姪の宏約を濟と改名させ、楊州大都督府左司馬に除せられたことに謝する状謝侄男宏約改名濟除授楊州大都府左司馬狀
1前の鄂州都団練副使の高劬
前鄂州都團練副使朝議郞檢校祠部郞中兼侍御史柱國賜緋魚袋高劬
前の鄂州都団練副使・朝議郎・検校祠部郎中兼侍御史・柱国・賜緋魚袋の高劬。
2姪の劬を峡内の刺史に請って
右件官。是臣親姪男。粗詳吏術。早忝官裳。始佐理於江陽。旋從知於寒壤。實得片言以折獄。未嘗枉道而事人。遂荷寵榮。已登班列。尋叨命服。久倅廉車。方當寇盜喧驚。亦有籌謀施展。加以每遵家法。願報國恩。宗族稱孝悌之名。僚友許溫恭之行。臣是以輒思內擧。敢具上陳。引以進之。守戴禮之深義。惟善所擧。憑魯書之美譚。伏乞聖慈俯鑑忠懇。特賜除授峽內刺史。劬也必能勵心從政。常銘馬援之言。竭力分憂。不負謝安之擧。干黷宸扆。無任兢惶。謹錄奏聞。伏聽勑旨。
右の官員は臣の親しい姪で、吏の術をおおよそ詳らかにし、早くから忝なくも官の裳を着て、はじめ江陽で理めを佐け、ついで寒い壤で知るところに従いましたので、まことに片言をもって獄を折くことができ、道を枉げて人に事えたことがありません。ついに寵と栄えを荷って、すでに班列に登り、ただちに命の服を忝なくして、長く廉車の副となり、ちょうど賊や盗が喧しく驚かす時に当たって、またそこに籌りと謀を施し展べるところがありました。そのうえ常に家の法に遵って国の恩に報いることを願いますので、宗族は孝と悌の名を称え、僚と友は温く恭しい行いを許します。臣はそれゆえ、つい内から挙げることを思って、あえて具さに上に陳べ、「引いてこれを進める」という『戴礼』の深い義を守り、「ただ善い者を挙げる」という『魯書』の美しい語り草に憑ります。伏してお乞いします、聖上の慈しみをもって忠なる懇ろさを俯して鑑みられ、特に峡内の刺史に除し授けてください。劬は必ず心を励まして政に従い、常に馬援の言葉を銘し、力を竭くして憂いを分け、謝安の挙げに背かないでしょう。聖上の扆を干し黷しますので、おののき惶れる至りに堪えません。謹んで録して奏し聞かせます。伏して敕旨をお待ちします。
夾注 1
「戴礼」は小戴礼、すなわち『礼記』を指すと見る説もあります。― 訳者