いにしえの文 › 三国遺事(三国時代の遺聞集) › 紀異 第1
長春郎と罷郎長春郞罷郞
三国遺事(三国時代の遺聞集) 紀異 第1 高麗の僧・一然が編んだ三国時代の説話集。正史が捨てた話を集めている。檀君神話を載せる最も古い書物である。
1死んだのちも軍に付き従った
長春郎罷郎〔一作羆〕初與百濟兵戰於黃山之役長春郎·罷郎死於陣中,後討百濟時見夢於太宗曰“臣䓁昔者爲國亡身至於白骨,庻欲完護邦國故随從軍行無怠而已.然迫於唐帥定方之威逐於人後爾.願王加我以小勢.”大王驚恠之爲二魂說經一日於牟山亭,又爲創壮義寺於漢山州以資冥援.
長春郎と罷郎。〔「罷」を羆と記すこともある。〕
はじめ百済の兵と黄山で戦った役で、長春郎と罷郎が陣中で死んだ。
のちに百済を討つとき、太宗の夢に現れて言った。
「臣らは昔、国のために身を失い、白骨となるに至りました。
国を全く守りたいと思い、それゆえ軍に付き従うことを怠らなかっただけです。
しかし唐の帥の定方の威に押され、人の後ろに追われているだけです。
願わくは王よ、わたしたちに小さな勢いでも加えてください。」
大王は驚き怪しんで、二つの魂のために牟山亭で一日のあいだ経を説かせた。
またかれらのために漢山州に壮義寺を建てて、冥界での助けを得られるようにした。
夾注 1
一作羆
「罷」を羆と記すこともある。