いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 後集 巻9

偶然に吟ずる偶吟

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 1 · 漢字 80字 · 朗読 0.8分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 後集 巻9 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

無酒詩可停。無詩酒可斥。詩酒皆所嗜。相値兩相得。信手書一句。信口傾一酌。奈何遮老子。俱得詩酒癖。酒亦飮未多。未似詩千百。相逢迺發興。是意終莫測。由此病亦深。方死始可息。不唯我自傷。人亦以之責。

酒がなければ詩を止めてもよく 詩がなければ酒を退けてもよい 詩と酒をどちらも好むので 互いに出会えば両方を得たことになる 手に任せて一句を書き 口に任せて一杯を傾ける どうしようか、この老人が 詩と酒の二つの癖をともに得てしまった 酒は多く飲めもせず 詩が千百あるのとは同じでない 互いに出会えば興が起こるが この意はついに測りがたい これによって病も深くなり 死んではじめて止むだろう 私が自ら傷つくだけでなく 人もこれをもって私を責める