いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻18

金侍郎・敞が、朴拾遺・文秀が公の蔵する牡丹の画に題した詩に和したものに次韻する次韻金侍郞敞和朴拾遺文秀題公所蓄畫牡丹

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 5 · 漢字 140字 · 朗読 1.5分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻18 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

1第一首

白玉床頭錦幄開。半窺西子倚歌臺。豈期海外重相見。應逐鴟夷一舸來。

白玉の床の頭に、錦の幄が開くと 西子が歌の台に倚りかかって、半ば覗いている どうして海の外でふたたび会うことを期そう きっと鴟夷の一艘の舸を逐って来たのだろう

2第二首

雲錦香囊殿上開。似聞西母自龜臺。知君不是劉家後。第幾函中得受來。

雲の錦の香の囊が、殿の上で開くと 西母が亀台から来るという知らせを聞くようだ 君が劉家の後ではないと分かるから 幾つめの函の中から受けて来たのだろうか

夾注 1

牡丹有劉家紅。

牡丹に「劉家紅」がある。

3第三首

老大逢花眼嬾開。未客閑上賞春臺。君家近得無雙艶。莫爲灰心不噢來。

老い大きくなって花に逢っても、眼は懶くて開かず 閑かに春を賞ずる台に上る客にもなれない 君の家には近ごろ、二つとない艶やかなものができたのだから 心が灰になったからといって、愛でに来ないなどと言うな

4第四首

數朶仙花意外開。緣君名字在丹臺。新詩不啻千金擲。故作嫣然一笑來。

数朵の仙の花が思いのほかに開いたのは 君の名字が丹台にあるからだ 新しい詩は千金を投げ出すだけにとどまらず わざと嫣然とひと笑いを作って見せてくれた

5第五首

人種春紅苦待開。似邀仙女隔瑤臺。此花妖艶無時節。把酒何妨日日來。

人は春の紅い花を種えて、開くのを苦しく待つ 瑤台を隔てた仙女を迎えるようなものだ この花は妖しく艶やかで、時節というものがない 酒を把って日ごとに来ても、何の差し支えがあろう