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那谷

奥の細道(奥州へ向かう細道の記) 奥の細道 · 松尾芭蕉 · 元禄15年(1702年)刊 · 1689年の旅 · 段落 1 · 漢字 137字 · 朗読 0.3分

奥の細道(奥州へ向かう細道の記) 全一巻 「月日は百代の過客であり、行き交う年もまた旅人です」 — 芭蕉が四十六歳で江戸を離れ、奥州と北陸を五か月かけて歩いた紀行文。夏草に武士たちの夢を見、岩にしみ入る蝉の声を聞き、一つ屋根の下に眠る遊女を萩と月に見立てる。散文が終わるところごとに俳句が一句置かれる。法顕・玄奘・慧超の求法記と並ぶ、この書斎のもう一つの道である。

1那谷 — 石山の石より白い秋の風

山中に行ほど白根かだけあとに見なして步む左の山ぎはに觀音堂あり花山法皇三十三所の順禮とげさせ給ひて後大慈大悲の像を安置し給ひて那谷と名付給ふと也那知谷組の二字をわかち侍しとぞ奇石さま〴〵に古松うへならべて萱ふぎの小堂岩の上につくりかけて殊勝の土地なり 石山の石より白し秋の風

山中へ行く道で、白根が岳を後ろに見ながら歩きました。左の山際に観音堂があります。花山法皇が三十三所の順礼を遂げられた後、大慈大悲の像を安置なさって、那谷と名付けられたということです。那智と谷汲の二字を分けてお付けになったのだとか。

奇石がさまざまに立ち、古松を植え並べて、萱葺きの小堂を岩の上に掛けるように造ってあり、殊勝な土地です。

石山の / 石より白い秋の風

夾注 2

一本ほどにトアリ

異本には「ほどに」とあります。

一本かやトアリ

異本には「かや」とあります。