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三略 — 中略三略 中略

武経七書(七つの兵法書)— 孫子を除いた六つ 武經七書 · 姜太公に仮託・黄石公に仮託・尉繚・呉起・司馬穰苴・李靖 · 戦国時代〜唐(紀元前4世紀〜7世紀) · 段落 13 · 漢字 655字 · 朗読 2.6分

武経七書(七つの兵法書)— 孫子を除いた六つ 三略 宋が武官を選ぶ教科書として定めた七つの兵書のうち、孫子兵法を除いた六つ。六韜は文王・武王が太公望に問う問答で、国の治めから車・騎兵・野戦・水渡りまで六十篇、三略は黄石公が張良に与えたという短い三篇、尉繚子は秦の前後の軍令と伍・什の編制を細かに記した二十四篇、呉子は呉起が魏の武侯に答えた六篇、司馬法は春秋以前の軍礼を伝える五篇、李衛公問対は唐の太宗と李靖が奇正・虚実・蕃漢・攻守をやり取りした三巻である。「兵は凶器である」、「人を至らせて人に引かれない」、「千章万句も、さまざまな方法で誤らせるというその一句を越えない」がここから出た。孫子兵法の次に読む兵家の残りの六つの流れを一か所に集めた。

1三皇・帝・王・覇は何によって治めたか

夫三皇無言而化流四海,故天下無所歸功。帝者,體天則地,有言有令,而天下太平;群臣讓功,四海化行,百姓不知其所以然。故使臣不待禮賞;有功,美而無害。王者,制人以道,降心服誌,設矩備衰,四海會同,王職不廢。雖有甲兵之備,而無鬥戰之患。君無疑於臣,臣無疑於主,國定主安,臣以義退,亦能美而無害。霸者,制士以權,結士以信,使士以賞;信衰則士疏,賞虧則士不用命。

三皇は言葉なく、教化が四海に流れたので、天下は功を帰する先がなかった。帝は天に体し地に則り、言葉があり命令があって天下は太平であり、群臣は功を譲り、四海に教化が行われて、民はその理由を知らなかった。だから臣を使うのに礼と賞を待たず、功があっても美しく、害がなかった。王は道で人を治め、心を低くさせ志を服させ、法度を立てて衰えに備えたので、四海が会同し、王の職は廃れなかった。甲と兵器の備えはあっても、戦いの患いはなかった。君は臣を疑わず、臣は君を疑わず、国は定まり君は安らかで、臣は義によって退いたので、やはり美しく、害がなかった。覇は権で士を治め、信で士を結び、賞で士を使う。信が衰えれば士は疎くなり、賞が欠ければ士は命に従わない。

2将は自ら専らにするべきである

《軍勢》曰:「出軍行師,將在自專;進退內禦,則功難成。」

『軍勢』にいう。「軍を出して行軍するときは、将が自ら専らにするべきである。進むも退くも内から御すれば、功は成りにくい。」

3智ある者・勇ある者・貪る者・愚かな者を使う法

《軍勢》曰:「使智、使勇、使貪、使愚:智者樂立其功,勇者好行其誌,貪者邀趨其利,愚者不顧其死;因其至情而用之,此軍之微權也。」

『軍勢』にいう。「智ある者を使い、勇ある者を使い、貪る者を使い、愚かな者を使う。智ある者はその功を立てることを楽しみ、勇ある者はその志を行うことを好み、貪る者はその利を追い求め、愚かな者はその死を顧みない。その至りの情に拠って用いること、これが軍の微妙な権である。」

4弁士と仁者に任せてはならないこと

《軍勢》曰:「無使辯士談說敵美,為其惑眾;無使仁者主財,為其多施而附於下。」

『軍勢』にいう。「弁の立つ士に敵の美点を語らせてはならない。兵たちを惑わすからである。仁ある者に財を司らせてはならない。多く施して下に付くからである。」

5巫と祝を禁じよ

《軍勢》曰:「禁巫祝,不得為吏士蔔問軍之吉兇。」

『軍勢』にいう。「巫と祝を禁じて、役人や士のために軍の吉凶を占わせてはならない。」

6義ある士は財では使えない

《軍勢》曰:「使義士不以財。故義者,不為不仁者死,智者不為暗主謀。」

『軍勢』にいう。「義ある士を財で使ってはならない。だから義ある者は仁でない者のために死なず、智ある者は暗い君のために謀らない。」

7君も臣も徳と威がなくてはならない

主,不可以無德,無德則臣叛;不可以無威,無威則失權。臣,不可以無德,無德則無以事君;不可以無威,無威則國弱,威多則身蹶。

君は徳がなくてはならない。徳がなければ臣が背く。威がなくてはならない。威がなければ権を失う。臣は徳がなくてはならない。徳がなければ君に仕えようがない。威がなくてはならない。威がなければ国が弱くなる。そして威が多すぎれば身がつまずく。

