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中山経 第六中次六經

山海経(山と海の彼方を記した経) 山海經 · 作者未詳 · 郭璞 注 · 戦国〜前漢(注は4世紀) · 段落 15 · 漢字 852字 · 朗読 3.4分

山海経(山と海の彼方を記した経) 山経・中山経 山の彼方と海の外の国々を記した最も古い地理書であり、神話の蔵である。一人が作ったものではなく、戦国時代から漢まで多くの手を経てできあがり、4世紀に郭璞が注を付けた。九尾の狐、精衛、夸父、刑天、西王母はみなここから出た。「東海の内、北海の隅に国があり、その名を朝鮮という」 — 朝鮮という名が残る最も早い記録の一つがこの書にある。

《中次六經》縞羝山之首,曰平逢之山,南望伊洛,東望穀城之山,無草木,無水,多沙石。有神焉,其狀如人而二首,名曰驕蟲,是為螫蟲,實惟蜂蜜之廬,其祠之:用一雄雞,穰而勿殺。

『中次六経』。縞羝山の連なりの始まりは平逢山である。南に伊水と洛水を望み、東に穀城山を望む。草木がなく、水がなく、砂と石が多い。ここに神がいる。姿は人のようで頭が二つあり、名を驕蟲という。これは刺す虫の長である。ここがまさに蜂と蜜の住まいである。これを祭るときは雄鶏一羽を用いるが、祈るだけで殺さない。

西十里,曰縞羝之山,無草木,多金玉。

西へ十里行くと縞羝山である。草木がなく、金と玉が多い。

又西十里,曰廆山,其陰多㻬琈之玉。其陰有谷,名曰雚谷,其木多柳楮。其中有鳥焉,狀如山雞而長尾,赤如丹火而青喙,名曰鴒䳩,其鳴自呼,服之不眯。交觴之水出于其陽,而南流注于洛;俞隨之水出于其陰,而北流注于穀水。

さらに西へ十里行くと廆山である。日陰の側には㻬琈の玉が多い。その日陰の側に谷があり、名を雚谷という。その木には柳と楮が多い。その中に鳥がいる。姿は山鶏のようで尾が長く、赤いことは丹砂の火のようで嘴が青い。名を鴒䳩といい、その鳴き声は自分の名を呼ぶものである。これを身に着けると悪夢にうなされない。交觴水はその日の当たる側から出て、南へ流れて洛水に入り、俞随水はその日陰の側から出て、北へ流れて穀水に入る。

又西三十里,曰瞻諸之山,其陽多金,㴬水出焉,而東南流注于洛;少水出于其陰,而東流注于穀水。

さらに西へ三十里行くと瞻諸山である。日の当たる側には金が多い。㴬水がここから出て、東南へ流れて洛水に入り、少水はその日陰の側から出て、東へ流れて穀水に入る。

又西三十里,曰婁涿之山,無草木,多金玉。瞻水出于其陽,而東流注于洛;陂水出于其陰,而北流注于穀水,其中多茈石、文石。

さらに西へ三十里行くと婁涿山である。草木がなく、金と玉が多い。瞻水はその日の当たる側から出て、東へ流れて洛水に入り、陂水はその日陰の側から出て、北へ流れて穀水に入る。その水には茈石と紋のある石が多い。

又西四十里,曰白石之山。惠水出于其陽,而南流注于洛,其中多水玉。澗水出于其陰,西北流注于穀水,其中多麋石、櫨丹。

さらに西へ四十里行くと白石山である。恵水はその日の当たる側から出て、南へ流れて洛水に入る。その水には水晶が多い。澗水はその日陰の側から出て、西北へ流れて穀水に入る。その水には麋石と櫨丹が多い。

又西五十里,曰榖山,其上多榖,其下多桑。爽水出焉,而西北流注于榖水,其中多碧綠。

さらに西へ五十里行くと榖山である。その上には楮が多く、その下には桑が多い。爽水がここから出て、西北へ流れて榖水に入る。その水には碧緑が多い。

又西七十二里,曰密山,其陽多玉,其陰多鐵。豪水出焉,而南流注于洛,其中多旋龜,其狀鳥首而鼈尾,其音如判木。無草木。

さらに西へ七十二里行くと密山である。日の当たる側には玉が多く、日陰の側には鉄が多い。豪水がここから出て、南へ流れて洛水に入る。その水には旋亀が多く、姿は頭が鳥で尾が鼈であり、その声は木を割る音のようである。草木がない。

