趙璋を招く書招趙璋書
1黄巣を説いて帰順させよ
都統太尉馳問趙璋。古人有言曰。大厦成而燕雀相賀。湯沐具而蟣蝨相弔。審其賀之與弔。由彼依之與違。且爾同惡相成。異謀斯搆。遽爲犯順。尙敢偸安。今我水陸徵軍。天人助信。久審風雲之會。遠揚雷電之威。卽當行展豹韜。立擒梟帥。剋收城闕。靜剗煙塵。想計爾曹具知吾意。但以先春而後秋者天之道。重賞而輕罰者君之恩。遂乃馳吾咫尺之書。問爾方寸之事。爾等依憑大憝。猾亂中朝。罪已貫盈。理須誅翦。然若黃巢狠性能改。雄心自新。望其國封。建彼家社。勳業可超今邁古。恩榮可付子傳孫。必爲致之。速相報也。如或螳蜋努臂。猰㺄磨牙。輒欲拒張。必當撲滅。爾須審詳至理。勸誘元兇。欲令天下知名。早申忠節。奈何草間求活。終作叛徒。況居成算之中。卽在覆巢之下。死生有命。禍福無門。唯審是非。可知成敗。所謂燕雀相賀。蟣蝨相弔。實在於知與不知。順與不順。良時易失。嘉會難逢。生爲有害之人。死作無知之鬼。深可恥也。深可痛也。勉惟去就。早副指蹤。悉之。
都統太尉が、趙璋に馳せて問う。古人の言葉に「大きな家が成れば燕と雀が互いに祝い、湯浴みの支度が整えば蟣と虱が互いに弔う」とある。その祝いと弔いを見極めれば、それに依るか背くかによるものだ。さて汝らは、同じ悪が互いを成り立たせ、異なる謀がここに組み合わされて、たちまち順を犯しながら、なお敢えて安きを盗んでいる。今わたしは水陸に軍を徴し、天と人が信を助け、長く風雲の会するところを見極めて、遠く雷電の威を揚げる。まさに豹の韜略を広げて、立ちどころに梟の帥を擒にし、城と宮門を取り返し、兵火の塵を静かに削り除くつもりだ。汝らもみなわたしの意を知っていよう。ただ、春を先にし秋を後にするのは天の道であり、賞を重くし罰を軽くするのは君の恩であるから、ついにわたしの短い書を馳せて、汝の胸の内の事を問う。汝らは大きな悪に依り憑いて、中朝を乱したのだから、罪はすでに満ち、理として誅し剪るべきである。しかし、もし黄巣が狠い性を改めることができ、雄々しい心を自ら新たにして、国の封を望み、その家の社を立てるなら、勲業は今を超え古を凌ぐことができ、恩栄は子に付し孫に伝えることができる。必ずそれを叶えてやるから、速やかに返答せよ。もし螳螂が腕を張り、猰㺄が牙を研いで、ひたすら抗おうとするなら、必ず打ち滅ぼすだけである。汝は至極の理をよく詳らかにして、元凶を勧め誘い、天下に名を知られるようにさせ、早く忠節を申し述べさせよ。どうして草の間で生きることを求めて、ついに叛徒となるのか。まして、すでに成った計算の中にあり、覆される巣の下にいるのだ。死生に命あり、禍福に門はない。ただ是非を見極めれば、成敗は知れる。いわゆる燕と雀が互いに祝い、蟣と虱が互いに弔うというのは、まことに知るか知らぬか、順うか順わぬかにある。良い時は失いやすく、良い会は逢いがたい。生きて害ある人となり、死して無知の鬼となるのは、深く恥ずべきこと、深く痛むべきことだ。努めて去就を思い、早く指し示すところに副え。よく心得よ。