滑州の王令公へ滑州王令公
1新しい官職を授かったことを恥じて
某蒙恩忝官。不任感懼。某粗傳堂構。謬荷國恩。然而術略素貧。勳勞甚淺。早分相印。累陟師壇。每遇福過災生。蓋爲材微任重。一自四郊多壘。萬乘蒙塵。未施毫髮之功。深負咽喉之寄。羊皮狐腋。空思趙簡子之言。瓦釜黃鍾。寧免楚大夫之歎。旣難展用。唯願退閑。方欲瀝血拜章。奉身請老。豈料更隨衆例。亦忝殊榮。遽登常伯之高資。復益實封之異寵。伐檀可懼。橫草何申。伏緣遞路不通。制書未到。先垂榮問。過辱獎詞。旣聆天上之音。不愧月中之夢。末由陳謝。但切兢惶云云。
私は恩を蒙り、かたじけなくも官を授かり、感激と恐れに堪えません。私はおおよそ家業を伝え、誤って国の恩を受けましたが、術略はもとより乏しく、勲労はきわめて浅いのに、早くに宰相の印を分かち受け、重ねて将帥の壇に上りました。いつも福が過ぎて災いが生じる事に出会ったのは、おおかた器が小さく任が重いからです。四方の郊に塁が多く、万乗の君が塵を蒙られてからは、毛筋ほどの功も施せず、喉元のような大切な託しを深く裏切りました。羊の皮と狐の脇毛と、むなしく趙簡子の言葉を思い、瓦の釜と黄鐘と、どうして楚の大夫の嘆きを免れましょうか。すでに用いられ難いのですから、ただ退いて閑居することを願い、まさに血を注いで章を奉り、身を退いて老を請おうとしていました。それがどうして、また人々の例に従って、同じく格別の栄誉をかたじけなく受け、にわかに常伯の高い地位に上り、さらに実封の格別の恩寵まで加わるとは思いもしませんでした。伐檀の詩が恐ろしく、草を薙ぐほどの功もないのに、何を申し上げられましょうか。駅路が通じず、制書がまだ届かないうちに、先に栄えあるお見舞いを賜り、過分なお褒めの言葉をかたじけなくいただきました。すでに天上の音を聞いたのですから、月の中の夢に恥じることもありません。お礼を申し上げるすべもなく、ただ恐れ畏む思いが切なるばかりです。云々。