又西百里,曰長石之山,無草木,多玉。其西有谷焉,名曰共谷,多竹。共水出焉,西南流注于洛,其中多鳴石。

さらに西へ百里行くと長石山である。草木がなく、玉が多い。その西に谷があり、名を共谷という。竹が多い。共水がここから出て、西南へ流れて洛水に入る。その水には鳴石が多い。

又西一百四十里,曰傅山,無草木,多瑤碧。厭染之水出于其陽,而南流注于洛,其中多人魚。其西有林焉,名曰墦冢。穀水出焉,而東流注于洛,其中多㻒玉。

さらに西へ百四十里行くと傅山である。草木がなく、瑤と碧が多い。厭染水はその日の当たる側から出て、南へ流れて洛水に入る。その水には人魚が多い。その西に林があり、名を墦冢という。穀水がここから出て、東へ流れて洛水に入る。その水には㻒玉が多い。

又西五十里,曰橐山,其木多樗,多𣖾木,其陽多金玉,其陰多鐵,多蕭。橐水出焉,而北流注于河。其中多脩辟之魚,狀如黽而白喙,其音如鴟,食之已白癬。

さらに西へ五十里行くと橐山である。その木には樗が多く、𣖾の木が多い。日の当たる側には金と玉が多く、日陰の側には鉄が多く、蓬が多い。橐水がここから出て、北へ流れて河に入る。その水には脩辟の魚が多く、姿は蛙のようで嘴が白い。その声は鳶のようで、これを食べると白い癬が治る。

又西九十里,曰常烝之山,無草木,多堊。潐水出焉,而東北流注于河,其中多蒼玉。菑水出焉,而北流注于河。

さらに西へ九十里行くと常烝山である。草木がなく、白土が多い。潐水がここから出て、東北へ流れて河に入る。その水には蒼玉が多い。菑水がここから出て、北へ流れて河に入る。

又西九十里,曰夸父之山,其木多椶枏、多竹箭,其獸多㸲牛、羬羊,其鳥多鷩,其陽多玉,其陰多鐵。其北有林焉,名曰桃林,是廣員三百里,其中多馬。湖水出焉,而北流注于河,其中多㻒玉。

さらに西へ九十里行くと夸父山である。その木には棕櫚と楠が多く、矢竹が多く、その獣には㸲牛や羬羊が多く、その鳥には鷩が多い。日の当たる側には玉が多く、日陰の側には鉄が多い。その北に林があり、名を桃林という。この林は広さが三百里で、その中に馬が多い。湖水がここから出て、北へ流れて河に入る。その水には㻒玉が多い。

又西九十里,曰陽華之山,其陽多金玉,其陰多青雄黃,其草多藷藇,多苦辛,其狀如橚,其實如瓜,其味酸甘,食之已瘧。楊水出焉,而西南流注于洛,其中多人魚。門水出焉,而東北流注于河,其中多玄䃤。𦁎姑之水出于其陰,而東流注于門水,其上多銅。門水出于河,七百九十里入雒水。

さらに西へ九十里行くと陽華山である。日の当たる側には金と玉が多く、日陰の側には青雄黄が多い。その草には山芋が多く、苦辛が多い。姿は楸のようで、その実は瓜のようで、その味は酸くて甘い。これを食べると瘧が治る。楊水がここから出て、西南へ流れて洛水に入る。その水には人魚が多い。門水がここから出て、東北へ流れて河に入る。その水には黒い砥石が多い。𦁎姑水はその日陰の側から出て、東へ流れて門水に入る。その上には銅が多い。門水は河から出て、七百九十里行って雒水に入る。

凡縞羝山之首,自平逢之山至于陽華之山,凡十四山,七百九十里。嶽在其中,以六月祭之,如諸嶽之祠法,則天下安寧。

およそ縞羝山の連なりの始まりは、平逢山から陽華山まで合わせて十四の山、七百九十里である。嶽がその中にあり、六月に祭るが、諸々の嶽に行う祭りの法のとおりにすれば天下が安らかになる。