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尉繚子 — 制談尉繚子 制談

武経七書(七つの兵法書)— 孫子を除いた六つ 武經七書 · 姜太公に仮託・黄石公に仮託・尉繚・呉起・司馬穰苴・李靖 · 戦国時代〜唐(紀元前4世紀〜7世紀) · 段落 12 · 漢字 827字 · 朗読 3.3分

武経七書(七つの兵法書)— 孫子を除いた六つ 尉繚子 宋が武官を選ぶ教科書として定めた七つの兵書のうち、孫子兵法を除いた六つ。六韜は文王・武王が太公望に問う問答で、国の治めから車・騎兵・野戦・水渡りまで六十篇、三略は黄石公が張良に与えたという短い三篇、尉繚子は秦の前後の軍令と伍・什の編制を細かに記した二十四篇、呉子は呉起が魏の武侯に答えた六篇、司馬法は春秋以前の軍礼を伝える五篇、李衛公問対は唐の太宗と李靖が奇正・虚実・蕃漢・攻守をやり取りした三巻である。「兵は凶器である」、「人を至らせて人に引かれない」、「千章万句も、さまざまな方法で誤らせるというその一句を越えない」がここから出た。孫子兵法の次に読む兵家の残りの六つの流れを一か所に集めた。

1制がまず定まってこそ士は乱れない

凡兵,制必先定,制先定則士不亂,士不亂則形乃明。金鼓所指,則百人盡鬥。陷行亂陣,則千人盡鬥。覆軍殺將,則萬人齊刃。天下莫能當其戰矣。

およそ兵は、制が必ずまず定まらなければならない。制がまず定まれば士は乱れず、士が乱れなければ形はそこで明らかになる。鐘と鼓が指す所で百人がことごとく戦い、列を陥れ陣を乱すのに千人がことごとく戦い、軍を覆し将を殺すのに万人が刃を揃えれば、天下にその戦いに当たれる者はない。

2先に登った者も先に死んだ者も力ある国の士だった

古者,士有什伍,車有偏列,鼓鳴旂麾,先登者未嘗非多力國士也,先死者亦未嘗非多力國士也。

古には、士に什伍があり、車に偏列があった。鼓が鳴り旗が振られるとき、先に登った者が力の多い国の士でなかったことはなく、先に死んだ者もまた力の多い国の士でなかったことはない。

3世の将が禁じられない四つ

損敵一人,而損我百人,此資敵而傷甚焉,世將不能禁。征役分軍而逃歸,或臨戰自北,則逃傷甚焉,世將不能禁。殺人於百步之外者弓矢也,殺人於五十步之內者矛戟也,將已鼓而士卒相囂,拗矢折矛抱戟,利後發,戰,有此數者,內自敗也,世將不能禁。士失什伍,車失偏列,奇兵捐將而走,大眾亦走,世將不能禁。夫將能禁此四者,則高山陵之,深水絕之,堅陣犯之。不能禁此四者,猶亡舟楫,絕江河,不可得也。

敵の一人を減らしてわが百人を減らすのは、敵を助けてわれを甚しく損なうことなのに、世の将はこれを禁じられない。徴されて軍に分けられてから逃げ帰り、あるいは戦いに臨んで自ら敗走するのは、逃亡の害が甚しいことなのに、世の将はこれを禁じられない。百歩の外で人を殺すのは弓と矢であり、五十歩の内で人を殺すのは矛と戟である。将がすでに鼓を打ったのに士卒が互いに騒ぎ、矢を折り矛を砕き戟を抱え、後から出ることを得として戦う。この幾つかがあれば内から自ら敗れるのに、世の将はこれを禁じられない。士が什伍を失い、車が偏列を失い、奇兵が将を捨てて走り、大軍もまた走るのを、世の将は禁じられない。将がこの四つを禁じることができれば、高い山も登り、深い水も渡り、固い陣も犯す。この四つを禁じられなければ、舟も櫂も失って江河を渡ろうとするようなもので、成しようがない。

4民は死を楽しんで生を憎むのではない

民非樂死而惡生也,號令明,法制審,故能使之前。明賞於前,決罰於後,是以發能中利,動則有功。

民は死を楽しんで生を憎むのではない。号令が明らかで法制がつまびらかだから、前へ進ませることができるのである。前で賞を明らかにし、後ろで罰を決するので、出れば利に中り、動けば功がある。

5百人に卒一人、千人に司馬一人

令百人一卒,千人一司馬,萬人一將,以少誅眾,以弱誅強。試聽臣言,其術足使三軍之眾,誅一人無失刑,父不敢舍子,子不敢舍父,況國人乎?

