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東山経 第一東山經之首

山海経(山と海の彼方を記した経) 山海經 · 作者未詳 · 郭璞 注 · 戦国〜前漢(注は4世紀) · 段落 13 · 漢字 565字 · 朗読 2.3分

山海経(山と海の彼方を記した経) 山経・東山経 山の彼方と海の外の国々を記した最も古い地理書であり、神話の蔵である。一人が作ったものではなく、戦国時代から漢まで多くの手を経てできあがり、4世紀に郭璞が注を付けた。九尾の狐、精衛、夸父、刑天、西王母はみなここから出た。「東海の内、北海の隅に国があり、その名を朝鮮という」 — 朝鮮という名が残る最も早い記録の一つがこの書にある。

《東山經》之首,曰樕𧑤之山,北臨乾昧。食水出焉。而東北流注于海。其中多鱅鱅之魚,其狀如梨牛,其音如彘鳴。

『東山経』の初めは樕𧑤山である。北は乾昧に臨む。食水がここから出て、東北へ流れて海に注ぐ。その水には鱅鱅の魚が多く、形は梨牛のようで、その声は豚の鳴く声のようである。

又南三百里,曰藟山,其上有玉,其下有金。湖水出焉,東流注于食水,其中多活師。

さらに南へ三百里行くと藟山である。その上には玉があり、その下には金がある。湖水がここから出て、東へ流れて食水に注ぐ。その水にはおたまじゃくしが多い。

又南三百里,曰栒狀之山,其上多金玉,其下多青碧石。有獸焉,其狀如犬,六足,其名曰從從,其鳴自詨。有鳥焉,其狀如雞而鼠毛,其名曰䖪鼠,見則其邑大旱。掛水出焉。而北流注于湖水。其中多箴魚,其狀如儵,其喙如箴,食之無疫疾。

さらに南へ三百里行くと栒状山である。その上には金と玉が多く、その下には青碧石が多い。ここに獣がいて、形は犬のようで足が六つである。その名を従従といい、その鳴く声は自分の名を呼ぶものである。ここに鳥がいて、形は鶏のようで鼠の毛が生えている。その名を䖪鼠といい、これが現れるとその邑に大きな旱が起こる。掛水がここから出て、北へ流れて湖水に注ぐ。その水には箴魚が多く、形ははやのようで、くちばしが針のようである。これを食べると疫病にかからない。

又南三百里,曰勃亝之山,無草木,無水。

さらに南へ三百里行くと勃亝山である。草木がなく、水がない。

又南三百里,曰番條之山,無草木,多沙。減水出焉,北流注于海,其中多鱤魚。

さらに南へ三百里行くと番条山である。草木がなく、砂が多い。減水がここから出て、北へ流れて海に注ぐ。その水には鱤魚が多い。

又南四百里,曰姑兒之山,其上多漆,其下多桑柘。姑兒之水出焉,北流注于海,其中多鱤魚。

さらに南へ四百里行くと姑児山である。その上にはうるしが多く、その下には桑とやまぐわが多い。姑児の水がここから出て、北へ流れて海に注ぐ。その水には鱤魚が多い。

又南四百里,曰高氏之山,其上多玉,其下多箴石。諸繩之水出焉,東流注于澤,其中多金玉。

さらに南へ四百里行くと高氏山である。その上には玉が多く、その下には箴石が多い。諸縄の水がここから出て、東へ流れて沢に注ぐ。その水には金と玉が多い。

又南三百里,曰嶽山,其上多桑,其下多樗。濼水出焉,東流注于澤,其中多金玉。

さらに南へ三百里行くと嶽山である。その上には桑が多く、その下にはにわうるしが多い。濼水がここから出て、東へ流れて沢に注ぐ。その水には金と玉が多い。

又南三百里,曰犲山,其上無草木,其下多水,其中多堪㐨之魚。有獸焉,其狀如夸父而彘毛,其音如呼,見則天下大水。

さらに南へ三百里行くと犲山である。その上には草木がなく、その下には水が多い。その水には堪㐨の魚が多い。ここに獣がいて、形は夸父のようで豚の毛が生えている。その声は人が呼ぶ声のようで、これが現れると天下に大水が出る。

又南三百里,曰獨山,其上多金玉,其下多美石。末塗之水出焉,而東流注于沔,其中多𧌁䗤,其狀如黃蛇,魚翼,出入有光,見則其邑大旱。

さらに南へ三百里行くと独山である。その上には金と玉が多く、その下には美しい石が多い。末塗の水がここから出て、東へ流れて沔水に注ぐ。その水には𧌁䗤が多く、形は黄色い蛇のようで、ひれは魚である。出入りするときに光があり、これが現れるとその邑に大きな旱が起こる。

又南三百里,曰泰山,其上多玉,其下多金。有獸焉,其狀如豚而有珠,名曰狪狪,其鳴自訆。環水出焉,東流注于江,其中多水玉。

さらに南へ三百里行くと泰山である。その上には玉が多く、その下には金が多い。ここに獣がいて、形は豚のようで珠がある。名を狪狪といい、その鳴く声は自分の名を呼ぶものである。環水がここから出て、東へ流れて江に注ぐ。その水には水晶が多い。

又南三百里,曰竹山,錞于江,無草木,多瑤碧。激水出焉,而東流注于娶檀之水,其中多茈羸。

さらに南へ三百里行くと竹山である。江に据わっていて、草木がなく、瑤と碧が多い。激水がここから出て、東へ流れて娶檀の水に注ぐ。その水には紫色のさざえが多い。

凡《東山經》之首,自樕𧑤之山以至于竹山,凡十二山,三千六百里。其神狀皆人身龍首。祠:毛用一犬祈,䎶用魚。

およそ『東山経』の初めは樕𧑤山から竹山まで、全部で十二の山、三千六百里である。その神は形がみな体が人で頭が龍である。祭りは、毛の揃った犬一匹で祈り、供え物には魚を用いる。