西方の事務を予め理め整えることを申し上げた啓經理西方事務。啓
近觀西方事勢日益可虞必須於合氷之前多般經理以爲防秋之計然後庶可備其緩急他餘事則臣自爲移文分付於本道且令從事官韓浚謙往來檢察矣其中數事當待。朝廷處分平安道出身之類當初榮幸科擧頗有喜悅之心近日南北赴防之役專資於此輩行齎居送盡失農業又以守令不加存撫侵虐之事有同平民少有徵督輒囚其妻故出身之人無不怨苦更以登科爲悔群心如此其何以望其致力於有事之日哉議者以爲此屬皆爲訓鍊院權知奉事口傳而江邊入防之時計仕遷轉一如本院之例且令邊將每於朔望試射計其畫數申報監兵使。啓聞其中優等者別爲擢用則人心必有興起而無怨苦防戍之歎請令該曹商議擧行以慰塞上軍士之心且江邊士兵有馬者絕少北虜長技在於馳騁專用步率則不可抵當本道及黃海道牧塲土兵中勇悍善戰者及有計慮可用者詳知虜中形勢而出入偵探者令兵使監司各別訪問得實歲擧其最優者一二人。啓下兵曹於鎭堡邊將有闕處差送則塞下之士必益勸慕興起矣近日江邊鎭堡往往造設炮樓近聞前碧潼郡守李時言之言則碧潼亦已設炮樓降倭等見之亦皆以爲守城妙具但炮樓雖設而火器未具則亦一無用之物而已火藥大炮多多益善江邊所儲不足以支一戰之用猝然遇賊則將以何物制之極爲寒心火藥雖令各官煮取而或不知煮法或惰慢不勤徒用民力而所得不敷此亦當有主掌者而責其辦出然後可也評事閔有慶頗爲致意於職事云熖焇煮取火炮器械事令評事勾管措置於道內有醎土處聚合匠人分付煮取課其所出多少精麤而行其賞罰逐月知數。啓聞且總計江邊及道內火炮器械而試其可用不可用可用者留儲不可用者改之或隨便新造如一城有炮樓幾坐一樓當用大小炮幾箇必使準備應用使無臨時窘迫難備之患至如大炮之放非人人所可爲必於土兵及諸色人中擇其性近可習者多方傳習蠲除雜役別加優恤然後可用於戰守之際此意。啓下後移文監兵使知委施行何如
近ごろ西方の形勢を見ますと、日ごとにいよいよ憂慮されます。必ず川の氷が張る前にいろいろと予め整えて秋の防ぎの計策を立てて後に、急な事に備えることができます。その残りの事は臣が自ら公文を送ってその道に申し付け、また従事官の韓浚謙に往き来して検察させました。そのうち数件は朝廷の処分を待つべきものです。
平安道の出身の者たちは、初めは科挙に上がったことを栄えとして、なかなか喜ぶ心がありました。ところが近ごろ南北へ国境を守りに行く役をもっぱらこの者たちに頼りますので、行く時に携え、居る時に送られるうちに農業をすべて失いました。その上、守令が存い撫でるどころか侵し虐げることを平民と変わらず行い、少しでも取り立てる事があればすぐその妻を囚えます。ですから出身の人は誰もが怨み苦しみ、かえって科に上がったことを悔いています。群なす心がこのようでは、事ある日に力を尽くすことをどうして望めましょうか。
議する者はこう申します。この者たちをみな訓練院の権知奉事に口伝して任じ、江辺に入って守る時には勤めた日数を数えて位を移すことを訓練院の例と同じようにし、辺将に朔と望ごとに射を試させてその点数を数え、監司と兵使に報告して申し上げさせ、そのうち優れた者を別に抜いて用いれば、人心は必ず起こり、守りに行くことを怨む嘆きがなくなるであろう、と。該当の曹に議して挙行させ、辺方の軍士の心を慰めてください。
また江辺の軍のうち馬を持つ者が極めて少ないのです。北の虜の長ずるところは馬を駆けることにありますから、歩いて戦う兵だけでは当たりきれません。その道と黄海道の牧場の土兵のうち、勇ましく強く善く戦う者、慮りがあって用いるに足る者、虜の中の形勢を詳しく知って出入りして偵探するに足る者を、兵使と監司が格別に訪ね問うて実を得させ、年ごとにそのうち最も優れた一、二人を挙げて兵曹に下され、鎮堡の辺将の欠けた所に遣わせば、辺方の士は必ずいよいよ勧み慕って起こり立つでしょう。
近ごろ江辺の鎮堡に、ときおり砲楼を設けた所があります。前の碧潼郡守の李時言の話を聞きますと、碧潼にもすでに砲楼を設けたところ、降った倭の者たちが見て、みな城を守るのに妙な具だと申したそうです。ただし砲楼を設けても火器を具えなければ、無用の物に過ぎません。火薬と大砲は多いほど善いのに、江辺に蓄えたものは一度の戦いを支えるにも足りませんから、不意に敵に遭えば何を以て制するのでしょうか。まことに寒心すべきことです。
火薬は邑ごとに煮取らせましたが、煮る法を知らぬこともあり、怠けて勤めぬこともあって、いたずらに民の力だけを使って得たものは足りません。これもまた掌る人を置いて作り出すことを責め負わせて後にできることです。評事の閔有慶がなかなか職事に意を致していると申しますので、焇を煮取ることと火砲器械の事を評事に預けて措置させてください。道の中で塩気のある土の出る所に匠人を集めて煮取らせ、出た量の多少と精粗を課して賞罰を行い、月ごとにその数を知って申し上げさせてください。
また江辺と道中の火砲と器械をすべて数え、用いるに足るか足らぬかを試して、用いるに足るものは留め蓄え、足らぬものは改め、あるいは便宜に従って新たに造り、一つの城に砲楼が幾棟あれば一棟に大小の砲が幾つ要るというところまで必ず予め備えておいて、事が迫ってから窮して備えがたい憂いがないようにしてください。大砲を放つ事となれば、人ごとにできることではありません。必ず土兵や諸色の人のうち、性質が近く習うに足る者を択んでいろいろに伝え習わせ、雑役を免じ、別に厚く恤んで後に、戦い守る際に用いることができます。この意をお下しになった後、監司と兵使に公文を送って知らせ施行させるのはいかがでしょうか。
夾注 1
四月
四月。