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波斯国波斯國
梁書 諸夷伝(梁書に記された諸夷の記録) 全一巻 南朝の梁が見た三十六か国。武寧王が「再び強国となった」と知らせた表文、新羅が初めて自らの名で現れる記録、仏の髪と阿育王塔の話、そして扶桑国・女人国のような海の果ての伝説まで — 南海から西域に至る最も幅広い諸夷伝である。
1波斯国
波斯國,其先有波斯匿王者,子孫以王父字爲氏,因爲國號。國有城,周回三十二里,城高四丈,皆有樓觀,城內屋宇數百千間,城外佛寺二三百所。西去城十五里有土山,山非過高,其勢連接甚遠,中有鷲鳥噉羊,土人極以爲患。國中有優缽曇花,鮮華可愛。出龍駒馬。咸池生珊瑚樹,長一二尺。亦有琥珀、馬腦、真珠、玫㻁等,國內不以爲珍。市買用金銀。婚姻法:下聘訖,女婿將數十人迎婦,婿著金線錦袍、師子錦袴,戴天冠,婦亦如之。婦兄弟便來捉手付度,夫婦之禮,于茲永畢。國東與滑國,西及南俱與婆羅門國,北與汎慄國接。中大通二年,遣使獻佛牙。
波斯国は、その先祖に波斯匿王という者があって、子孫が王父の字をもって氏としたので、それによって国の号となった。国に城があり、周りは三十二里、城の高さは四丈で、みな楼観があり、城の内に屋宇が数百千間、城の外に仏寺が二、三百所ある。城から西へ十五里に土の山があるが、山はさほど高くはなく、その勢いは連なり接してはなはだ遠くまで続く。その中に鷲という鳥があって羊を食らうので、土地の人はひどくこれを患いとしている。国の中に優鉢曇の花があって、鮮やかに華やかで愛すべきものである。竜の駒の馬を産する。咸池に珊瑚の樹が生え、長さは一、二尺である。また琥珀・馬脳・真珠・玫㻁などもあるが、国の内ではこれを珍しいものとしない。市の売り買いには金銀を用いる。婚姻の法は、聘を下し終えると、女の婿が数十人を率いて婦を迎えに行くが、婿は金の線の錦の袍と師子の錦の袴を着け、天冠を戴き、婦もまたそのようにする。婦の兄弟がそのまま来て手を捉って付け渡し、夫婦の礼は、ここで永く畢わる。国の東は滑国と、西および南はともに婆羅門国と、北は汎慄国と接する。中大通二年、使者を遣わして仏の牙を献じた。