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呉子 — 励士吳子 勵士

武経七書(七つの兵法書)— 孫子を除いた六つ 武經七書 · 姜太公に仮託・黄石公に仮託・尉繚・呉起・司馬穰苴・李靖 · 戦国時代〜唐(紀元前4世紀〜7世紀) · 段落 5 · 漢字 401字 · 朗読 1.6分

武経七書(七つの兵法書)— 孫子を除いた六つ 呉子 宋が武官を選ぶ教科書として定めた七つの兵書のうち、孫子兵法を除いた六つ。六韜は文王・武王が太公望に問う問答で、国の治めから車・騎兵・野戦・水渡りまで六十篇、三略は黄石公が張良に与えたという短い三篇、尉繚子は秦の前後の軍令と伍・什の編制を細かに記した二十四篇、呉子は呉起が魏の武侯に答えた六篇、司馬法は春秋以前の軍礼を伝える五篇、李衛公問対は唐の太宗と李靖が奇正・虚実・蕃漢・攻守をやり取りした三巻である。「兵は凶器である」、「人を至らせて人に引かれない」、「千章万句も、さまざまな方法で誤らせるというその一句を越えない」がここから出た。孫子兵法の次に読む兵家の残りの六つの流れを一か所に集めた。

1厳しい刑と明らかな賞だけで勝つに足りるか

武侯問曰:「嚴刑明賞,足以勝乎?」起對曰:「嚴明之事,臣不能悉。雖然,非所恃也。夫發號布令而人樂聞,興師動眾而人樂戰,交兵接刃而人樂死。此三者,人主之所恃也。」

武侯が「厳しい刑と明らかな賞があれば、勝つに足りるか」と問うと、呉起は答えた。「厳しく明らかにする事については、臣は語り尽くせません。とはいえ、それは頼みとするものではありません。号を発し令を布けば人が聞くことを喜び、軍を起こし衆を動かせば人が戦うことを喜び、兵をまじえ刃を合わせれば人が死ぬことを喜ぶ。この三つが、君主の頼みとするところです。」

2功ある者を饗宴に招き、功のない者を励ませ

武侯曰:「致之奈何?」對曰:「君舉有功而進饗之,無功而勵之。」

武侯が「どうすればそこに至るのか」と言うと、答えた。「君が功ある者を挙げて饗宴に招いて進め、功のない者を励ましてください。」

3廟の庭の三つの列の饗宴 — 三年後、万の者がみずから甲をつける

於是武侯設坐廟廷,為三行,饗士大夫。上功坐前行,餚席兼重器、上牢;次功坐中行,餚席、器差減;無功坐後行,餚席無重器。饗畢而出,又頒賜有功者父母妻子於廟門外,亦以功為差。有死事之家,歲使使勞賜其父母,著不忘於心。行之三年,秦人興師,臨於西河,魏士聞之,不待吏令,介冑而奮擊之者以萬數。

そこで武侯は廟の庭に席を設け、三つの列を作って士大夫を饗した。功の上位の者は前の列に座り、肴と席には貴い器と上等の犠牲を兼ね添えた。功の次の者は中の列に座り、肴と席と器は順に減らした。功のない者は後の列に座り、肴と席に貴い器はなかった。饗宴が終わって出ると、さらに廟の門の外で功ある者の父母や妻子に賜わり、これも功によって差をつけた。国事で死んだ者の家には、毎年使いを遣わしてその父母を労い賜わり、心に忘れていないことを示した。これを三年行ったところ、秦の人が軍を起こして西河に迫った。魏の士はこれを聞いて、吏の令を待たずに甲と冑をつけて奮い立って撃つ者が万を数えた。

4功のない者五万で秦の五十万を破る

武侯召吳起而謂曰:「子前日之教行矣。」起對曰:「臣聞人有短長,氣有盛衰。君試發無功者五萬人,臣請率以當之,脫其不勝,取笑於諸侯,失權於天下矣。今使一死賊伏於曠野,千人追之,莫不梟視狼顧,何者?恐其暴起而害己也。是以一人投命,足懼千夫。今臣以五萬之眾而為一死賊,率以討之,固難敵矣。」於是武侯從之,兼車五百乘,騎三千匹,而破秦五十萬眾。此勵士之功也。

武侯が呉起を召して「おまえが先日教えたことが行われた」と言うと、呉起は答えた。「臣の聞くところでは、人には短所と長所があり、気には盛りと衰えがあるといいます。君が試しに功のない者五万人を出してくだされば、臣がこれを率いて当たることを願います。もし勝てなければ、諸侯に笑われ、天下に権を失うことになります。いま死を覚悟した賊が一人、広い野に伏せていれば、千人が追っても、梟のように見回し狼のように振り返らない者はありません。なぜでしょうか。その者が急に立ち上がって自分を害するのを恐れるからです。だから一人が命を投げ出せば、千人を恐れさせるに足ります。いま臣が五万の衆をもって、死を覚悟した賊一人のようにし、率いて討てば、もとより相手にしがたいでしょう。」そこで武侯はこれに従い、車五百乗と騎三千を加えさせ、秦の五十万の衆を破った。これが士を励ました功である。

5車が車を討ち取れなければ軍を破っても功はない

先戰一日,吳起令三軍曰:「諸吏士當從受敵。車、騎與徒,若車不得車,騎不得騎,徒不得徒,雖破軍,皆無功。」故戰之日,其令不煩而威震天下。

戦いの一日前、呉起は三軍に令して言った。「吏も士も、それぞれ相手に応じて敵を受けよ。車と騎と歩兵について、車が車を討ち取れず、騎が騎を討ち取れず、歩兵が歩兵を討ち取れなければ、軍を破っても、みな功はない。」だから戦いの日には、その令は煩わしくないのに、威は天下を震わせた。