病で官を削って罷めていただくことを請う状啓以病請鐫罷職名狀
臣自四月以後大病之餘氣力柴敗病未盡差而以南方事勢危急不敢自安於遠地遂扶病馳下道中又聞右道事急晝夜疾馳因奔走於高靈草溪之間雖無補絲毫而賤病則日漸沉劇尋常寒熱往來洩瀉無度引飲煩燥食氣專廢當此之時所當以死爲限不敢言病及奉。召命感激惶恐趁日起程行到江原道原州路次敬奉宣傳官賫來。聖旨又回向堤川是日風雨大作山路艱險病遂加發寸寸前進全忠州而幾不能運身留一日踰嶺抵聞慶更留一日冒死進程到路中犬灘地不省人事顚仆於草野之中數日內症勢乍寒乍熱有似痎瘧臣自量病入膏肓皮骨相粘見者皆謂面無人色而國事方急傳聞吳遊擊劉總兵皆已發還尙州殊無久住之意道內糧餉已竭湖南運糧不繼戶曹判書李誠中身死已經一月而代員不來運糧餉軍之事日益虛疎將不成貌樣臣旣晚來此道不知頭緒往來道路之間時日蹉過事機愈遠身又病憊如許不堪馳驅擲奸檢擧亦難如意伏念賊兵時方屯據兇謀難測而在我事勢一日危於一日萬一。天兵以無食迫寒捲去賊遂乘虛衝突則未知何以爲計此臣之所以俯仰寒心而中夜拊膺者也。朝廷遠於千里此間事情容有未及盡知者如臣淺病速許鐫罷更遣重臣之有識慮能辦大事者晝夜星馳以濟國事
臣は四月の後、大きな病を経た後で気力が枯れ木のように崩れ、病が治りきらないままでしたが、南方の形勢が危急で、あえて遠い地で安らかではいられませんでした。ついに病を冒して馳せ下る途中、また右道が危急だと聞いて夜も昼も速く駆け、高霊と草渓の間を忙しく動き回りました。毛筋ほどの補いもありませんでしたが、賤しい身の病は日ごとに次第に深くなり、常に寒さと熱が往き来して下痢が限りなく、水ばかり欲しがってやりきれず、食べる気がまったく絶えました。このような時にはまさに死を限りとするだけで、あえて病を口にできませんでした。
お召しの命を承ってからは、感激し恐れ畏んで日を争って路に出ました。江原道の原州の路に至って、宣伝官が持って来た聖旨を謹んで承り、また堤川へ回り向かいました。この日、風雨が大いに起こり山の路が険しくて、病がついに重くなりました。一歩ずつ進んで忠州に至ってはほとんど身を動かせず一日留まり、嶺を越えて聞慶に至って改めて一日留まりました。死を冒して路を進み、途中の犬灘の地に至っては人を見分けられず草地の中に倒れました。幾日かのうちに症状がしばらく寒く、しばらく熱くなって、瘧に似ております。臣がみずから計りますに、病が膏肓に入って皮と骨が相いに貼りつき、見る者はみな顔に人の色がないと申します。
ところが国の事はまさに急です。伝え聞きますに、呉遊撃と劉総兵がみなすでに尚州へ帰って、長く留まる意がまったくないとのことです。道内の軍糧はすでに底をつき、湖南から運ぶ穀は続きません。戸曹判書李誠中が死んでからすでに一月が過ぎましたのに、代わる官が来ないので、穀を運び兵を食わせる事が日ごとにいっそう粗略になって、形をなさなくなりそうです。
臣はすでに遅れてこの道へ来て糸口がわからず、路を往き来する間に日ばかりが食い違って過ぎ、事の機がいっそう遠のきます。身はまた病み疲れることがこのようで、駆け回ることに堪えず、察し明らかにし取り締まる事も意のままにしがたいのです。
伏して思いますに、敵兵がまさに陣を張って拠り、凶い謀が計りがたく、我らの側の形勢は一日が一日より危ういのです。もし明の軍が食べるものがなく寒さが迫ったといって収めて行き、敵が隙に乗じて衝いて来れば、何を計策とすべきかわかりません。これが臣が俯き仰いで心が冷え、夜半に胸を打つ理由です。
朝廷は千里の外に遠くあって、この地の事情をまだすべて知り得ないところがあるでしょう。臣のような浅く病んだ者は速やかに官を削って罷めることをお許しになり、改めて識見と思慮があって大きな事を成し得る重い臣を遣わされ、夜も昼も星のように駆けて国の事を救わせてください。
夾注 1
八月十六日
八月十六日。