8諸侯は二軍、方伯は三軍、天子は六軍

故聖王禦世,觀盛衰,度得失,而為之制;故諸侯二師,方伯三師,天子六師。世亂,則叛逆生;王澤竭,則盟誓相誅伐。

だから聖王が世を御するには、盛衰を観て得失を量り、そのための制を定めた。諸侯は二軍、方伯は三軍、天子は六軍である。世が乱れれば叛逆が生じ、王の恵みが尽きれば、誓いを結んだ者同士が互いに討ち合う。

9徳が等しく勢いが互角なら権変を加える

德同勢敵,無以相傾,乃攬英雄之心,與眾同好惡,然後加之以權變。故非計策,無以決嫌定疑;非譎奇,無以破奸息寇;非陰謀,無以成功。

徳が等しく勢いが互角で、互いに傾けることができなければ、そこで英雄の心を掴み取り、多くの者と好むもの憎むものを同じくし、そのうえで権変を加える。だから計策でなければ疑わしいことを決し疑いを定めることはできず、偽りと奇でなければ奸を破り賊を止めることはできず、ひそかな謀でなければ功を成すことはできない。

10三略は衰えた世のために作った

聖人體天,賢者法地,智者師古。是故《三略》為衰世作:《上略》設禮賞,別奸雄,著成敗;《中略》差德行,審權變;《下略》陳道德,察安危,明賊賢之咎。故人主深曉《上略》,則能任賢擒敵;深曉《中略》,則能禦將統眾;深曉《下略》,則能明盛衰之源,審治國之紀。

聖人は天に体し、賢者は地に法り、智者は古を師とする。だから『三略』は衰えた世のために作ったものである。「上略」は礼と賞を立て、奸なる雄を見分け、成敗を明らかにした。「中略」は徳行に差をつけ、権変を審らかにした。「下略」は道徳を述べ、安危を察し、賢者を害する咎を明らかにした。だから人の主が「上略」に深く通じれば賢者を任じ敵を捕らえることができ、「中略」に深く通じれば将を御し兵たちを統べることができ、「下略」に深く通じれば盛衰の源を明らかにし国を治める綱を審らかにすることができる。

11高く飛ぶ鳥が死ねば良い弓は蔵われる

人臣深曉《中略》,則能全功保身。夫高鳥死,良弓藏;敵國滅,謀臣亡。亡者,非喪其身也,謂奪其威,廢其權也。封之於朝,極人臣之位,以顯其功;中州善國,以富其家;美色珍玩,以說其心。

人の臣が「中略」に深く通じれば、功を全うし身を保つことができる。高く飛ぶ鳥が死ねば良い弓は蔵われ、敵国が滅びれば謀臣は亡ぶ。亡ぶとは、その身を失うことではなく、その威を奪われ、その権を廃されることをいう。朝廷で封じて人の臣の位をきわめさせ、その功を顕わし、中原の良い国でその家を富ませ、美しい女と珍しい玩びものでその心を悦ばせる。

12軍を還し軍を解くことが存亡の階

夫人眾壹合而不可卒離,威權壹與而不可卒移。還師罷軍,存亡之階。故弱之以位,奪之以國,是謂霸者之略。故霸者之作,其論駁也。

人の群れは一度合わされれば急に離すことができず、威と権は一度与えられれば急に移すことができない。軍を還し軍を解くこと、それが存亡の階である。だから位でその者を弱くし、封地でその権を奪う。これを覇者の略という。だから覇者の行いは、その論が入り混じっている。

13社稷を保ち英雄を網で集めること

存社稷羅英雄者,《中略》之勢也;故世主秘焉。

社稷を保ち英雄を網で集めること、それが「中略」の勢いである。だから世の君はこれを秘する。