二度目に退くことを願う表二度乞退表
云云。昨具表乞還官政。蒙降敎書不允者。匹夫告勞。許釋兩肩之負。老馬方倦。可停千里之行。臣欲退安。義與此類。卑情自訴。兪詔尙稽。伏念臣學本空疏。性惟褊躁。歷四朝而至我代。始參奉引之聯。登兩制者無幾年。驟擢論思之地。以章句浮虛之伎。居朝廷機要之司。其在平時。尙難堪處。方國家厭虜之際。是廟堂料敵之時。書檄不能曉無知之戎。智略不得施制勝之策。虛提寸管。何益前籌。況復過歸老之齡。夫豈欠冒居之恥。然無功而妄食則甘受衆責。其滿限而未去則亦非本情。蓋陛下前以臣政簿誤年勅留。而臣不得違忤故爾。今伏奉詔旨。又如前諭。而申以不病不老及之。病豈僞稱。臥已更於百日。老非自飾。年正屆於七旬。雖聖度有所示寬。顧人言亦豈無懼。其已聞者足矣。又可使之多歟。退也已遲。雖或廢本朝之成例。今而得謝。猶不違禮典之明。文勢誠迫於玆時。詔何淹於曰可。前旣未遂其請。今又不解而歸。非獨一時之譏。亦爲萬世之笑。伏望云云。憫耄衰之甚。憐號訴之勤。俾脫牽拘。得從頤養。皇恩所庇。苟延塡壑之期。天鑑斯臨。曷怠戀軒之念。云云。
云々。昨日、表を整えて官の政をお返しすることを願いましたのに、教書を下されてお許しになりませんでした。匹夫が労を申し上げれば、両肩の荷を下ろすことを許され、老いた馬がちょうど疲れていれば、千里の行を止めることができます。臣が退いて安らぎたいのも、意はこれと同じです。低い情で自ら訴えましたが、お許しの詔は今なお遅れております。
伏して思いますに、臣は学問がもとより空ろで粗く、性はただ狭く急です。四つの朝廷を経て我らの代に至ってはじめて君にお仕えする列に連なり、二つの詔を作る地位に昇って幾年もならぬうちに、にわかに論じ思う地位に抜かれました。文句ばかりをいじる浮いて空ろな技で、朝廷の機要の役所におりますので、平時でさえ堪えて身を置くのが難しいのです。
まさに国が夷狄を退けようとする折であり、朝廷が敵を量る時です。文と檄では無知な夷狄を悟らせられず、知恵と謀りごとでは勝ちを制する策を施せません。いたずらに一寸の筆の軸を握るばかりで、先に立って計ることに何の助けとなりましょうか。そのうえ老いて帰るべき年を過ぎましたので、どうして冒して留まる恥ずかしさがないでいられましょうか。
けれども功もなく妄りに食べれば、多くのお叱りを甘んじて受けるでしょうし、期限が満ちたのに去らないのも、また、もとの心ではありません。おおよそ陛下が、以前、臣の官の文書に年が誤って記されていることを挙げて留まるよう命じられ、臣が逆らえなかったからです。今つつしんで詔旨を承りますと、また前のお言いつけと同じで、重ねて病でも老いでもないというお言葉にまで及ばれました。病をどうして偽って称しましょうか。臥してすでに百日を越えました。老いは自ら飾ったものではありません。年はちょうど七十に至りました。
聖なる度量が寛さをお示しくださったとはいえ、振り返れば人々の言葉がまた、どうして恐ろしくないでしょうか。すでに聞いたものだけでも十分ですのに、また多くさせましょうか。退くのがすでに遅いのですから、たとえ本朝の定まった前例を崩すことになっても、今退くことができれば、なお礼典の明らかな文には背きません。形勢がまことにこの時に差し迫っておりますのに、詔はどうして「そうせよ」と仰せになるのに遅れるのでしょうか。先にもすでにその願いを遂げられず、今また解かれて帰れないなら、一時のそしりだけでなく、万世の笑いものとなりましょう。
伏してお願いいたします、云々。老い衰えることのひどさを憐れまれ、叫び訴えることの切なさを愛しまれて、縛られたところから脱して身を養うことに従わせてください。君の恵みに庇っていただければ、溝に埋もれる時まで命をつなぎましょうし、天のようなお目がここに臨まれますから、どうして宮闕を慕う心を怠りましょうか。云々。
夾注 1
中謝。
ここに中謝、すなわち謝意を述べる言葉が入る。