いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 後集 巻11
墨の竹二幹 — 風を受ける竹の二叢、一つは動き一つは静かである松廣社主大禪師夢如。遣侍者二人求得丁而安墨竹二幹。仍邀予爲贊云。 風竹二叢。一動一靜。
東国李相国集(東国の李相国の文集) 後集 巻11 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。
大風所吹。萬殊同受。何一竹中。有動與不。一叢困風。搖簸不息。一叢自若。植植其直。有如二人。同學于禪。一人懸悟。心已慹然。一猶未爾。群動坌起。返聞聞性。動靜迺已。
大きな風が吹くところを 万の異なるものがみな同じく受けるのに どうして一つの竹のなかに 動くものと動かないものとがあるのか 一叢は風に困められ 揺られ簸られて息まず 一叢は自若として 植々とその直さで立っている まるで二人の人が ともに禅を学んでいて 一人は懸やかに悟り 心はすでに慹然と静まり 一人はまだそうではなく 群なす動きがいちどきに坌り起こるのと同じだ 聞くことを返して聞く性を聞けば 動と静はやがて已むだろう