徳音を下されたことを賀する表賀降德音表
1月食のあとの赦しと骨を拾う命
臣某言:臣得進奏院狀報,司天台奏,六月十六日夜太陰虧。伏奉六月二十三日德音,應三川管內見禁囚徒等,宜委所在長吏五日內疏理決遣,其京畿四面暴露骸骨,宜委諸鎮切準前後敕旨,差人收拾埋瘞者。望舒匿影,曲赦流恩,化洽泣辜,義資掩骼,振歡聲於蜀壘,盪妖氛於秦川。臣某誠忭誠躍、頓首頓首。臣伏以日能順晷而照臨,不失其所;月以順時而盈缺,則維其常。況當蓂葉初凋,桂輪自減。兵銷下土,非石麟暗鬥於東陵;謫見上天,致玉兔暫虧於西汜。既同君子之過,乃軫聖人之憂。伏惟聖神聰睿仁哲明孝皇帝陛下光闡睿圖,保寧區宇,仁能及遠,德以勝妖。爰當展義之辰,克舉眚災之典。慈傷庾死,牢囚免滯認風霜;義貫幽魂,道殣皆沾於雨露。可使涪水耀千年之色,巴山呼萬歲之聲,道能繼於垂衣,法無妨於委轡,佇廻巡幸,仰賀登封。臣限守戒藩,不獲稱賀行在,無任抃躍屏營之至。謹奉表陳賀以聞,臣某誠歡誠喜、頓首頓首。謹言。
臣某が申し上げます。臣が進奏院の状報を受け取りましたところ、司天台が奏して六月十六日の夜に月が欠けたと申し、六月二十三日の徳音を伏して奉じますに、三川の管内で禁じ置かれている囚人らは、所在の長吏に委ねて五日のうちに疏り分けて決し遣らせ、京畿の四面にさらされた骸骨は、諸鎮に委ねて前後の敕旨のとおり人を遣わして拾い埋めさせよ、とのことです。望舒が影を隠すと、格別の赦しで恩を流され、化は罪人のために泣く心に洽い、義は骨を覆うことに資って、蜀の壘に歓びの声を振るわせ、秦川の妖しい気を洗い流されます。臣某はまことに手を打ちまことに躍り、頓首頓首いたします。臣が伏して思いますに、日は晷に順って照らし、その所を失わず、月は時に順って満ち欠けし、その常を守ります。まして蓂の葉が初めて凋み、桂の輪が自ら減る時であればなおさらです。兵が下の土で消えたのですから、石の麟が東陵で暗く闘ったのではなく、謫めが上の天に現れて、玉の兎が西の汜でしばらく欠けたのです。すでに君子の過ちと同じですから、そこで聖人の憂いを痛められたのです。伏して思いますに、聖神聡睿仁哲明孝皇帝陛下は聖上の計りごとを輝かしく開かれ、天下を保ち安んじられ、仁は遠くにまで及び、徳は妖に勝ちます。義を示される時に当たって、災いを省みる典を挙げられ、慈しみは牢で死ぬことを傷んで、囚人は風霜に滞ることを免れ、義は幽かな魂に貫いて、道に死んだ者もみな雨と露に潤います。涪水に千年の色を輝かせ、巴山に万歳の声を呼ばせるに足ります。道は衣を垂れることを継ぎ、法は轡を委ねることを妨げませんので、巡幸のお戻りを待って、封禅を仰いで賀します。臣は戒めの藩を守ることに限られて、行在所で賀を申し上げられませんので、手を打ち躍り恐れおののく至りに堪えません。謹んで表を奉り賀を申し上げます。臣某はまことに歓びまことに喜び、頓首頓首いたします。謹んで申し上げます。