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呉子 — 論将吳子 論將

武経七書(七つの兵法書)— 孫子を除いた六つ 武經七書 · 姜太公に仮託・黄石公に仮託・尉繚・呉起・司馬穰苴・李靖 · 戦国時代〜唐(紀元前4世紀〜7世紀) · 段落 5 · 漢字 659字 · 朗読 2.6分

武経七書(七つの兵法書)— 孫子を除いた六つ 呉子 宋が武官を選ぶ教科書として定めた七つの兵書のうち、孫子兵法を除いた六つ。六韜は文王・武王が太公望に問う問答で、国の治めから車・騎兵・野戦・水渡りまで六十篇、三略は黄石公が張良に与えたという短い三篇、尉繚子は秦の前後の軍令と伍・什の編制を細かに記した二十四篇、呉子は呉起が魏の武侯に答えた六篇、司馬法は春秋以前の軍礼を伝える五篇、李衛公問対は唐の太宗と李靖が奇正・虚実・蕃漢・攻守をやり取りした三巻である。「兵は凶器である」、「人を至らせて人に引かれない」、「千章万句も、さまざまな方法で誤らせるというその一句を越えない」がここから出た。孫子兵法の次に読む兵家の残りの六つの流れを一か所に集めた。

1将が慎むべき五つのこと

吳子曰:「夫總文武者,軍之將也;兼剛柔者,兵之事也。凡人論將,常觀於勇,勇之於將,乃數分之一爾。夫勇者,必輕合,輕合而不知利,未可也。故將之所慎者五:一曰理,二曰備,三曰果,四曰戒,五曰約。理者,治眾如治寡;備者,出門如見敵;果者,臨敵不懷生;戒者,雖克如始戰;約者,法令省而不煩。受命而不辭,敵破而後言返,將之禮也。故出師之日,有死之榮,無生之辱。」

呉子が言った。「文と武を併せ治める者が軍の将であり、剛と柔を兼ねることが兵の事である。人が将を論ずるとき、いつも勇を見るが、勇は将にとって何分の一かにすぎない。勇ある者は必ず軽々しく組み合う。軽々しく組み合って利を知らないのでは、まだ足りない。だから将が慎むべきものは五つある。一つは理、二つは備、三つは果、四つは戒、五つは約である。理とは、多くの者を治めるのを少ない者を治めるようにすること。備とは、門を出ればもう敵を見たようにすること。果とは、敵に臨んで生きることを思わないこと。戒とは、勝っても初めて戦うときのようであること。約とは、法令が簡略で煩わしくないこと。命を受けて辞せず、敵を破ってはじめて帰ることを口にするのが、将の礼である。だから軍を出す日には、死の栄えはあっても、生きる恥はない。」

2兵の四つの機 — 気機・地機・事機・力機

吳子曰:「凡兵有四機:一曰氣機,二曰地機,三曰事機,四曰力機。三軍之眾,百萬之師,張設輕重在於一人,是謂氣機;路狹道險,名山大塞,十夫所守,千夫不過,是謂地機;善行間諜,輕兵往來,分散其眾,使其君臣相怨,上下相咎,是謂事機;車堅管轄,舟利櫓楫,士習戰陣,馬閒馳逐,是謂力機。知此四者,乃可為將。然其威、德、仁、勇,必足以率下安眾,怖敵決疑,施令而下不犯,所在寇不敢敵。得之國強,去之國亡。是謂良將。」

呉子が言った。「兵には四つの機がある。一つは気機、二つは地機、三つは事機、四つは力機である。三軍の衆、百万の軍を張りめぐらせ、軽重を按配するのが一人にかかっている。これを気機という。路が狭く道が険しく、名のある山や大きな関塞を十人が守れば千人が通れない。これを地機という。間諜をうまく使い、軽い兵が行き来してその衆を散らし、その君と臣が互いに怨み、上下が互いに咎めるようにさせる。これを事機という。車が堅く軸の金具が丈夫で、舟がよく櫓や櫂がすぐれ、士は戦いと陣に慣れ、馬は走り追うことに慣れている。これを力機という。この四つを知ってはじめて将となれる。そのうえでその威・徳・仁・勇が、必ず下を率い衆を安らかにし、敵を恐れさせ疑いを決するに足りて、令を下せば下が違えず、いるところでは敵があえて向かってこないようでなければならない。その者を得れば国は強く、失えば国は亡びる。これを良将という。」

