた木が青い虬のように横たわる 海の風が南の村の笛を吹き落とし 砂の月が来て浦の旅人の舟を迎える 囲んで行く馬丁の童はきっとわたしを怪しむだろう 良い景色に出会うたびに立ちどまって手間取るので