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為政爲政第二

論語(孔子とその弟子たちの語録) 論語 · 孔子とその弟子たち(門人の集録) · 戦国時代に集成(紀元前5〜3世紀) · 段落 24 · 漢字 684字 · 朗読 2.7分

論語(孔子とその弟子たちの語録) 全一巻 「学びて時にこれを習う、また喜ばしいことではないか」で始まる、東アジアで最も長く読まれてきた書。孔子と弟子たちの問答497章。朝鮮五百年の士の必読書であり、今も人が生きるための言葉がここから出てくる。

1徳による政治は北極星のよう

子曰:「爲政以德,譬如北辰,居其所,而眾星共之。」

孔子が言われた。「徳によって政治を行うのは、たとえば北極星がその場所にいて、多くの星がそれを中心に巡るようなものだ。」

2思いに邪なところがない

子曰:「詩三百,一言以蔽之,曰思無邪。」

孔子が言われた。「詩三百篇を一言で覆えば、思いに邪なところがない、ということだ。」

3徳で導き、礼で整える

子曰:「道之以政,齊之以刑,民免而無恥;道之以德,齊之以禮,有恥且格。」

孔子が言われた。「法令で導き刑罰で整えれば、民は罰を免れようとするばかりで恥を知らない。徳で導き礼で整えれば、恥を知り、その上で正しくなる。」

4十五で学問に志す

子曰:「吾十有五而志于學;三十而立;四十而不惑;五十而知天命;六十而耳順;七十而從心所欲,不踰矩。」

孔子が言われた。「私は十五で学問に志し、三十で自立し、四十で迷わなくなり、五十で天命を知り、六十で人の言葉が素直に聞けるようになり、七十で心の望むままに動いても道をはずれなくなった。」

5逆らわないことが孝

孟懿子問孝。子曰:「無違。」樊遲御,子吿之曰:「孟孫問孝於我,我對曰:『無違。』」樊遲曰:「何謂也?」子曰:「生,事之以禮;死,葬之以禮,祭之以禮。」

孟懿子が孝について尋ねた。孔子は「逆らわないことです」と言われた。樊遲が車を御しているとき、孔子が言われた。「孟孫が私に孝を尋ねたので、逆らわないことだと答えた。」樊遲が「どういう意味でしょうか」と言うと、孔子は言われた。「生きておられるときは礼をもって仕え、亡くなったときは礼をもって葬り、礼をもって祭るということだ。」

6父母はただ子の病を心配する

孟武伯問孝。子曰:「父母,唯其疾之憂。」

孟武伯が孝について尋ねた。孔子が言われた。「父母はただ、子が病むことだけを心配しておられる。」

7敬う心がなければ犬馬と何が違うか

子游問孝。子曰:「今之孝者,是謂能養。至於犬馬,皆能有養。不敬,何以別乎?」

子游が孝について尋ねた。孔子が言われた。「今の孝というのは、養うことができるという意味だ。しかし犬や馬にいたっても養うことはできる。敬う心がなければ、何によって見分けようか。」

8顔つきが難しい

子夏問孝。子曰:「色難。有事,弟子服其勞;有酒食,先生饌。曾是以爲孝乎?」

子夏が孝について尋ねた。孔子が言われた。「顔つきが難しい。事があれば若い者が労をひきうけ、酒や食事があれば年長者に先に差し上げる。それだけで孝と言えるだろうか。」

