令公が東宮に奉る謝礼の牋令公謝東宮牋
云云。命出九重。爵崇五等。循涯有溢。靦面何施。伏念某學謝成麟。智昏秤象。偶緣天幸。濫叨肺腑之親。猶有童心。罔意脤膰之禮。夫何豐眷。特出常鈞。導宣汪濊之恩。俾受厖鴻之冊。此蓋伏遇王太子殿下。溫姿玉裕。茂德川沖。羽翼已成。雖同鴻鵠之絶海。首尾相應。尙念鶺鴒之在原。至使連枝。與蒙優澤。某謹當能順而悌。終和且平。承覆萼之華。不惟韡韡。託庇根之葛。其求綿綿。云云。
云々。ご命令が九重の宮中から出て、爵は五等のうち高いものです。分の涯に照らして見ればあふれるところがありますので、恥ずかしい顔をどこに置きましょうか。
伏して思いますに、某は学びにおいては麟を成した人に及ばず、知恵においては象を量った人より暗いのです。たまたま天の幸いに寄って、おそれながら肺腑のように近い縁を得ましたが、まだ子どもの心が残っていて、祭りの肉を分ける礼など思いもよりませんでした。
それなのに、どうして厚いお目が、とくに並みを越えて、広く深い恵みを導き述べ、大いなる冊命を受けさせてくださるのでしょうか。
これはおおよそ、王太子殿下が、温かいお姿は玉のように豊かで、茂る徳は川のように深く、羽と翼がすでに成って鴻や鵠が海を渡るのと同じでありながら、首と尾が互いに応じるように、なお野にいる鶺鴒を思ってくださり、連なる枝にまで寛やかな恵みを共に被らせてくださった、ということに伏して遭ったのです。
某はつつしんで当然、順って敬い、終わりまで和やかに平らかでありましょう。萼が覆ってくれる花びらを頂きますので、ただ明るいだけでなく、根を覆ってくれる葛に託して、その連なりが絶えないことを求めます。
夾注 2
中謝。
ここに中謝の言葉が入る。
成麟 — 後の秤象は象の重さを量ったという曹沖の故事であるが、成麟が春秋の獲麟か、別の故事かは確かめられていない。 ― 訳者