兵たちの軍功を論じて賞を与えられることを請う軍人等軍功論賞狀
臣近觀京畿及各處官軍義兵太半潰散其幸未散者亦緣飢餓無食不能成軍故不復以捕賊爲心極爲可痛且以自前軍功或不趁時施行因多缺望之心臣悶其如此自近日凡有軍功者卽時成給考功帖書某年某月某日某人斬賊幾級後日憑考論賞云云而著署踏印給之軍心頗爲喜悅不無激勸之意矣高陽有義兵將宣傳官李山輝者所率之軍亦以無食散去已久臣招來少資軍糧數石使之伏兵於龍山等處連有斬獲如山輝者各別論賞以勸其餘宜當各處軍人所奪倭物除不得已上送憑驗表表之物外其餘牛馬衣服等物則使之卽給其人蓋軍食不敷旣不能散給官輝則惟此一事可以少慰其心俾無潰散之患矣高彥伯軍人盧松前後捕斬賊首甚多近日率軍百餘人出入於京城內外每戰先登勇膽出人臣成給空名奉事告身其後戰功尤著。朝廷亦量宜行賞使之激勸勸興起恐或無妨
臣がこのごろ見ますに、京畿と処々の官軍・義兵が大半も崩れ散りました。幸いに散らなかった者も、飢えて食べるものがなくて軍を成せませんので、もう敵を捕らえることに心を置かず、きわめて痛ましく存じます。また以前から軍功をおりおり時に合わせて行わなかったゆえに、物足りなく思う心が多いのです。
臣はそのさまを悩ましく思い、このごろからは、およそ軍功のある者にはただちに功を考える文書を作って与えました。何年何月何日に誰が敵の首を幾つ斬ったので、後日これを考え合わせて賞を論ずると書き、署名して印を押して与えました。兵の心はかなり喜んでおりますので、励まし勧める意がないわけではありません。
高陽に義兵将の宣伝官李山輝という者がおりますが、率いる兵も食べるものがなくて散り去ってからすでに久しいのです。臣が呼んで来て軍糧を幾石か少し供え、龍山などの地に伏兵を置かせますと、続いて斬り捕らえることがありました。李山輝のような者は格別に賞を論じて、その他の者を勧めるのが当然です。
処々の兵が奪った倭の物は、やむを得ず上げ送って証拠とすべき目立った物のほかは、その残りの牛・馬・衣服などの物はただちにその人へ与えさせてください。おおよそ軍糧が足らず、すでに分け与えられませんので、ただこの一事でその心を少し慰め、崩れ散る患いのないようにすることができます。
高彦伯の兵の盧松は、前後して敵の首を捕らえ斬ったものがはなはだ多いのです。このごろ兵百余名を率いて京城の内外を出入りし、戦うたびに先に登りますので、勇ましさと胆が人より抜きんでております。臣が名を空けておいた奉事の任命状を作って与えましたが、その後、戦の功がいっそう著しくなりましたので、朝廷でも当を計って賞を行い、励まし起こさせても、あるいは差し支えないかと思われます。
夾注 1
癸巳三月十九日在東坡
癸巳の年三月十九日、東坡で。