職を謝する状謝職狀
1館駅巡官に署してくださったことに
右某今月二十五日。伏承公牒特賜署充館驛巡官者。恩降台階。光生旅舍。承命而吟魂乍懾。叨榮而病骨能蘇。攀依有心。荷戴無力。伏以某樗生曠野。莠託荒田。豈惟良匠不窺。抑亦農人見棄。風欹弱植。難擧勢於凌雲。塵織纖莖。但懷愁於委地。昨者不慙狷者。輒效狂生。累貢巴詞。仰瀆秦鑑。伏惟司徒相公念以來從異域。遠寓樂郊。俯愛似龍。不嫌非鳳。拔衰英於糞上。搜滯刃於獄中。許廁嘉賓。仍沾厚俸。神仙見顧。稍親郭隗之臺。駑蹇何施。得主鄭莊之驛。況乃念子襟之志業。辱華衮之褒詞。刻畫恩深。已能長價。琢磨志切。終願成功。修身則飮水懷氷。鍊思則吟煙嘯露。唯當勵節。以謂報恩。謹詣衙門。祗候陳謝。下情無任感激彷徨榮懼之至。謹狀。
右のこと。某は今月二十五日、伏して公牒を承りましたところ、特に署して館駅巡官に充てることを賜りました。恩は台階から降り、光は旅舎に生じました。命を承って吟ずる魂はしばらく懾れ、栄えを分不相応に受けて病んだ骨も蘇ることができました。攀り依る心はありますが、荷い戴く力がありません。伏して思いますに、某は樗が曠い野に生え、莠が荒れた田に託したようなもので、良い匠が窺わないどころか、農の人にも見棄てられ、風に欹いだ弱い植えものですから、雲を凌ぐ勢いを挙げることは難しく、塵が織った纖い茎ですから、ただ地に委ねられる愁いを懐くばかりでした。先ごろ、狷い者であることを慙じずに、たちまち狂った生を効い、たびたび巴の詞を貢して、仰いで秦の鑑みを瀆しました。伏して惟みますに、司徒相公は、異域から来従って遠く楽しい郊に寓っていることを念われ、俯いて竜のようだと愛し、鳳でないことを嫌われず、衰えた英を糞の上から拔き、滞った刃を獄の中から搜して、嘉い賓に廁わることを許され、そのうえ厚い俸に沾わせてくださいました。神仙が顧みてくださったので、やや郭隗の台に親しみ、駑く蹇いた身が何を施せましょうが、鄭荘の駅を主ることになりました。まして子の襟の志と業を念われ、華やかな衮のような褒めの詞を辱めくださったので、刻み画かれる恩は深くて、すでに価を長くすることができ、琢き磨く志は切で、ついには功を成すことを願います。身を修めるには水を飲み氷を懐き、思いを鍊るには煙を吟じ露に嘯いて、ただ節を励むことを、恩に報いることと思います。謹んで衙門に詣り、祗んで候って陳べ謝します。下の情は感激し彷徨い、栄えて懼れる至りに堪えません。謹んで状を申し上げます。