いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻13

月首座が趙冲侍郎に贈った詩に次韻する 二首次韻月首座贈趙侍郞冲二首

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 4 · 漢字 178字 · 朗読 1.8分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻13 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

1第一首

正日何須手放鳩。君家陰德世曾修。才高地貴身兼得。年少官尊望最優。愛客風流傾趙勝。尋僧情况倒裴休。金閨頗猒連宵直。茗席時容半日留。喜我早攀尼父翼。推公長作華韻頭。此生幸識荊州面。何羨人間萬戶侯。

元日に、どうして手ずから鳩を放つ必要があろう 君の家は陰徳を代々修めてきた 才の高さと家柄の貴さを身に兼ね備え 年は若く官は高く、人望が最も優れている 客を愛する風流は趙勝を傾け 僧を訪ねる心は裴休を超える 金閨で夜ごと宿直するのをかなり厭って 茶の席に、時には半日の滞在を許される 嬉しいことに、私は早くから孔子の翼に取りついた 公を推して、長く華やかな韻の首とする この生で幸いに荊州の顔を知ったのだから 人の世の万戸侯を何で羨もう

夾注 3

取同姓。

同じ姓を取ったのである。

相國永仁之季子。年二十餘侍郞。

相国永仁の末子である。二十歳あまりで侍郎となった。

時爲左侍。

その時、左侍郎であった。

右贈趙侍郞。

右は趙侍郎に贈ったものである。

3第二首

安馴那得性如鳩。强項平生負素修。入社猶思陶令飮。彌天長服道安優。早諳浮世眞如寓。愧把微官謾導休。憔悴苦遭漁父笑。遷延甘作賈胡留。艱危到處芒攢背。俯仰無端雪滿頭。卜築他年容我不。掛冠神虎謝王侯。

飼い馴らされても、どうして性が鳩のようであろう 強情な首で、生涯もとよりの修養に背いてきた 結社に入ってもなお陶令の酒を思い 天に満ちると言われた道安の優れたのに、長く服する 浮世がまことに仮の宿であることを早くから知りながら 恥ずかしくも小さな官を取って、いたずらに引かれて来た やつれ果てて、苦々しくも漁父の笑いを受け ぐずぐずと、甘んじて胡の商人のように留まる 難儀は行く先々で、棘が背に集まるようで 俯き仰ぐ間に、わけもなく雪が頭に満ちた 後の年に家を構える時、私を受け入れてくれるだろうか 神虎門に冠を掛けて王侯に暇を告げよう

右贈月首座。

右は月首座に贈ったものである。