提督が京城へ発ちましたので、後に従って進むことを申し上げる状啓馳。啓提督發向京城隨後前進狀
本月十九日午時查總兵率兵發向坡州申時提督率大軍繼至東坡臣就去問安提督答云知道且云今日追擊賊尾如何蓋提督以臣等每請進兵故以此言之其意則近於不誠二十日朝提督盡率大軍發向京城臨發臣與接待使等力言倭奴狡詐不還王子經略牌文亦有順則撫逆則勦之語今旣逆命請速進兵且我軍方欲渡漢追躡願老爺明白分付提督不甚諦聽謾答曰任汝兵力且曰爾國將官不待。王子之出而先爲入戰甚可惡因卽上馬而去京城體探人皆言城中賊幾盡出去而沈遊擊及。天使兩人同行。王子亦不放出極爲痛心欲死無地已令全羅巡察使權慄巡邊使李蘋防禦使高彥伯李時言鄭希玄等急速前進相機施行而臣亦隨後到臨津因唐兵塞路未卽渡江緣由爲先馳。啓
今月十九日の昼に査総兵が兵を率いて坡州へ発ち、申の刻に提督が大軍を率いて続いて東坡へ至りました。臣が参って伺候しますと、提督は「わかった」と答え、また「今日、敵の尾を追って撃つのはどうか」と申しました。おおよそ提督は、臣らが常に兵を進めることを請うのでこう言ったのであり、その意は誠がないのに近いのです。
二十日の朝、提督が大軍をみな率いて京城へ発ちました。発つ折に臣が接待使らとともに力を尽くして申して、「倭奴は狡く偽って王子を返しません。経略の牌文にも『順えば撫で、逆らえば討つ』という語がありますのに、今すでに命に逆らいましたから、速やかに兵を進められるよう請います。そのうえ我が兵がまさに漢江を渡って後を踏もうとしておりますので、老爺が明らかに言いつけてくださるよう願います」と申しました。
提督はそれほど聞き入れず、なおざりに答えて、「お前たちの兵の力に任せる」と申し、また「お前の国の将が王子が出るのを待たずに先に入って戦うのは、はなはだ憎い」と申して、ただちに馬に乗って行きました。
京城をみずから察して来た人たちがみな、「城の中の敵がほとんどみな出て行ったが、沈遊撃と明の使い二人がともに行き、王子も放ち出さなかった」と申します。はなはだ心が痛み、死にたいのですが死ぬ地がありません。
すでに全羅巡察使権慄、巡辺使李蘋、防禦使高彦伯・李時言・鄭希玄らに、急ぎ前へ進んで形勢を見て行わせました。臣も後に従って臨津へ至りました。明の軍が路を塞いでただちに川を渡れませんでしたので、その理由をまず馳せて申し上げます。
夾注 1
四月二十一日在臨津
四月二十一日、臨津で。