いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻16

王太后の挽詞王大后挽詞

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 2 · 漢字 96字 · 朗読 1分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻16 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

1第一首

沙麓曾膺慶。銀潢早毓源。孫爲王后貴。子作上皇尊。白日璇宮鎖。彤床玉璽存。國人懷舊德。痛哭送鷖軒。

沙麓でかつて慶事を受けられ 銀河のような流れが早くから源を育てた 孫は王后となって貴く 子は上皇となって尊い 白昼に璇の宮は鎖され 朱の床には玉璽だけが残る 国の人は旧い徳を懐かしみ 声をあげて泣きながら鷖の車を見送る

夾注 1

大上皇母。受勑述。

太上皇の母である。勅を受けて作った。

2第二首

曾闢東朝母萬民。別開閑館攝精神。軒星掩彩天無色。蘭殿銷芳草不春。內範已書彤管手。後宮猶認玉衣身。仙遊謁帝應差樂。抆淚哀號世上人。

かつて東朝を開いて万民の母となられ 別に閑かな館を設けて精神を養われた 軒轅の星が光を隠して天は色を失い 蘭の殿に香りが消えて草も春ではない 内の規範はすでに彤管の手で書き記され 後宮は今なお玉の衣のお姿を覚えている 仙に遊んで帝にまみえるのはさぞ楽しかろうが 世の人は涙をぬぐって悲しく泣き叫んでいる

夾注 1

以大上皇母罷東朝故云。

太上皇の母として東朝をおやめになった。それでこう言ったのである。