いにしえの文 › 金剛経(金剛の智慧を説く経典) › 全一巻
大乗正宗分 第三大乘正宗分第三
金剛経(金剛の智慧を説く経典) 全一巻 「およそ形あるものはすべて虚妄である」 — とどまるところなく心を起こせと教える経典。昭明太子が分けた三十二分をそのまま従っている。六祖慧能はこの経の一句を聞いて発心したと伝える。
1済度して、しかも済度したものはない
佛告須菩提:「諸菩薩摩訶薩,應如是降伏其心:所有一切眾生之類,若卵生、若胎生、若濕生、若化生;若有色、若無色;若有想、若無想、若非有想非無想,我皆令入無餘涅槃而滅度之。如是滅度無量無數無邊眾生,實無眾生得滅度者。何以故?須菩提!若菩薩有我相、人相、眾生相、壽者相,即非菩薩。」
仏は須菩提に告げられた。「もろもろの菩薩摩訶薩は、まさにこのようにその心を鎮めなければならない。あらゆる衆生の類い — 卵から生まれるもの、胎から生まれるもの、湿気から生まれるもの、変化して生まれるもの、形のあるもの、形のないもの、想いのあるもの、想いのないもの、想いがあるのでもなくないのでもないものまで、私はみな残りのない涅槃(無余涅槃)に入らせて済度しよう、と。
このように量りなく数えきれず果てしない衆生を済度しても、実は済度を得た衆生はいない。なぜか。須菩提よ、菩薩に我という相・人という相・衆生という相・寿者という相があれば、それはもはや菩薩ではないからである。」
夾注 1
最大之乘,最正之宗
最も大きな乗りものであり、最も正しい宗旨である。