いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 前集 巻9
六月八日、鸎谷駅で天院の劉冲祺に出会って少し飲み、小畜の詩韻でそれぞれ作る六月八日。鸎谷驛。遇劉天院冲祺小酌。用小畜詩韻各賦。
東国李相国集(東国の李相国の文集) 前集 巻9 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。
萬里天涯意外逢。夕陽煙岫碧千重。才雄獨作人中鳳。緣厚曾攀牓上龍。傷錦拙能慙郡寄。燃藜大手賀儒宗。殷勤更乞尋溪寺。何惜齊鑣過一峯。
万里の天の果てで思いがけず出会うと 沈む日に霧の峰が青く千重だ 才が雄々しくてひとり人中の鳳となり 縁が厚くてかつて榜の上の竜に取りついた 錦を傷めるほどの拙い腕で郡を預かるのが恥ずかしく 藜の灯をともす大きな腕前の儒林の宗を祝う 懇ろに重ねて乞う、渓の寺を訪ねて 轡を並べて一つの峰を越えるのをどうして惜しもうか
夾注 1
取同姓
同じ姓の者を取った。