いにしえの文 › 梁書 諸夷伝(梁書に記された諸夷の記録) › 全一巻
史臣は言う史論
梁書 諸夷伝(梁書に記された諸夷の記録) 全一巻 南朝の梁が見た三十六か国。武寧王が「再び強国となった」と知らせた表文、新羅が初めて自らの名で現れる記録、仏の髪と阿育王塔の話、そして扶桑国・女人国のような海の果ての伝説まで — 南海から西域に至る最も幅広い諸夷伝である。
1史臣の論
史臣曰:海南東夷西北戎諸國,地窮邊裔,各有疆域。若山奇海異,怪類殊種,前古未聞,往牒不記。故知九州之外,八荒之表,辯方物土,莫究其極。高祖以德懷之,故朝貢歲至,美矣。
史臣は言う。海南・東夷・西北戎の諸国は、地が辺の裔まで窮まるところに、それぞれ疆域がある。山の奇しきこと、海の異なること、怪しい類や殊なる種のごときは、前の古には聞かれず、往きし牒には記されていない。それゆえ、九州の外、八荒の表では、方物や土地を辯じ明らかにしようとしても、その極みを究められないことがわかる。高祖が徳をもってこれを懐けたので、朝貢が年ごとに至った。美しいことである。
夾注 1
全文以中華書局、一九七三年五月版《梁書》爲本校。
全文は中華書局一九七三年五月版『梁書』を底本として校勘した。