司馬法 — 用衆司馬法 用眾
1少数は固さで、多数は整えることで
凡戰之道:用寡固,用眾治。寡利煩,眾利正。用眾進止,用寡進退。眾以合寡,則遠裹而闕之。若分而迭擊,寡以待眾。若眾疑之,則自用之。擅利,則釋旗,迎而反之。敵若眾則相聚而受裹。敵若寡,若畏,則避之開之。
戦いの道は、少数を用いるときは固め、多数を用いるときは整える。少数は手数の多いことが有利であり、多数は正攻が有利である。多数を用いるときは進むと止まるで動き、少数を用いるときは進むと退くで動く。多数で少数に当たるなら、遠くから囲んで一方を開けておく。分けて交替で撃つなら、少数で多数を待ち受ける。衆が疑うようなら、みずからこれを用いる。利を独り占めできるなら、旗を下ろして、迎え撃って押し返す。敵が多数なら、互いに集まって囲まれるのを受ける。敵が少数であるか、恐れているなら、避けて道を開けてやる。
2風を背にし、高きを背にする
凡戰:背風;背高;右高;左險;歷沛;歷圯;兼舍環龜。
戦いでは、風を背にし、高きを背にし、右を高くし、左を険しくし、沢を越え、崩れた地を越え、あわせて宿るときは亀の甲のように囲む。
3構えを設けて相手の動き出しを観る
凡戰:設而觀其作;視敵而舉;待則循而勿鼓,待眾之作;攻則屯而伺之。
戦いでは、構えを設けて相手の動き出しを観る。敵を見てから動かす。待つときは陣に沿ってととのえて鼓を打たず、衆の動き出しを待つ。攻めるときは屯して機をうかがう。
4多数と少数を見せてその変わりようを観る
凡戰:眾寡以觀其變;進退以觀其固;危而觀其懼;靜而觀其怠;動而觀其疑;襲而觀其治。擊其疑;加其卒;致其屈;襲其規;因其不避;阻其圖;奪其慮;乘其懼。
戦いでは、多数と少数を見せてその変わりようを観る。進退してその固さを観る。危うくさせてその恐れを観る。静まってその怠りを観る。動いてその疑いを観る。襲ってその整いを観る。その疑いを撃ち、その不意に乗じて加え、その屈するところへ追い込み、その定石を襲い、その避けないところに乗じ、そのはかりごとを阻み、その思案を奪い、その恐れに乗ずる。
5逃げる敵を追うときは休んではならない
凡從奔,勿息。敵人或止不路,則慮之。
逃げる敵を追うときは、休んではならない。敵がもし道でないところに止まっていれば、よく考えよ。
6敵の都に近づくときは必ず進む路がなければならない
凡近敵都必有進路,退,必有返慮。
敵の都に近づくときは、必ず進む路がなければならず、退くときは、必ず戻る算段がなければならない。
7先に動けば疲れ、後になれば怯える
凡戰:先則弊,後則懾,息則怠,不息亦弊,息久亦反其懾。書親絕,是謂絕顧之慮。選良次兵,是謂益人之強。棄任節食,是謂開人之意。自古之政也。
戦いでは、先に動けば疲れ、後になれば怯え、休めば怠り、休まなければやはり疲れ、長く休めばかえって怯えに戻る。手紙と親しい者との行き来を断つ。これを後ろを顧みる思いを断つという。よい者を選んで兵器を順に配る。これを人の強さを増すという。荷を捨て食を減らす。これを人の心を開くという。古くからの政である。