百人に卒一人、千人に司馬一人、万人に将一人を置いて、少ない数で多い数を誅し、弱い者で強い者を誅する。どうか臣の言葉をお聞きください。その術は、三軍の者たちに一人を誅するのに刑を誤らせず、父があえて子を見逃さず、子があえて父を見逃さないようにさせます。まして国の人であればなおさらです。

6剣を手に市で斬りかかる一人の賊を万人が避ける理由

一賊仗劍擊於市,萬人無不避之者,臣謂:「非一人之獨勇,萬人皆不肖也」。何則?「必死與必生,固不侔也。」聽臣之術,足使三軍之眾為一死賊,莫當其前,莫隨其後,而能獨出獨入焉。獨出獨入者,王伯之兵也。

一人の賊が剣を手にして市で斬りかかれば、万人のうち避けない者はない。臣は「一人が独り勇ましいのではなく、万人がみな不肖なのだ」と申します。なぜでしょうか。「必ず死ぬ覚悟の者と必ず生きようとする者は、もとより同じではないからです。」臣の術をお聞きになれば、三軍の者たちを死を覚悟した一人の賊のようにし、誰もその前を遮れず、誰もその後ろに付けず、独り出て独り入ることができるようになります。独り出て独り入るのは、王者と覇者の兵です。

7桓公は九万、呉起は七万、孫武は三万

有提九萬之眾,而天下莫能當者,誰?曰:「桓公也。」有提七萬之眾,而天下莫敢當者,誰?曰:「吳起也。」有提三萬之眾,而天下莫敢當者,誰?曰:「武子也。」今天下諸國士所率無不及二十萬眾者,然不能濟功名者,不明乎禁舍開塞也。明其制,一人勝之,則十人亦以勝之也。十人勝之,則百千萬人亦以勝之也。故曰:「便吾器用,養吾武勇,發之如鳥擊,如赴千仞之谿。」

九万の者たちを率いて天下に当たれる者がなかったのは誰か。「桓公である。」七万の者たちを率いて天下にあえて当たる者がなかったのは誰か。「呉起である。」三万の者たちを率いて天下にあえて当たる者がなかったのは誰か。「孫武子である。」いま天下の諸国の士が率いるものは二十万の者たちに至らない所はないのに、功名を成せないのは、禁じ放し開き塞ぐことに明らかでないからである。その制を明らかにすれば、一人が勝つのだから十人もまた勝ち、十人が勝つのだから百人・千人・万人もまた勝つ。だから「わが器具を使いやすくし、わが武勇を養い、放つことは鳥が撃つように、千仞の谷に駆け下るようにする」という。

8人の助けで集めた兵十万は実は数万

今國被患者,以重幣出聘,以愛子出質,以地界出割,得天下助,卒名為十萬,其實不過數萬爾。其兵來者,無不謂將者曰:「無為人下,先戰。」其實不可得而戰也。

いま国が患いを被ると、重い贈り物で使者を出し、愛する子を人質に出し、地の境を割いて出し、天下の助けを得る。それで兵は名は十万だが、実は数万に過ぎない。その兵が来るとき、将に「人の下になるな、先に戦え」と言わない者はないが、実は戦うことができない。

9わが衣を着せ、わが食を食べさせる十万

量吾境內之民,無伍莫能正矣。經制十萬之眾,而王必能使之衣吾衣,食吾食。戰不勝,守不固者,非吾民之罪,內自致也。天下諸國助我戰,猶良驥騄耳之駃,彼駑馬鬐興角逐,何能紹吾後哉?

わが境内の民を量っても、伍がなければ正すことができない。十万の者たちを制で治めれば、王は必ず彼らにわが衣を着せ、わが食を食べさせることができる。戦って勝てず、守って固まらないのは、わが民の罪ではなく、内から自ら招いたことである。天下の諸国がわれを助けて戦うのは、良い駿馬が駆けるのに、鈍い馬がたてがみを立てて競うようなもので、どうしてわが後ろに続けようか。

10農でなければ食はなく、戦でなければ爵はない

吾用天下之用為用,吾制天下之制為制,修吾號令,明吾刑賞,使天下非農所得食,非戰無所得爵,使民揚臂爭出農、戰,而天下無敵矣。故曰:「發號出令,信行國內。」

われは天下の用をわが用とし、天下の制をわが制とし、わが号令を修め、わが刑と賞を明らかにして、天下の者が、農でなければ食を得られず、戦でなければ爵を得る所がないようにし、民が腕をまくって争って農と戦に出るようにすれば、天下に敵はない。だから「号を発し令を出せば、国の内に信をもって行われる」という。

11空言を許さず必ず試せ

民言有可以勝敵者,毋許其空言,必試其能戰也。

民のうちに敵に勝てると言う者があれば、その空言を許さず、必ずその戦えることを試せ。

12賢者を内に持てずに天下を持とうとすれば

視人之地而有之,分人之民而畜之,必能內有其賢者也。不能內有其賢,而欲有天下,必覆軍殺將。如此,雖戰勝而國益弱,得地而國益貧,由國中之制弊矣。

人の地を見て取り、人の民を分けて養おうとするなら、必ず内にその賢者を持つことができなければならない。内に賢者を持てないままで天下を持とうとすれば、必ず軍を覆し将を殺すことになる。そうなれば、戦いに勝っても国はいよいよ弱く、地を得ても国はいよいよ貧しい。国の中の制が壊れているからである。