いにしえの文 › 懲毖録(過ちを懲らし後の憂いを慎む記録) › 巻4 芹曝集

東征した将と兵のために申し上げて解いてやることを請う啓陳爲東征將士陳奏救解。啓

懲毖録(過ちを懲らし後の憂いを慎む記録) 懲毖錄 · 柳成龍(リュ・ソンリョン) · 1633年刊行(壬辰倭乱の後に著す) · 段落 1 · 漢字 197字 · 朗読 1.8分

懲毖録(過ちを懲らし後の憂いを慎む記録) 巻4 芹曝集 壬辰倭乱が終わった後、領議政の柳成龍が自らの目で見たものを記して残した記録。「過ぎたことを懲らして後の憂いを慎む」という意で名を付けた。戦争がどのように始まり、朝廷が何を見落としたかを言い逃れなく記した。李舜臣を推挙したこと、明の軍とのいざこざ、民が経た惨状がそのまま収められている。

臣病役潮熱往來午前則稍醒午後則昏甚昨日午後備邊司郞廳以秘密啓草來示臣見其大槩蓋欲爲東征諸將解釋人言而慰解其意與臣之近日所慮無異同今承。下敎更爲詳審則經略之事雖與提督有異自此有言以一爲一否爲難其意亦是然臣意不必歷擧姓名但以東征講臣承。皇上之命拯濟小邦爲辭恐無不可第此事當別爲一奏抑幷載於賊情。奏本乎此等曲折未知如何而可以前日金睟狀啓諸條臣病昏不能仔細看過思慮所及未能精細更令備局熟議處之俾無未盡之事幸甚

臣は病で熱が潮のように行き来して、午の前には少し覚め、午の後にはひどく乱れます。昨日の午の後、備辺司の郎庁が密かな啓草を持って来て見せましたので、臣がその大まかなところを見ますと、東征した諸々の将のために人の言葉を解いてやり、その意を慰めようとするものでした。臣が近ごろ慮っていたところと違いません。

いま下教をいただいてあらためて詳しく察しますに、経略の事は提督と違うところがあるとはいえ、ここで言葉を出すことは、良いとも悪いとも一つに切って言いがたいのです。その意も良いのです。しかし臣の意では、あえて姓名を一つ一つ挙げる必要はなく、ただ東征した諸々の臣が皇帝の命を奉じて小さな国を救ったという言葉としても、おそらく悪いことはないようです。ただこの事を別に一つの奏本とするのか、それとも賊の有様を申し上げる奏本にあわせて載せるのか、こうした曲折はどうするのが良いか分かりません。

過ぎた日の金睟の状啓の諸々の条は、臣が病で乱れて詳しく見られず、思いの及ぶところも精しくありませんので、あらためて備局に熟く議って処理させ、尽くされない事がないようにしてくだされば幸いです。

夾注 2

底本は講臣であるが、諸臣の誤りと見る。

底本のこの箇所は字が齟齬っているので、意だけを生かして訳した。