3耳に威を、目に威を、心に威を

吳子曰:「夫鼙鼓金鐸,所以威耳;旌旗麾幟,所以威目;禁令刑罰,所以威心。耳威於聲,不可不清;目威於色,不可不明;心威於刑,不可不嚴。三者不立,雖有其國,必敗於敵。故曰︰將之所麾,莫不從移,將之所指,莫不前死。」

呉子が言った。「鼙や鼓、鉦や鐸は、耳に威を立てるものである。旗や幟は、目に威を立てるものである。禁令や刑罰は、心に威を立てるものである。耳は音によって威が立つから、澄んでいなければならない。目は色によって威が立つから、はっきりしていなければならない。心は刑によって威が立つから、厳しくなければならない。この三つが立たなければ、国があっても必ず敵に敗れる。だから『将が旗を振るところには従って動かない者がなく、将が指すところには進んで死なない者がない』という。」

4まず相手の将を見定めてその才を察せよ

吳子曰:「凡戰之要,必先占其將而察其才,因形用權,則不勞而功舉。其將愚而信人,可詐而誘;貪而忽名,可貨而賂;輕變無謀,可勞而困;上富而驕,下貧而怨,可離而間;進退多疑,其眾無依,可震而走;士輕其將而有歸志,塞易開險,可邀而取;進道易,退道難,可來而前;進道險,退道易,可薄而擊;居軍下濕,水無所通,霖雨數至,可灌而沉;居軍荒澤,草楚幽穢,風飆數至,可焚而滅;停久不移,將士懈怠,其軍不備,可潛而襲。」

呉子が言った。「戦いの要は、必ずまず相手の将を見定めてその才を察し、形に応じて権を用いることである。そうすれば労せずして功が挙がる。その将が愚かで人をすぐ信じるなら、偽って誘い出せる。むさぼって名を軽んじるなら、財で賄える。軽々しく変わって計がないなら、労させて困らせられる。上が富んで驕り、下が貧しくて怨んでいるなら、離して仲たがいさせられる。進退に疑いが多く、その衆に頼るところがないなら、震え上がらせて逃げさせられる。士がその将を軽んじて帰りたい心があるなら、平らな道を塞いで険しい道を開き、待ち受けて取れる。進む道が平らで退く道が難しいなら、来させて前に引き出せる。進む道が険しく退く道が平らなら、押し迫って撃てる。軍が低く湿ったところにいて水の通るところがなく、長雨がたびたび来るなら、水を注いで沈められる。軍が荒れた沢にいて草木が深く茂り、つむじ風がたびたび来るなら、焼き滅ぼせる。長くとどまって移らず、将士が怠け、その軍が備えていないなら、ひそかに襲える。」

5相手の将を見分ける法 — 智将と愚将

武侯問曰:「兩軍相望,不知其將,我欲相之,其術如何?」起對曰:「令賤而勇者,將輕銳以嘗之,務於北,無務於得,觀敵之來,一坐一起,其政以理,其追北佯為不及,其見利佯為不知;如此將者,名為智將,勿與戰矣。若其眾讙譁,旌旗煩亂,其卒自行自止,其兵或縱或橫,其追北恐不及,見利恐不得,此為愚將,雖眾可獲。」

武侯が「両軍が向かい合っていて相手の将が分からない。わたしはそれを見定めたいが、その術はどうか」と問うと、呉起は答えた。「身分が低く勇ある者に、軽い精鋭を率いさせて試させ、逃げることに努めさせて、取ることには努めさせないでください。敵が来るときに、一度座り一度立つ動きに、その指図が理にかなっており、敗走する者を追うのにわざと追いつかないふりをし、利を見てわざと知らないふりをするなら、このような将は智将といい、ともに戦ってはなりません。もしその衆がやかましく騒ぎ、旗がごたごたと乱れ、その卒が勝手に進み勝手に止まり、その兵が縦にも横にも散り、敗走する者を追うのに追いつけないかと焦り、利を見て得られないかと焦るなら、これは愚将であり、数が多くても捕らえられます。」