新たに序した詳定礼文の末に附ける跋新序詳定禮文跋尾
夫帝王之政。莫先於制禮。其沿革也損益也。宜一定之。以淑人心。以齊風俗矣。安可因循姑息。不卽立常典。使之紛然異同哉。本朝自有國來。其禮制之損益。隨代靡一。病之久矣。至仁廟朝。始勑平章事崔允儀等十七臣。集古今同異。商酌折中。成書五十卷。命之曰詳定禮文。流行於世。然後禮有所歸。而人知不惑矣。是書跨歷年祀。簡脫字缺。難於攷審。予先公迺令補緝。遂成二本。一付禮官。一藏于家。其志遠也。果於遷都之際。禮官遑遽。未得齎來。則幾若已廢。而有家藏一本得存焉。予然後益諳先志。且幸其不失。遂用鑄字。印成二十八本。分付諸司藏之。凡有司者。謹傳之勿替。毋負予用志之痛勤也。月日。某跋。
およそ帝王の政は、礼を制めることより先なるものはない。その沿い革めることと損い益すことを、まさに一たび定めて、これによって人の心を淑くし、これによって風俗を斉えるべきである。どうして因り循って姑息に過ごし、ただちに常の典を立てずに、紛々と互いに異なるままに置いておけようか。
我が朝が国を立てて以来、その礼制の損益は代ごとに一つでなく、これを病んで久しかった。仁廟の朝に至ってはじめて平章事の崔允儀ら十七人の臣に勅して、古今の同異を集め、商り酌んで折り中せ、書五十巻を成し、名づけて『詳定礼文』として世に流し行かせた。そうしてから礼に帰るところがあり、人は知って惑わなくなった。
この書は年月を跨ぎ歴て、簡が脱け字が缺けて、攷え審らかにするのが難しかった。亡き父君はそこで補い緝わせ、ついに二本を成して、一本は礼官に付け、一本は家に蔵めた。その志は遠かった。果たして都を遷すときに礼官が遑てて遽ぎ、持って来ることができなかったので、ほとんど廃れたのと変わらなかったが、家に蔵めた一本があって残ることができた。私はそれからいよいよ父君の志を諳り、またそれを失わなかったことを幸いとした。
ついに鋳た字を用いて二十八本を印り成し、諸々の司に分け付けて蔵めさせた。およそ司を預かる者は、謹んでこれを伝えて替えることなく、私が志を用いた痛ましいほどの勤めを負にするな。
某月某日、某が跋する。
夾注 1
代晉陽公行
晋陽公に代わって作った。