金学士に寄せる寄金學士
愚聞先賢於儒門。制十二徒。徒各置齋。有多有少。每夏一集隷業。名曰夏天都會。近因國家多梗。此風幾絶。今聞我齋得成夏課。何喜如之。雖他齋未爾。是迺儒風復盛之漸。他齋亦從而興矣。何必憂哉。此皆尙書學士指麾之力也。豈不慶幸哉。謹成古詩奉寄。
私が聞くところでは、昔の賢者たちが儒学の門に十二徒を置き、徒ごとに斎を設けて、多いものも少ないものもありました。夏ごとに一度集まって学業を習い、これを「夏の集まり」と名づけました。
近ごろ国に障りが多くて、この風習はほとんど絶えていましたが、今、我が斎が夏の課業を成したと聞きました。これほど喜ばしいことがありましょうか。他の斎がまだそうでないとしても、これこそ儒の風がふたたび盛んになる初めですから、他の斎も従って興るでしょう。何を憂えることがありましょうか。
これはみな尚書学士が指揮された力です。慶ばしく幸いなことではありませんか。謹んで古詩一編を作り、お送りします。
夾注 2
敞○幷序○庚子年
敞。序を併せた。庚子年。
「夏の集まり」は底本に夏天都会とある。
自卜新京今幾年。吾徒舊範危墮地。賴予不死餘喘存。得聞夏課羣學子。遙知林林白面生。夫子影前成拜起。有川能似歸法無。想見冠童浴沂水。有如霖雨彌數旬。忽見晴陽出明媚。又如嘉穀垂欲枯。一朝沐雨得生意。細思此是君之力。感古喜今還抆淚。我今已歷三事聯。子亦行登丞相位。原其所自此其根。根若不牢安所恃。君知體莫重於斯。公卿搢紳多出是。鄕猶有校家有塾。況可國中無是事。勸公更礪成人心。激起後生毋少弛。我於此時雖就木。地下猶能抃舞喜。
新しい都に地を定めてから、今いくつの年になるのか 我が徒の古い規範は、危うく地に落ちるところだった 幸い私が死なずに残る息をつないでいて 多くの学生が夏の課業を行うと聞くことができた 遠くからでも分かる、林のように並んだ色白の書生たちが 孔子の影像の前で拝して立ち上がる姿が 歌いながら帰ったあの場に似た川が、そこにあるだろうか 冠をかぶった者と子どもらが沂水で水浴びする姿が目に浮かぶ ちょうど長雨が幾旬も続いたあとで ふと晴れた日が明るく美しく出てくるようであり また良い穀物が垂れて枯れようとしていたのが 一朝の雨に浴して生きる気を得たようでもある よく考えれば、これは君の力であり 昔に感じ、今を喜んで、かえって涙を拭う 私は今、三公の列をすでに経て 君もやがて丞相の位に上るだろう その由るところを尋ねれば、これがその根であり 根が堅くなければ、何を頼みにできよう 君は知っているだろう、これより重い土台はないことを 公卿や官人は、おおむねここから出た 田舎にも郷校があり、家にも塾があるのに まして国の中に、このことがなくてよいものか 公に勧める、人を成そうとする心をさらに磨き 後進を奮い立たせて、少しも緩めないでほしい 私はその時には棺に入っていようとも 地の下でなお手を打ち、舞って喜べるだろう
夾注 1
歸法 — 『論語』先進篇に、沂水で水浴びをして歌いながら帰った(浴乎沂 詠而歸)とある箇所を指す。歸法を「古い法に帰る」と切って読むこともある。― 訳者