いにしえの文 › 桂苑筆耕集(桂の苑で筆を耕した集) › 巻18 書狀啓

疋と段を謝する状謝疋段狀

桂苑筆耕集(桂の苑で筆を耕した集) 桂苑筆耕集 · 崔致遠(チェ・チウォン) · 886年(唐・中和6年 · 新羅・憲康王12年) · 段落 2 · 漢字 113字 · 朗読 0.5分

桂苑筆耕集(桂の苑で筆を耕した集) 巻18 書狀啓 崔致遠が唐の淮南節度使・高駢の幕府で四年のあいだ書いた文章のうちから自ら選び、二十巻に編んで886年に新羅の憲康王に奉った文集。皇帝に奉った表と状、黄巣を責めた檄文、諸々の節度使に送った手紙、部下に下した委曲と挙牒、道教の斎詞と仏教の斎文、祭文、成都の羅城と安南の絵に付けた記、そして高駢に奉った啓と詩まで366編が収められている。「臣は新羅の人です」で始まる最初の啓と、「天下の人がおまえを殺そうとするだけでなく、地の底の鬼神までもおまえを斬ることを議した」という討黄巣檄文がここにあり、最後の巻は十二歳で離れた故郷へ帰る船路で作った詩である。今に伝わる韓国人の文集のうち最も古いもので、1834年に洪奭周と徐有榘が活字で刷るにあたり「我が東方の文章の根本であり始まりである」と述べた。その二つの序文も併せて訳した。

1緋羅・紫綾・黄綾など

緋羅紫綾紫天淨紗紫平紗黃平紗黃綾黃絹熟綿綾袴段

緋の羅、紫の綾、紫の天浄紗、紫の平紗、黄の平紗、黄の綾、黄の絹、熟した綿の綾、袴の段。

2絳の帳の余りを分けて褐の袍を換えてくださったので

右伏蒙仁恩特賜前件疋段。霞舒鳳縷。雪疊鮫綃。猥分絳帳之餘。俾換褐袍之飾。不學王尼巧說。遽叨盧志殊榮。唯慙螻蟻之姿。不稱蜉蝣之什。但願勵食蘗飮氷之節。報披朱拖紫之恩。下情無任感戴兢惕涕泣之至。謹奉狀陳謝。謹狀。

右のこと。伏して仁の恩を蒙り、特に右の件の疋と段を賜りました。霞が鳳の縷を舒べ、雪が鮫の綃を疊んだようで、猥しくも絳の帳の余りを分けて、褐の袍の飾りを換えさせてくださいました。王尼の巧みな説を学ばないのに、にわかに盧志の殊なる栄えを分不相応に受け、ただ螻や蟻のような姿が、蜉蝣の什に称わないことを慙じます。ただ願いますのは、蘗を食い氷を飲むような節を励んで、朱を披き紫を拖く恩に報いることです。下の情は感じ戴き、兢み惕れ、涕き泣く至りに堪えません。謹んで状を奉じて陳べ謝します。謹んで状を申し上げます。