いにしえの文 › 東国李相国集(東国の李相国の文集) › 後集 巻8

春の雪に向かってふと吟じ、長句二十六韻を得て、芸閣の李学士需、秋部の河郎中千旦、内省の李起居淳牧に奉り寄せる對春雪偶吟。得長句二十六韻。奉寄芸閣李學士需,秋部河郞中千旦,內省李起居淳牧。

東国李相国集(東国の李相国の文集) 東國李相國集 · 李奎報(イ・ギュボ) · 1241年(高麗・高宗28年)編 · 1251年に改め補う · 段落 1 · 漢字 364字 · 朗読 4.1分

東国李相国集(東国の李相国の文集) 後集 巻8 高麗の李奎報が生涯に作った文章を、子の李涵が1241年に編んで刻み、孫の李益培が1251年に改め補った文集。詩と賦、王に奉った表と箋、寺と塔に付けた記、碑銘と墓誌銘、手紙と序文、そしてモンゴルが攻め入った時に行き交った国書までが収められている。高句麗の始祖を歌った「東明王篇」が前集の巻3にあり、酒と琴と詩を友として自ら白雲居士と名のった人の一日一日が後集に残っている。書は、彼が目を病んで筆を置く最後の詩と、彼が死んだ後に他の人が作って付けた誄書・墓誌銘で閉じる。

肩束那堪堆屋曉。夢酣不覺打窓宵。但知地上高低積。休問空中巨細飄。掩戶初聞聲屑屑。卷簾方見色瀌瀌。臘前要白今何用。春際交寒定孰驕。有興直揮詞筆狀。無心欲作畫屛描。梅園正好和新萼。麥壟偏工潤槁苗。微點袖端融旋滅。迫來簷畔去還遙。塡卑已遣凹成凸。破瞑尋敎暮作朝。東郭行時全露足。祖師立處正齊腰。橫縱種玉因田畝。頃刻開花賴樹條。癡女誤疑投粉屑。漁翁乍恐起銀潮。鬪相掁觸何曾讓。舞或徘徊好自嬌。絮幸同形成巧況。蘭能儷曲放長謠。早聞作賦由梁苑。何必吟詩獨㶚橋。富宅猶將華燭㸑。窮廚方拾濕薪燒。虛庭巧貯重羅麪。坦路平鋪一色綃。風自西來東正蕩。日從南炤北先消。洒鬚添却棼絲裊。傍眼兼他幻翳搖。洛邑問袁猶自臥。剡溪訪戴是誰招。遊兒手冷團還擲。醉客喉噍嚼便澆。若校深房閑擁火。忍聞幽徑有擔樵。適遭孤竹能先折。詎改貞松本後凋。爲問官人鞭凍馬。何如閑老襲重貂。晨雲混合光渾暗。夕吹騰凌氣斗饒。不待新晴須急掃。及爲流沫可勝漂。此時唯有王孫第。羅綺香中吸洞簫。

肩をすぼめても、暁に家の上に積もったものをどうして堪えられよう 夢が深くて、夜に窓を打っていたことにも気づかなかった ただ地の上に高く低く積もったことだけを知るばかりで 空の中で大きく細かく舞ったことは問わないでくれ 戸を閉ざすと、はじめはさらさらという音だけが聞こえ 簾を巻くと、まさに降りしきる白さが見える 師走の前に白くなることを願ったのに、いまになって何の役に立とう 春の折に寒さが混じるのだから、いったい誰が誇っているのか 興が湧けばすぐに筆を振るって写し取り 心なく画屏の描写を作ってみる 梅の園ではちょうど新しい萼と調和するのによく 麦の畝ではことに枯れた苗をよく潤す 袖の端に細かく点を打てば溶けてすぐに消え 軒のあたりに迫ってきて去るものはまた遥かだ 低い所を埋めて、すでに窪みを凸にしてしまい 暗さを破って、たちまち夕を朝にしてしまう 東郭先生が歩いたときは足がすっかり露わで 祖師が立っておられた所ではちょうど腰に揃っていた 縦横に畝に沿って玉を植え わずかの間に木の枝を借りて花を咲かせる 愚かな娘は粉を撒いたものと見誤り 漁りの老人はしばし銀の波が立つかと恐れる 競って互いにぶつかるときは、いつ譲ったことがあったか 舞いながら時にためらうので、自然とあでやかだ 柳の綿は幸い形が同じで巧みな喩えを成し 蘭は曲に対を成せるので長い歌を解き放つ かつて賦を作ったのは梁苑から始まったと聞いたのだから どうして必ず灞橋でだけ詩を吟じよう 豊かな家ではかえって華やかな燭で火を焚き 貧しい厨ではまさに濡れた薪を拾って焚く 空の庭には巧みに重ねて篩った麦の粉を積み置き 平らな路には一色の白絹を均して敷いた 風が西から来れば東がしきりに揺れ 日が南から照れば北が先に溶ける 鬚に降りかかれば乱れた糸がそよぐのを添え 目のあたりをかすめれば幻の翳りに覆われた揺らぎまで重なる 洛邑に袁安を訪ねると、彼はそのまま臥していて 剡渓に戴逵を訪ねに行ったのは、誰が呼んだのだったか 遊ぶ子らは手が冷えながらも丸めては投げ返し 酔った客は喉が渇けば噛んですぐに潤す もし奥深い部屋で閑かに火を抱えているのに比べるなら 奥まった小道に薪を背負って行く者があることを、どうして聞くに堪えよう ちょうど孤り立つ竹に出会えば先に折ることもできるが どうして真直ぐな松がもともと遅れて枯れることを変えられよう 問いたい、凍えた馬に鞭打つ役人は 閑かな老人が厚い毛皮を重ね着しているのと、どちらであろうか 暁の雲と混じり合えば光がすっかり暗く 夕の風に舞い上がれば勢いがなかなかに豊かだ 新たに晴れるのを待たず、急いで掃くべきだろう 流れ落ちる泡となるときは、流されていくのをどうして堪えよう この時にただ王孫の邸だけがあって 絹と香りの中で洞簫を吹いている

夾注 2

見束晢麪賦

束晢の「麪賦」に見える。

無心欲作畫屛描 — 前の行の有興と対にして「心がなければ画屏を描こうとしてもできない」と読むこともある。原文に「できない」という語がないので、心なく描いてみるという方に訳した。 ― 訳者