9回は愚かではない

子曰:「吾與回言終日,不違如愚。退而省其私,亦足以發。回也不愚。」

孔子が言われた。「私が回と一日中話しても、逆らうことがなく愚かなように見えた。退いた後その私生活を見てみると、やはり十分に説き広げている。回は愚かではない。」

10人はどこに隠れようか

子曰:「視其所以,觀其所由,察其所安,人焉廋哉!人焉廋哉!」

孔子が言われた。「その行うところを見、その拠るところを観察し、その安んじるところを見定めれば、人はどこに隠れようか、人はどこに隠れようか。」

11温故知新

子曰:「溫故而知新,可以爲師矣。」

孔子が言われた。「古いものを温めて新しいものを知れば、師となることができる。」

12君子は器ではない

子曰:「君子不器。」

孔子が言われた。「君子は器ではない。」

13まず行い、その後に言う

子貢問君子。子曰:「先行其言,而後從之。」

子貢が君子について尋ねた。孔子が言われた。「まず自分の言うことを行い、その後で言葉がそれに従うようにするのだ。」

14広く交わって仲間をつくらない

子曰:「君子周而不比,小人比而不周。」

孔子が言われた。「君子は広く交わって仲間をつくらず、小人は仲間をつくって広く交わらない。」

15学ぶばかりで考えなければ

子曰:「學而不思則罔,思而不學則殆。」

孔子が言われた。「学ぶばかりで考えなければ暗く、考えるばかりで学ばなければ危うい。」

16異端を掘り下げても害になるだけ

子曰:「攻乎異端,斯害也已。」

孔子が言われた。「異端を掘り下げても害になるだけだ。」

17知っていることを知っているとする

子曰:「由,誨女知之乎!知之爲知之,不知爲不知,是知也。」

孔子が言われた。「由よ、お前に知るということを教えよう。知っていることを知っているとし、知らないことを知らないとする。これが知るということだ。」

18俸禄はその中にある

子張學干祿。子曰:「多聞闕疑,愼言其餘,則寡尤;多見闕殆,愼行其餘,則寡悔。言寡尤,行寡悔,祿在其中矣。」

子張が俸禄を得る方法を学びたいと言った。孔子が言われた。「多く聞いて疑わしいものは空けておき、残りを慎んで言えば過ちが少ない。多く見て危ういものは空けておき、残りを慎んで行えば悔いが少ない。言葉に過ちが少なく行いに悔いが少なければ、俸禄はその中にある。」

19まっすぐな人を取り立てれば従う

哀公問曰:「何爲則民服?」孔子對曰:「擧直錯諸枉,則民服;擧枉錯諸直,則民不服。」

哀公が尋ねた。「どうすれば民は従いますか。」孔子が答えられた。「まっすぐな人を取り立てて曲がった人の上に置けば民は従い、曲がった人を取り立ててまっすぐな人の上に置けば民は従いません。」

20重々しく臨めば敬う

季康子問:「使民敬忠以勸,如之何?」子曰:「臨之以莊,則敬;孝慈,則忠;擧善而教不能,則勸。」

季康子が尋ねた。「民が敬い、忠を尽くし、励むようにするには、どうすればよいでしょうか。」孔子が言われた。「重々しい態度で臨めば敬い、親に孝行で人に慈しみ深ければ忠を尽くし、優れた者を取り立ててできない者を教えれば励みます。」

21これもまた政治である

或謂孔子曰:「子奚不爲政?」子曰:「《書》云:『孝乎惟孝,友於兄弟。』施於有政,是亦爲政,奚其爲爲政?」

ある人が孔子に言った。「先生はなぜ政治をなさらないのですか。」孔子が言われた。「『書』に『孝であることよ、ただ孝であり、兄弟に仲よくすることよ』とある。これを事にあてはめて行うのも政治だ。役につくことだけがどうして政治だろうか。」

22人に信がなければ

子曰:「人而無信,不知其可也。大車無輗,小車無軏,其何以行之哉?」

孔子が言われた。「人に信がなければ、その使いどころがわからない。大きな車に轅の留め具がなく、小さな車に軛の掛け金がなければ、何によって進ませようか。」

23百代の後でもわかる

子張問:「十世可知也?」子曰:「殷因於夏禮,所損益可知也;周因於殷禮,所損益可知也;其或繼周者,雖百世可知也。」

子張が尋ねた。「十代の後を知ることができますか。」孔子が言われた。「殷は夏の礼を受け継いだから、減らし加えたところがわかる。周は殷の礼を受け継いだから、減らし加えたところがわかる。もし周を継ぐ者があるなら、百代の後でもわかる。」

24自分の神でないものを祭るのは媚び

子曰:「非其鬼而祭之,諂也。見義不爲,無勇也。」

孔子が言われた。「自分の神でもないものを祭るのは媚びることであり、義であることを見ながら行わないのは勇気のないことだ。」